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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 例によって毎度の夜の報告会。

 今日はアレクもいるので1階の談話室でだ。

 昼食や夕食時は他の人もいて大きい方の食堂だったから、ダンジョンの話は出来なかったんだよな。

 まだメンバーが揃っておらず、皆でお喋りタイムだ。

 アレクはそれに加わっていないが、この中でただ一人の男性なのに慣れたもので、のんびりお茶を飲んでいる。

 ちなみに中身は男の俺はどっちにも加わらずに寝転がっている。


「失礼。遅くなりました」


 開口一番謝罪をし、部屋に入って来たのはオーギュストと、その副官のミオだった。

 リーゼルはまだ人と会う用があるとかで、彼が代わりに来るのは聞いていたが……ミオまでいるのか。

 彼女はダンジョンの事は知らされていないはずだが……まぁ、後数ヶ月とは言え、オーギュストのサポート役である彼女に、ダンジョン絡みの仕事を遠ざけるのも面倒だろうし、オーギュストも動きにくいだろう。

 他の面々を見ても誰も何も言わないし、問題無いか。


「……セラ嬢は聞かされていないのか?」


 キョロキョロする俺を見て、オーギュストが不思議そうな顔をしている。

 彼の言うように何も聞かされていないからな……。


「この娘、昼食後に部屋に戻ってから夕食までずっと寝ていたのよ。起こしても起きないし……」


「今日頑張ったからねー」


 セリアーナは呆れた様子で言ってくるが、実際今日の俺は頑張ったと思うんだ。

 下層の1フロアのみだったけれど、格上相手に最後までキレること無く優勢に立ち続けていたわけだし……消耗していたんだろうね。

 昼食後に部屋に戻り、ベッドに寝転がったところまでは記憶にあるんだが……気付けばテレサに夕食だと起こされていた。


「なるほど……アレクシオ隊長から簡単な報告は受けているが、後で詳細を聞かせてくれ。……ミオ? どうした?」


 頷いていたオーギュストはふとミオが一言も発していないことに気付き、振り向いた。

 釣られて俺もそちらを見ると、ドアのすぐ前で立ち止まったままの、変な物を見る様な顔をした彼女と目がバチっと合った。


 積極的にお喋りをしたことは無いが、それでも彼女とは一緒に仕事をした事もあるし近くの街まで行ったりもしている。

 こういったプライベートな場ではともかく、初対面ってわけじゃ無いのに……。


 はて? と首を傾げる俺と違い、オーギュストはすぐにわかったようで、なにやら説明をしている。

 多少困惑の色は残っているものの彼の説明で納得したようで、2人ともこちらにやって来て、ソファーに座った。


 座ったはいいものの、ミオの方は未だ緊張した様子。

 アレクは同僚だとしても、セリアーナにエレナ、テレサ、フィオーラ……女性陣が迫力あるもんな。

 セリアーナ達もわざわざ気を使ったりって事はしないし、ここはなんとか自力で慣れてもらうしか無いんだろう。


「ミオ」


「はっ!」


 だが、アレクは助け舟を出す気なのか、彼女に声をかけた。

 紳士じゃないか……。


「ソレはいつもの事だ。お前もこちら側に来るのなら慣れるんだな」


 何やらソレとかこちら側とかなんか思わせぶりな事を言っている。

 まぁ、言ってしまえばこの集まりは領地の裏幹部会みたいなものだし?

 いつまでもセリアーナ達にビビッていられたら困るってことだろう。


 セリアーナに耳かきされていて頭を動かせないので、心の中でウンウンとその考えに頷いた。


 ◇


 しばらくするとジグハルトも姿を見せた。

 これでメンバーが揃った事だし本題に入っても良いんだろうが……その前にオーギュストが話題を振ってきた。


「テレサ殿、それは新色ですか?」


「ええ。先日姫用に王都から取り寄せました」


 テレサは今俺の手の爪を塗るのに忙しく、オーギュストの問いかけに顔を向ける事無く答えた。


「……よくわかるね。団長」


 代わりに俺が話を引き継ごうかな?


「私は使わないがね。代わりにミオが調べて報告書に纏めてくれるんだ。ミオ、君はどう思う?」


 ミオは先程のアレクとのやり取りを除けば、部屋に入ってからほとんど口を開いていないからな……会話に加わるいいきっかけになるかもしれない。

 本題に入る前にワンクッション置けるし、ここは俺も一つアシストするかね?


 そう考えて、見えやすいように足を少し上げて指先をピコピコと動かした。

 今テレサが塗っているのは、普段塗って貰っている黒じゃなくて薄いピンクで、ちょうど足が終わりこれから手の爪に取り掛かるところだ。


「はっ……はい。そうですね……赤い髪と白い肌と合わさって大変お似合いだと思います」


 褒められた……照れるじゃないか。


「あの……セラ殿は何故いつも爪に黒を塗っているのでしょう……? 騎士や兵士ならともかく、あまり可憐な少女に使う色では無いと思いますが……」


 可憐な少女ってーのは我ながらちょっと不似合いな言葉だと思うが……確かにあまり子供に塗る色じゃない。

 あれはそもそも割れた爪を回復させるための薬用品でもあり、彼女が言ったように主に訓練で爪を割った女性兵が補修するために使われる物だ。

 俺は爪を割る様な事はしないし、そもそも自前の加護で治せるしな。


 まぁ……それを思えば当然の疑問だな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・10枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 やっぱりセラは存在そのものが面白いなー。 [気になる点] 他の方の感想にも書かれていましたけど、爪を黒以外の色で塗ったら影の剣をどの指につけているかバレてしまい…
[良い点] 耳かき草ァ!!! この幼女、愛でられる事に慣れすぎて一切疑問に持ってねぇ!?
[一言] 領主夫人に耳かきされながら爪の手入れされて寛いでる姿を見たらそりゃ固まるわな
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