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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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そのまま適当にお喋りをしながら廊下を進むことしばし。

エレナの部屋の前に到着した。


「一番奥なんだね」


エレナの部屋は2階の最奥だ。

すぐ向かいにも部屋があるが、こっちは誰のだろう?


「ああ。向かいは俺の部屋だな。上の屋敷の様に男女で棟を分けるってのは出来なかったからな。……っと」


ドアの前で喋っていると、中からドアが開かれた。

顔を見せたのは年の頃は20代後半でちょっと目つきが鋭い女性だ。


「奥様がお待ちです。どうぞ中へ……」


中々の迫力。

うるさかったかな?

何となしにアレクの顔を見ると、彼も苦笑を浮かべてこちらを見ている。


彼女は、ゼルキスのお屋敷にいたミネアさんの侍女であるジーナさんや、あるいはメイド頭のハンナさんの様な、いわば屋敷内のお説教役というか引き締め役なのかもしれないな。

似た雰囲気を感じる。

ウチの領主屋敷には誰かいたっけ……リーゼルの侍女のロゼかな?

でも、そんな様子は感じられないし……意外とみんなしっかりしているのかもしれないな。


そんな事を考えつつ中に入ると、アレクと同じくラフな格好のエレナが待っていた。


中は広めの部屋で、王都でセリアーナが使っていた部屋を彷彿させる間取りだ。

簡単な応接セットが置かれていて、エレナはそこに座っていた。

部屋の奥に繋がるドアが見えるし、向こうが寝室かな?


エレナの部屋に入るのはこれが初めてだが……飾りっ気が無くシンプルだ。

セリアーナの部屋もこんな感じだし、似た者同士なんだろう。


ルカ君は別室なのか乳母共々姿は無い。

普段はエレナと一緒に上の屋敷にいるが、今日はエレナもアレクもお休みだし、こっちにいるはずだが……。

部屋の中に子供用の道具は見当たらないし、こっちの屋敷にも子供部屋みたいなのがあるのかな?


「いらっしゃいセラ。後は私達だけでいいから、貴女は下がっていいわ」


「……はい。失礼します」


一瞬間が空いたものの、彼女はすぐに部屋を出て行ったのだが、その際に視線を感じた。

……警戒されてるのかな?

彼女が出て行った後もドアの方を見ていると、エレナが声をかけてきた。


「彼女は優秀だけれど、少し融通が利かなくてね……そのうち慣れると思うけれど、それまでは我慢して頂戴」


そう言うとソファーから立ちあがり、奥のドアに向かって歩き始めた。



秋の1月。


この月は、月の半ばに身内のイベントが二つ続いている。

エレナとセリアーナの誕生日だ。


俺の身分というか立ち位置は、仲間内ではセリアーナの直属の部下って事で落ち着いているが、あまり上下関係というのは存在しない。

大分緩い関係だ。

ただ、俺が最年少という事は確かで、何かと物を貰ったり気を遣われたりしている。


そのため、日頃のお返しも兼ねて誕生日には物を贈ったりしている。

あまり、下の者から貰う習慣というのは無いそうだが、ある意味身分がフリーな俺だからこそだな。

昨年は出産を控えていたり、何かと忙しくて用意できなかったが、今年はしっかり渡そうと思っていた。

義理は大事だ。


……ところがだ。


流石にネタが尽きてくる。

数回でネタが尽きる俺の発想の貧弱さはこの際置いておくとして、そもそもセリアーナもエレナもこの領地で欲しい物や必要な物があればいつでも手に入れられる身だ。

前世のように、物やエンタメが豊富なら何か見つけられるが……最近、あちらこちらの物が入って来るようになってはきたが、それでもまだまだ。


チラっとお貴族様のお祝いなんかを調べたところ、物を贈ったりはするが、それプラスパーティーを開いたりもしている。

演出込みでのプレゼントなんだろうな。

それは俺には無理だし、そもそも彼女達もそういったのは好まない気がする。


そこで思いついたのが、【ミラの祝福】を本気で行う事だ。


今までフィオーラとジグハルトにはやったが、効果は一目でわかるほどだった。

だが、あの時は身に着けたばかりの時だった。


あれから数年……。

日々使用する事で、もはや【ミラの祝福】の扱いは円熟の極みに達したといっていい。

流石にこれより先は無いだろう……って自分でも思う程だ。


全身を一気にやるが、初めの頃の様に長時間行うのではなくて、せいぜい2時間弱で済ませられるようにもなっている。

もちろん、普段より気合いを入れてやるから俺の消耗もあるが、【祈り】を発動する事でカバーできる。

妙な事ばかり自己完結しているな……俺。


「指も一本ずつやるんだな……」


一緒に立ち会い、施療の見学をしていたアレクが疑問を口にした。

今まで彼が見た事のあるのだと、手とか腕を纏めてやっていたからな。

今回の様に、細かく部位ごとに行うのを見るのは初めてなんだろう。


……もっとも。


「そーだよ。オレも、今回初めてやるんだけどね!」


昨晩イメトレ中に、こっちの方が効果が良く現れるんじゃないか……?

って思って、やり方を変えてみたのだ。

指なら俺でも一握りで収められるし、時間も変わらない。

少なくとも悪いようにはならないはずだと見ているが……効果はどうなるかな?


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・13枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] (表情を殺す訓練や教育等を受けているであろう) セリアーナ達の傍で、表情コロコロ変えながら、本気施療のイメトレでフンスフンスしてるセラと、それを生温かい目で見るセリアーナの姿を想像したら、…
[一言] 本気の施療の効果は如何に( ˘ω˘ )!
[一言] ある意味、エレナがセリアーナの前の実験台を務めているような形になっていますよね。 侍女さんが警戒するのも無理は無い……のかな?
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