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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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 秋の1月の半ばを過ぎた今日この頃。

 一般開放を間近に控えたリアーナのダンジョンは、騎士団による内部の調査を切り上げた。

 調査を担当していた2番隊はダンジョンから引き揚げて、その代わりに王都からやって来る聖貨の輸送隊を受け入れるために、領内の見回りに1番隊共々出ることになった。


 先行利用が出来ていた冒険者達も、上層の奥や中層といった魔物が強くさらに入口から距離がある難易度の高い場所ではなく、より手軽に倒せる浅い位置に集中している。

 最後に稼ごうってのもあるが、騎士団の面子が引いた以上、無理はしたく無いんだろう。


 そして今、その比較的空いている中層を疾走するジグハルト。

 俺の【祈り】があるからとはいえ、入口からここまで走りっぱなしだ。

 魔物が現れても目に付いた瞬間に「シュピッ」とビームを撃って核を貫いていく。

 鎧袖一触とはこの事だな。


 しかし……俺が上から魔物が比較的少ないルートを教えているとはいえ、なんたるハイペース。


「中層だな。セラ! 通路で一旦休憩だ!」


「はいよ!」


 下を走るジグハルトからの指示に返事をして、高度を落とした。

 顔を見ると薄っすら汗を浮かべているが……特に息が上がった様子は見えない。


「ねぇ、疲れてないの?」


「あ? まあ、少しはな。だから休憩するだろう?」


「【隠れ家】使う?」


「いや、必要ない。そこで十分だ」


 そう言うと、すぐ先の下層に繋がる通路を指して、そちらに向かっていった。


 階層内の通路は魔物が出るが、階層間の通路は別だ。

 確かに休憩するにはもってこいの場所だが……【隠れ家】を使う必要が無い程度の消耗なのか。

 結構な速さで1時間以上走りっぱなしだったのにな。


 と、呆れ交じりに見ていると、こちらを見たジグハルトと目が合った。


「お前は入りたければ入っていても構わないぞ?」


 ジグハルトは、壁を背に水分補給をしている。

 座ったりしないのは、緊張感を解きたくないんだろう。

 ここまで、危なげなく来ているのに、油断は全くしていない。


「や、大丈夫」


 例によって俺は浮いていただけ。

 消耗ゼロだ。

 その俺が【隠れ家】に入るってのは……ナシだな。


 回復までもう少しかかりそうだし……今のうちに準備しておくか。

 恩恵品や加護を発動し直して、ついでに【浮き玉】に乗りながらだが、簡単な準備運動を開始した。


「よし……。待たせたなセラ、俺は良いぜ。お前はどうだ?」


 ジグハルトは、休憩に入ってしばらくすると回復したらしい。

 10分そこらかな?

 俺も準備はバッチリだ。


 今日のダンジョン探索の目的地は、俺が以前ソロで挑んで断念した下層の最初の間だ。


 そこでの目的は、フィオーラに作って貰った「燃焼玉」を使って、俺がソロでオオザルを倒す事が可能なのかどうかを調べる事。


「燃焼玉」は読んで字のごとく、ピンポン玉くらいのサイズの玉だ。

 命名はフィオーラだが、この外連味の無さよ……。

 俺もネーミングセンスはちょっと自信無いが、彼女も相当だな。

 ともあれ、これ自体はネバネバブヨブヨしたゲル状で、薄い紙で丸められている。

 ところが、ダンジョンの魔物に当たると一気に溶けて、さらに燃焼するって代物だ。


 ただし、あくまでお目当てはオオザル。

 そいつが姿を現すまでは時間を稼ぐ必要があるし、その後も1対1に持ち込むために魔物を削って行く必要がある。

 まぁ、どちらの問題も【浮き玉】で浮いて【紫の羽】で麻痺らせればいいだけだ。


「オレは何時でも! それじゃ、行ってくるよ」


 それじゃー、リベンジと行きますかね。


 ◇


「ぬーん……」


 上空に漂うこと30分ほどだろうか?

 大半の魔物を麻痺らせる事に成功し、奥の通路からオオザルを呼び寄せることに成功した。

 中層に繋がる通路では、万が一に備えてジグハルトが待機している。

 完璧に事前の作戦通りだ。


 広間で動く魔物は、相変わらず毒が効いた様子が一切ないオオザルに、オーガの群れの中のリーダー格5体。

 前回に比べて動けるオーガの数が多いが、それ自体は問題じゃない。

 ただ……、それが影響しているのかはわからないが、無力化している魔物達は全体的に場所がばらけているんだよな。


 ここから前準備として、出来るだけ素早く倒していかないといけないが……どうすっかな。


「セラ! やれるか?」


 中々動き出さない俺を見て、通路に潜むジグハルトが手を貸そうかと言ってきた。

 要はオオザルと戦えればいいんだし、彼の手を借りること自体は悪く無いが……今後の事を考えるとな。

 折角保護者付きだし、俺1人でこの広間を全滅できるかチャレンジしたい。


「だいじょーぶ!」


 ありがたい申し出だが、断らせてもらおう。

 なに……やる事は変わらない。

 まずはオーガの目を潰して、それから1体ずつ削って行く。

 それだけだ。


 念のためオオザルを見るが……前回と変わらずこちらに対して関心を払わず、倒れている魔物の間をウロウロしている。

 うん……これなら、イケるイケる!

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・13枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 慢心良くない( ˘ω˘ )
[一言] セラがソロで退治できるかというより、燃焼玉でオオザル退治が可能かの調査してる感じですね。 この手の消費アイテムはある程度の種類と数を揃えて部屋に置いておいたほうがいいだろうな
[良い点] 更新乙い [一言] 高性能おっさんだ
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