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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。
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 ダンジョンでの事故発生から1週間ほど経ち、検証が終わった。


 事故そのものは、ダンジョン浅瀬の構造上どうしても防ぐことは難しく、ある程度は仕方が無い……となった。

 そもそも木を伐採したりして起きた事ではなく、魔物との戦闘中に魔物によって偶然引き起こされた事故だったわけだし、各々が気を付けるしかないってなるのは仕方が無いと思う。


 そのかわり、支部長がリーゼルに訴えていた設備の充実などは前向きに検討する事になった。

 ……なんか曖昧な返答ではあるが、実現可能かどうかとかそっちはそっちで調べる事があるから仕方が無い。


 どうもジグハルトが工房に一緒にいったのもその一環だったんだとか。

 民間では無くて、領主側のポーションを始めとした薬品類の生産能力を向上させたいそうだ。

 まぁ、ダンジョンも重要だけれど、そっちばかりにリソースを割くわけにもいかないもんな。

 今はよそで燻っている錬金術師とか薬師をスカウトしていて、その彼等は秋の雨季が明ける頃にやって来る。

 ちょうど、ダンジョンが一般開放される頃だな。


 ダンジョン探索の条件で魔境の狩りのペースが上がった事もあって、幸い素材は余っているし、人手が増えればいい方向に進むだろう。


 さて、何はともあれ、久々のダンジョン探索だ。

 結局ずっと閉鎖されていたからな……。

 検証に参加しない冒険者達にとってはいい休暇になっただろうが、俺にとってはやる気に水が差された感じではあった。


 ボス戦以来ちょっと燃え尽きていて、そこから復活していざ探索へってそのタイミングでアレだったからなぁ……。

 ふっふっふっ。

 今日はちょっと色々やっちゃうぞ!


 狩りをする者を避けて奥へ奥へと進み、上層の最奥部。

 中層の入口手前までやって来た。


「お?」


 地面に転がる、俺が刎ねた魔物達の首。

 それに潜り込み核を潰して回っているヘビ君たちだが、ある一つの頭部を潰した時、俺の左手に異物感が生まれた。


「久しぶりだなー……」


 聖貨……とりあえず、首に下げた財布にしまったが、ゲットしたのはボス戦以来かな?

 魔物と戦闘さえすれば結構な高確率でゲットできる俺だが、戦闘が無ければ、流石に無理だからな……。


 今日最初の群れで1枚ゲットか。

 これは幸先が良いな!


 ◇


 浅瀬はもちろん上層も狩りをする者は多かった。

 何と言っても実力者揃いの精鋭たちで、その精鋭たちがバックアップ体制がしっかり整った状態で狩りをしているんだ。

 そりゃー、平常時よりもペースが上がるだろう。


 お陰で俺の狩場がねぇ。


【影の剣】は未だ存在を隠しているし、他のまとめて倒せる恩恵品は範囲を絞るのが難しく、近くで狩りをしている者がいるとハイペースでの狩りが難しい。

 そこで、中層に踏み込む事にした。

 あそこは広いホール状で、好き勝手動ける狩場だし、何よりガッツリ稼いだ実績がある。


 そう思っていたのだが……甘かった。

 ここもしっかりいる。

 前まではここは俺だけだったのになぁ……。


 入ってすぐに中層のあちらこちらで戦闘が行われている事に気付いた。

 どうやら別々のパーティーではなく大きなグループのようで、それぞれが連携して動いている。

 そもそもこの階層の魔物は強力だし、普通に狩りをするのも簡単な事じゃないだろうが、冒険者だけじゃなくて騎士団の面々も加わっていて、その彼等がサポート役に回っている様だ。

 上手く安定している……。


「セラ」


 誰かが指揮を執っているのかもしれないが、一体だれが……?

 と、しばし眺めていると下から声がした。


「お? あ、アレクじゃん」


 お前か……俺の狩場を奪ったのは……!


 その考えが顔に出てしまったのか、アレクが困った様な顔をしている。

 八つ当たりではあるが、存分に困って欲しい。


「ぬー……この階層でオレが狩りをするのは厳しそうだね……」


「そうだな。全体を使って狩りをしているしな……。飛び道具も使っているし、お前がうろつくのは危ないだろうな」


 この開けた階層なら弓も有効だ。

 問題は他のパーティーへの誤射だが、まさにそれの検証もやっているんだろうな。

 狩りをしながら真面目にお仕事をしてらっしゃる……。


 何となくその場でアレクと一緒に狩りの様子を見守っていると、リポップのタイミングが被ったのか、少し救援が遅れて戦線に乱れが生じている。

 これは参戦かな、と思ったのだが……アレクが前へ行き、【猛き角笛】を発動して大声で指示を出して安定させた。

 狩りをしている連中は皆いい腕だ……。

 感心していると、アレクがこちらに戻ってきた。


「上層では狩りをしないのか?」


「あっちもねー……人が多くて狩りがし辛いんだよ」


「ああ……一週間ほどダンジョンを閉じていたからな……。その間も交代で検証を行ってはいたが……どうしても狩りは控えめになっていたし、消化不良だったのかもしれないな」


「ぐぬぬ……仕事熱心なやつらめ」


 俺は断ったが、彼等の場合はそうはいかないもんな。

 きっと真面目に地味な仕事を片付けていたんだろう。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんはソロ向き( ˘ω˘ )
[一言] 怠惰姫、勤勉さに負けるの巻でした
[気になる点] ヘビが核潰したら聖貨は得られない的な設定なかったですか? 勘違いかもしれないです。
感想一覧
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