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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。
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「おはよーございまーす」


 とりあえず朝食でも食べようと、厨房へやって来た。

 一応まだお客は来るから、この季節いつも着ている甚平ではなく、メイド服だ。

 うむ。

 最近ドレスを着せられる機会が多かったから、この楽な感じは悪く無いね。


「おう、セラか。メシでも食いに来たか?」


「そうそう。なんか軽めのものが良いな」


「すぐ作ってやるから、控え室でちょっと待ってろ」


 奥から顔を出した料理長と軽い言葉のやり取りをすると、彼はすぐに用意に取りかかった。


 厨房内では調理が行われているが、昨日までの忙しさは感じられない。

 昼餐、晩餐と忙しかったが、今日からはもう平常通りなのかな?


 厨房を後にして、すぐ側の控室に行くと、こちらには誰の姿も無かった。


「ふーむ……皆忙しいんかね?」


 今が何時かわからないが、まだ昼前だろう。

 普段だとこの屋敷はあまり客は来ないから、早朝から仕事を進めて、リーゼル達の公務が始まると一旦こちらに戻って来ることが多い。

 そして、また午後から働き始めるのだが、ここ最近はお客も多くそのリズムが崩れていた。

 厨房は平常運転だったが、こちらはまだそうじゃないみたいだな。


 そんな事を考えていると、料理長が朝食を運んできた。


「あ、ありがとーございます」


「おう」


 と、彼は一言だけ言うと再び厨房へと戻ろうとした。

 が、それに待ったをかけて、他の皆はどうしているのかを聞くことにした。


「あ? あぁ……屋敷に宿泊されているお客様方は、ほとんどが今日お帰りになるからな。つーか、もう出発されたぞ。で、使用人達はそこの片付けだな」


「あぁ……。なるほど……。ありがとー」


「おう」


 そう言うと、今度こそ部屋を出て行った。

 そうか……そういえば外だけじゃなくて、この屋敷に宿泊している客もいたな。

 セリアーナもいるだろうから、リーゼルんトコにでも行こうかと思っていたけど……午後にした方が良かったかな?


「……とりあえず食べるか」


 朝食のメニューは、パンにベーコンエッグにスープ。そして果物。

 シンプルで実によろしい。

 それでは、いただきます。


 ◇


「おぉ、セラ殿か」


 とりあえずリーゼルの執務室に顔を出そうとやって来たが、部屋の前の警備兵がすぐに俺に気付いた。

 毎度のことながら足音のしない俺によく気付けるな……。

 部屋の警備……とはいえ、領主様のだし、彼等も凄腕なのかな?


「おはよー。中にセリア様いる?」


「ああ、いらっしゃるぞ。……セラ殿がお越しだ」


 中に声をかけると、すぐにドアが開いた。

 セリアーナがいる事は確かだろうけれど……これって入って良いんだよな?


「おじゃましまーす……」


 小さい声で挨拶しながら入室した。

 中には、この屋敷で働くいつもの文官達に加えて、見た事の無い者達も何やら協議をしている。

 他領の人達かな?


「む」


 さらに、離れた席ではセリアーナがエレナやテレサに加えて、これまた見た事の無い女性達と一緒にいる。

 そして、セリアーナは俺に向かって手招きをしているな……。

 来いってことか。


「おはよー。セリア様」


「ええ、おはよう。珍しく早く起きたわね?」


「む? そういえば今は……10時ちょっとか……。早起きだ……」


 部屋に置かれた時計を見ると、10時を少し回ったところだった。

 食事も済ませて来たし、起きたのは9時半くらいかな?


「布団を剥いでも全く起きなかったから、てっきり昼まで起きてこないと思ったのだけれどね……」


 膝の上を指しながら、フッとセリアーナは笑っている。

 やはりセリアーナの仕業だったか……まぁ、わかってはいたさ……!


 とりあえず彼女の膝の上に座り【ミラの祝福】を発動する。

 そういや、昨晩マッサージを結構本気でやったけど、平気そうだし揉み返しとかは無さそうだな。


「あ、おはようございます……」


 見知らぬ女性達に頭を下げる。

 エレナやテレサにとってはおなじみの光景かもしれないが、誰かは知らないが彼女達にとっては、珍しいのかもしれない。

 なにやら固まっている。

 ってか、この人達誰なんだろう?

 そもそも今何をしているんだろうか……?

 なんもわからん。


「彼女達は領地の各街で文官として働いているのよ。男性の方が多いけれど、少数だけれど女性もいるわね。代官夫人との繋ぎ役は大抵彼女達が任されるわ。ウチで言えば、エレナとテレサがその枠ね」


「ほー……」


 そういえば俺も他の街でそこの代官夫人と会う時には、女性が間に入る事が多かった。

 まぁ、確かに女性なら女性に任せた方がいいか。


 ◇


 午前の執務が終わり、皆で昼食となった。

 場所は第1食堂。

 一番デカい食堂だ。


 円卓ではなく2つの長机があり、男女に分かれている。

 上座は領主夫人で、俺はセリアーナのすぐ手前……向かいはエレナで、俺の隣がテレサだ。

 他の女性達は、そこからさらに1列空けて座っている。

 男性たちの席を見ると、あちらも同じ様にしている。


 何というか……差を目に見える様に露骨に付けるんだな……。


 ちなみに昼のメニューは、ラビオリのような物にスープ、サラダ、果物だ。

 どこの国、どこの世界でも、練った小麦粉に何かを包んだ料理ってのはあるもんなんだな……。

 ともあれ、俺は軽めにしてもらったが、中々美味であった。


 そして、食事が終わりしばし談笑となったのだが、そこで話題となったのは、やはりダンジョンだ。

 どうやら今この屋敷にいる客は全員領地の者で、ダンジョンの協議の為に残っていたらしい。


 資源的な意味だけじゃ無くて、他領からもそれ目当てで訪れるだろうし、当然領都までの間にある各街にも滞在する。

 色々決めておくべきことがあるんだろうね。


 しかし、休憩時間にもそんな話をしているだなんて……仕事熱心な事だ。

 昨晩のセリアーナの姿を思い出すが……これを毎日するのなら、そりゃ疲れるか。




セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自然な流れでセリア様の膝上に! [気になる点] セラちゃんの身長は130センチはこえてるのかな?
[気になる点] 子供達が同じ席で食事を取るようになったときの席順 [一言] 手招きされてナチュラルに夫人の膝に収まればそりゃあみんな固まるよね。 食事の席でも領主夫妻に次ぐ上座の席だし。
[良い点] セラが来ると、すぐに手招きするセリアーナ様好き
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