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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。
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 消滅することなくその場に留まる光の矢。

 そして、バチバチと漏電しているような音に、それに混ざって聞こえてくる唸り声……これ……もしかして、受け止められているのか?


「……え? マジで?」


 避けられたり外したりってのは考えていたが、直撃しても防がれるってのは想定外だった。

 だって、あのボスカマキリも甲殻がはがれていたとはいえ、ぶち抜いたんだぞ?

 こんな……普通の魔物に防がれるなんて思わないじゃないか……。


「ちょっ……ど……どうしよう……あ」


 逃げるか回り込んで攻撃を仕掛けるか、それとも見守るか……次の一手に迷っていると光と音が収まり、やがて消えた。

 今の一撃で砂塵が舞い上がりオオザルの姿は直接は見えないが、ヘビたちの目を通していまだ生きている事はわかる。

 どれくらいダメージが入ったのかはわからないが……とりあえず位置を変えた方がいいかもしれないな。

 風が吹いて無いからまだしばらくはこのままだろうが、地面を荒らしてしまったから、オオザルが投擲に使えそうな石ころがそこら中に転がっている。


「……おわっ!?」


 言ってる側から人の頭くらいありそうなデカい石が、先程まで俺がいた場所目がけて飛んできた。

 だが……。


「遅い……。ダメージはあったか?」


 飛んできた石は、仮にあそこにいたままでも回避できる程度の速度だった。

 仕留めこそ出来なかったが、しっかりとダメージは入っていたようだ。


「良かった良かった……。流石に直撃でダメージが無いようじゃ、逃げるしか無いもんな……」


 砂塵の奥から目を離さずも、移動を繰り返し毒が効いたままの魔物に止めを刺していく。

 これで、次のリポップまではオオザルと1対1だ。

 他の魔物に気を払う必要も無いし、多少の無理も出来る。


「……ふむ。魔力がほとんど残っていない。矢を防ぐのに使い切ったのかな?」


 咆哮に備えて、使用を控えていた【妖精の瞳】を発動して、オオザルがいる方向を見たが、魔力がほとんど残っていないのがわかった。

 どれくらいで魔力が回復するのかはわからないが、10分やそこらじゃ無理だろう。

 これなら2発目は防げ無い。


 これは……もらったな。


 ◇


 もらったなと意気込んだはいいが……砂煙が晴れない。

 もう2分くらい経ってると思うんだけどな……。

 矢だけじゃなくて、オオザルが食らいながらも耐えていた時に、一緒に巻き上げられていたのかな?

 流石に、視界が悪い中で接近戦を仕掛けるのはごめんだ。


「ぐぬぬ……おっ?」


 早よ晴れんものか……と待つことしばし、ようやく静まり、オオザルの姿が見えてきた。

 残念ながら五体満足のようだが……どうやら矢を受け止めたのは右腕だったらしい。

 出血こそみられないが、ダラりと力なく垂れ下がっている。

 右側に明確な隙が出来たな……おサルさんに利き腕があるかどうかはわからないが……攻めるなら右側からか!


 ゆっくりと右側に大回りで近付いて行く。

 俺を目で追いながらオオザルは唸り声をあげているが、距離があるからか仕掛けては来ない。

 そのまま10メートルほどの間合いを保ち続け、真横にまで到達したところで、一気に加速して後ろに回り込んだ。


「よいしょっ」


 そして、まずは【足環】で背中に取りついた。

 この急な加速にはオオザルも反応できなかったようだ。

 左腕を背中に回そうと頑張っているが、右肩寄りにいる俺には届いていない。

 これで右腕が動くのなら違っただろうが……ふふふ。


 オオザルを倒す時は、魔王種の時もノーマルの時も手足を落としてからだった。

 2足歩行で腕が長く、こちらに対応した動きをとれる頭もあるから、一気に止めを狙うんじゃなくて一手ずつ削いでいくのが、対オオザルのオーソドックスなパターンらしい。

 俺もここはそれに倣わせてもらおう。


「はっ! ……んん? おっと……!?」


 まずは右腕から……と【影の剣】で斬りつけたのだが……腕が太すぎる!


 骨までは断てたが、まだ皮どころか筋肉もしっかりと繋がっていて動かせるようだ。

 カウンターに、斬り込まれた右腕を振り回してきた。

 もっとも、自由に動かすのは無理な様で、ただ振り回しただけだ。

 いくらなんでも、これが当たることは無い。


 もう一太刀浴びせれば、あの右腕は切断できるだろう。

 だが、あのぶら下がった状態を維持したままでも、むしろ行動に制限を課せられていいかもしれない。


「さて……どーしよっかなー」


 左腕で投げてくる石を躱しながら、オオザルの周りを飛び回り続ける。

 碌に動かないのは自身でも理解しているだろうに、時折右手で石を掴もうとしているし、切り落とさずこのままにしておく方がいいかもな……。


 核があるのは胸元。

 流石にこの状態でも懐に飛び込むのは危険だし、もう少しダメージを与えますかね。

 胴体には難しくても、首や頭部……致命傷に繋がる部位へ攻撃を続けていけば、きっと隙も出来るはずだ!

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] アレクの課した制限時間内でしとめられるのか
[一言] 決め手に欠けるがどうやってトドメを刺すのか( ˘ω˘ )
[良い点] 更新乙い [一言] 中々スパッとは難しい
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