表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

520/2048

516

「ただーいまー……って、フィオさん?」


「お帰りなさい。お邪魔しているわ」


 工房で注文していた品を受け取ってから、セリアーナの部屋に窓から入ると、部屋の主のセリアーナにエレナはもちろんだが、フィオーラの姿もあった。

 夜ならともかく昼間っから彼女がここに居るのはちょっと珍しいが、3人で応接用の席に座りお茶をしている。


「届ける物があって持ってきたそうよ。お前が注文していた品はまだのようだけれど……」


「ぬぬ?」


 なるほど……確かにテーブルには小さな瓶が何本も並べられているが、俺が注文した物は無いのか。

 そんなに難しい物じゃ無いから、時間はかからないと言っていたけれど……。


「ごめんなさいね。完成自体はしているのだけれど、物が物だけに検査が必要だから、少し待つようにって領主様に言われたのよ。渡すのはもう少し待って頂戴」


 少々申し訳なさそうなフィオーラ。

 だが、確かに言われてみれば、ちょっと物騒な物だもんな……。


「なにか妙な物を注文した様ね」


「まーねー!」


 呆れ顔のセリアーナに、胸を張って答えた。


 俺がフィオーラに制作を頼んだ物は、対オオザル用の薬品だ。


 前回のオオザルとの戦闘時に、救援に来た冒険者が使った目潰しだが、アレクに聞いたところ、あれはただの粉では無くて魔力に反応して纏わりつくアイテムだった。

 一般に流通している物では無くて、彼等が独自に注文を出して制作して貰った物らしい。

 で、俺は考えた。

 俺もなんかいいアイテムを作って貰えないか……って。

 その事をフィオーラに相談したら、快く引き受けてくれて、すぐに構想を固めてくれた。


 燃焼液という、水に反応して燃えるアイテムがある。

 凍結した水路を解かしたりするのに使われていて、俺も使った事がある。

 俺が依頼したのはそれに似たアイテムだ。

 魔物の核に反応して、周囲の魔力をかき乱しながら燃焼するダンジョン専用アイテムだ。


 魔物にぶつける事で初めて効果を発揮するだけに、誤爆の心配も薄いのだが……、危ないものには違いないし、リーゼルの許可が必要ってのもわからなくはない。


 アレク達が行った下層の調査でわかった事だが、あのオオザルは、各広間の魔物に何かしら異常が起きると、通路にポップする護衛の様な存在らしい。

 さらに、通常のオオザルよりも魔境に現れるオオザルに近い強さなんだとか。

 強さはこの際無視するとして、要はあの階層で狩りをするなら避けては通れない中ボスみたいなもんだな。

 ボスは既に倒したのに……なんて迷惑なヤツ。


「それで? どうやって倒すつもりなの?」


 アイテムの説明は聞いているのかもしれないが、どうやって使うのかは聞いていないのかな?


「ん? あぁ……ただの液体じゃなくてネバネバしてて、当たった場所に張り付くんだって。そこが延々燃え続けるの」


 火炎瓶というよりはナパーム弾だな。

 そして、これは止め用のアイテムじゃない。


「で、周囲の魔力を乱しながら燃えるから、【ダンレムの糸】を躱す事は出来ないと思うんだよね。とりあえず1発直撃さえ出来れば大分変わって来ると思うんだ。前回で我慢比べなら俺も負けないってのはわかったしね」


「2分近くは燃え続けるはずだし、一旦距離を取ってから狙いを付けるだけの余裕はあるはずよ」


 素晴らしい……要望通りだ。


 それを聞いて、セリアーナとエレナは顔を見合わせ、何事かアイコンタクトを交わしている。


「使いこなせるのなら問題無いわね。リーゼルには私達からも口添えしておくわ」


「むっ! ありがとー!」


 2人の口添えがあれば、検査もすぐに終わりそうだ……リベンジの機会はすぐやって来そうだな!


「それより、お前はもう今日は用事は終わりなの? 見習いの引率の後に用事があるとか言っていたけれど……?」


「うん。もう終わったよ。っと……そーいや、風呂入りたいんだった……。ちょっと奥で入って来るね」


 部屋に入ったらフィオーラが居たからついつい話し込んでしまったが、着替えもしたいし風呂にも入りたい。

 そう告げると【隠れ家】を発動するために、セリアーナの寝室に向かった。


 ◇


 のんびり浸かって、ついでに洗濯も済ませて……30分程【隠れ家】でゴソゴソしていたが、再びセリアーナの部屋に戻ると、変わらず3人で話をしていた。

 俺もそこに髪を乾かして貰うついでに混ざっていたのだが、ふと、何の用事だったのかと聞かれた。


 俺が1人で街に用事があるって滅多に無いしな……気になったのかもしれない。


「少し前に工房に注文出してたのがあって、そろそろ出来上がるころだし受け取りに行ってたんだ。……コレね」


 甚平のポケットに入れていたソレを出して、机に置いた。


「……棒?」


 セリアーナが言うように、それは両端が丸く磨かれた15センチ程の白い木の棒だ。

 ただ、こちらの世界では馴染みが無いのか3人とも不思議そうな顔でソレを見ている。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・13枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 伸びろ、如意金箍棒!! さて置き、マッサージ棒だとすると、とてもいいですねぇ 指圧してると、指大変なんですよね……
[気になる点] > 魔物にぶつける事で初めて効果を発揮するだけに、誤爆の心配も薄いのだが……、危ないものには違いないし、リーゼルの許可が必要ってのもわからなくはない。 > > アレク達が行った下層の調…
[一言] 鉄アレイかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ