表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

476/2049

472

 記念祭2日目……といっても昨日とやる事は変わらない。

 記念祭は3日間で、王都だとそれぞれ式典のような物が行われるが、リアーナはまだそんな大げさな事をやる領地じゃない。


 ちなみに王都だと初日は処刑などを行う。

 昔セリアーナが【緋蜂の針】を使って処刑を行っていたが、ウチは幸い処刑するような罪人はいないそうだ。

 軽犯罪程度なら起きているそうだが……まぁ、まだ外部の者が大それたことをやる様な土壌が無いのかもしれないな。


 ともあれ、今日の午前中はセリアーナがチョイスした相手に、会談ついでに【ミラの祝福】を行った。


 昨日もそうだったが、遠方のお客さんがメインだ。

 近くの人だと、その気になれば来る事が出来るからかな?

 他にも意味があるのかもしれないが、その辺は俺が考えても仕方が無いか。


 ◇


 今日の分の施療を終えた後は、俺はセリアーナの部屋に戻っていた。

 他の皆は客と昼食をとっていたが、俺はそれには参加しなくてもいいそうで、1人この部屋に引きこもっている。

 もう客に会う予定は無いし、いつもの夏の定番である甚平に着替えて、リラックスモードだ。


 そして、他所からの頂き物の本をゴロゴロしながら読んでいると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。


「はーい? って、あらま。どしたの?」


 ドアまで行って開けると、そこには主に屋敷の本館で働いているメイドさんが、服を手にして立っていた。


「セラちゃん、奥様がお呼びよ。……着替えを済まさないとね。奥様が仰っていた通りだわ」


 と、俺の恰好を見て、苦笑しながら中に入って来た。

 なんか俺に用があるようだが……それよりもセリアーナは何と言っていたんだろうか……?


「セリア様なんて言ってたの?」


 甚平を脱いで彼女から手渡された服を着ながら、セリアーナが何と言っていたのかを訊ねた。


 ……ところで、この服。

 薄いグリーンのワンピースだが……初めて見る服だな。

 デザインは昨日今日着ていた服と似ているが……新しいやつかな?

 サイズはピッタリだし、一緒に仕立てたのかもしれないが……この屋敷、俺用なのに俺が存在を知らない物が多過ぎないか?


「私も詳しい事は聞いていないけれど、お客様がお越しよ。……髪はどうしようかしら」


 彼女は背中のボタンを留めていたが、それを終えると今度は髪をどうしようかと悩み始めた。

 今の俺は解いて、前髪が邪魔にならないようにと、ヘアバンドをしているだけだ。


「適当に後ろで結んでくれる?」


 所謂ポニーテールだ。

 客が誰かは知らないが、なんか指定があるならともかく、なんも言っていないならそれで問題無いだろう。


 彼女は手早く俺の髪を結び、とりあえずは準備完了だ。

 それにしても、一体何の用だろう?


 ◇


「あわわわわわ…………」


 従魔という存在がいる。

 種族名では無くて、人間に手懐けられ、契約を結んだ魔物の事だ。

 俺も、アカメ、シロジタ、ミツメの潜り蛇3体と契約をしている。

 平時、戦闘時関わらずよく助けられている、頼もしい存在だ。


 俺は試した事は無いが、魔力を用いた呼びかけで強制的な行動をとらせたりも出来て、従魔だけでなくて主も国や領地に登録が必要になる。


 ……少し話は変わるが、ゼルキスもウチも、街道での犯罪率はかなり低い。

 騎士団が見回りをしているからというのもあるが、なにより魔物の出現率が高いからだ。

 そりゃー……犯罪者も、わざわざそんなところで活動しないだろう。


 そして、犯罪者も出ない代わりに個人での往来も控えめだ。

 大体は商隊を組んで護衛を引き連れて、移動している。


 さて……急なお客は、ミュラー家の分家でゼルキス領のどこかの街の代官を務めている方の奥さんで名前をマリエラ・バレンというらしい。

 30代くらいの、決して大柄では無いが背筋が伸びた活動的な印象を受ける女性で、今日の昼前に到着したようだが、なんと彼女は1人でここまでやって来たそうだ。

 いや、正確にはプラス1体か。


 そもそも貴族の女性が街の外に出るのは本来止められるのだが、彼女の場合は少々事情が違う。

 プラスの1体……彼女の従魔が強力だからだ。


「ひぃぃぃぃ…………」


 この世界にも猫はいる。

 前世でペットにされていた様な猫とはまた違うが、農村でよくネズミ対策に飼われているそうだ。

 そして、ネコの魔物も勿論いる。


「コール、止めなさい!」


 今コールと呼ばれたネコの魔物が彼女の従魔だ。

 俺の知るネコよりも足が大きく、ヤマネコに近い見た目だ。

 ただし、サイズが違う。

 人間と大して変わらない。

 人間サイズのネコ……それってほとんどトラだよな……?


「た……たしけて……っ!?」


 そのコールは、俺の何が気に入ったのかわからないが、先程から俺にのしかかり、頬をザリザリと舐めている。

 そして、主であるマリエラは慌てて止めに入っているが、上手くいっていない。

 ちなみにセリアーナは、よほど可笑しいのか笑い続けている。


 エレナとテレサは別の用で同席していないし……こうなったら【風の衣】で吹っ飛ばすか……?


「コール!!」


 だが、それをする前に、マリエラが先程よりも力を込めた声で名を呼ぶと、今度はぴたりと止まった。

 もしかして、今のが命令なんだろうか?


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 羨ましい ジャンボ猫に押し倒されてザーリザーリされてみたい
2023/06/27 04:41 退会済み
管理
[気になる点] 影の蛇を3体も飼ってバリバリ強化させてることが 魔力をちょっとずつ吸われ続けるってことで セラの成長を阻害してたりしないだろうか…
[一言] 蛇ににらまれた蛙(猫です)ならぬ、猫ににらまれた蛇なのですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ