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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 俺がミュラー家本家への養女入りっていう、俺にとっては衝撃のお話があった懇親会がお開きになった後、セリアーナはやって来た女性客の中から数組と会談を行った。

 その際には俺も同席し、【ミラの祝福】膝上verを同時に行っていた。

 むしろ、こっちが本命みたいな気もしたが……まぁいいか。

 普段の生地が厚いメイド服と違って、薄手の品の良い服だったから、皺になったりしないようにと緊張したが……恐らく効果に影響はなかっただろう。


 しかし……養女か。

 やっべぇな……養女とはいえお貴族様になってしまうのか……。

 なんか面倒な事とか増えるのかな……?


 話を聞こうにも、【ミラの祝福】を終えた時はもう夕方で、それから晩餐会になっていた。

 俺は基本的に酒の出る場には出ないから、今回も部屋で留守番だ。

 セリアーナはもちろん、エレナとテレサも出席している。

 乳母は部屋にいるが、それでも彼女達に聞いても、何か答えづらい事とかあるかもしれないし……。


 窓から外を見ると、すっかり暗くなっている。

 夏とはいえ、普段だと酒場くらいしか店は開いておらず、屋敷からだと建物の窓の明かりくらいしかわからない。


 だが、今日は街にはあちらこちらで明かりが灯り、賑わっている。

 お祭りだもんな。

 夜になって窓を閉めているから、喧騒は届かないが、きっと住民はあちらこちらで騒いでいるんだろう。

 ……妬ましや。


 別に俺も混ざりたいとは思わないが、記念祭イコールエンドレス皿洗いの記憶が染みついている。

 もうその店は無くなっているらしいが……。


 外を見て少し苛ついていると、屋敷の玄関辺りに向けて馬車が集まっているのがわかった。

 この屋敷に泊まる客もいるが、大半は外に宿を取っている。

 そろそろお開きなのかもしれないな。


 客の馬車の出入りが落ち着いた頃、セリアーナとテレサが部屋に入って来た。


「あら、まだ起きていたの?」


「あ、おかえりー」


 エレナの姿が見えないな……自宅に戻ったのかな?


「貴方達はもう下がっていいわ。ご苦労様」


「はい。失礼します」


 と、双子を連れて乳母達は下がらせ、テレサも俺達に挨拶をすると、自分の部屋に戻って行った。

 2人になった部屋で、セリアーナが何やらこちらを見ているが……。


「お前の事だから、何か聞きたいことがあるんじゃないの?」


「ん……まぁ、聞きたいことはあるかな?」


 養女に入る理由はわかったけれど、周りの反応とか色々わからないことだらけだ。


「そう。話してあげるから、向こうに行きましょうか」


 そう言うと、セリアーナは寝室に向かっていった。


 ◇


 夜会用の服から寝間着に着替えたセリアーナは、寝室のソファーに腰かけ、お茶を飲んでいる。

【隠れ家】で、彼女がわざわざ淹れたものだ。

 俺の分まで……。


 王都ではコルセットも使っていたが、こっちに来てからは使っていない。

 手抜きってわけじゃ無くて、いつ魔物が現れるかわからない土地だから、すぐに戦いに出られる格好でって伝統らしい。

 今は貴族の女性がそんな事をやる機会はほぼ無いそうだが、それが今も続いているって事は……きっと楽だからだろうな。


 しかし……お茶もだが、着替えなんかも、エレナがいる時は彼女が引き受けているが、いま彼女は自分の屋敷で生活をしているため、全部セリアーナがやっている。

 昔王都に馬車で行く時にも思った事だが、生活力があるねーちゃんだ。


「それで? 何を聞きたいの?」


「何がって言われたらまだ聞きたいことが纏まって無いんだけど……」


 まぁ、色々だ。


 セリアーナはそれを察したのか、はぁ……とため息を一つ付くと、話を始めた。

 どうやら彼女の方で内容を纏めてくれるようだ。


 ありがたや……。


「結局ね、お前に他所に行かれたら困る者が多いのよ。私は、お前が今の環境を気に入っている事はわかっているし、不満が無い事もわかっているわ。むしろ爵位や肩書きなんて重荷に思うって事もね」


「うん」


 たまに扱われ方に一言二言言いたくなる事もあるが、それでここを出て行くかって話にはならない。

 このままリセリア家の世話になるつもりだ。

 そして、今日まさに悩んでいたように、出来れば身分とか面倒そうな事には関わりたくはない。


 流石、よくわかっている。


「でも、そう思わない者もいるの。だから、お前や私達……もしくは王家に恩を売りたかったりする者が、そう言った話を持って来るの。あくまで恩を売る為だから、こちらにも悪い相手では無いのだけれど……」


 と、そこで区切ってこちらをチラリと。


「ほうほう……まぁ、オレはここが気楽でいいかな」


「でしょうね。だから前々から実家に話を通していたの。ミュラー家なら東部全体に繋がりがあるし、結局お前は東部閥のままだし……今と環境が変わることは無いわね」


「なるほどー……」


 爵位こそリセリア家の方が上だが、歴史はミュラー家の方がずっと長いし、影響力だってそうだ。

 ざっくり東部の一員として、ミュラー家の繋がりの中にいる。

 困った時はミュラー家、何かあった時はミュラー家。

 そんな感じだ。


 それが変わってしまう事を嫌がる者達がいたって事なんだろう。


「身分はミュラー家の娘になるけれど、相続なんて面倒な事には関わらないし、国内で自由に動けるようになる……その程度の認識でいいわ。今度ゼルキスに行った際にはお父様達に礼を言っておきなさい」


「はーい」


 貴族になるからって、あんま難しく考える必要は無いのか。

 それなら気楽なもんだな。


 返事をし、そろそろいい具合に冷めたお茶に手を伸ばした。


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラ…ミュラー家の養子というか、相続権がありませんから「猶子」ですね
[良い点] セラちゃんは利用価値の塊ですからね…… 他家が群がるのも必定ですね!本人は分かってないようですが…… そしておそらくセリアーナ的には家族としてより傍でセラを権力から守りたいのだろうなぁとよ…
2023/01/11 20:13 退会済み
管理
[気になる点] >その際には俺も同席し、【ミラの祝福】膝上verを同時に行っていた。 来年には14歳だと言うのに、未だに平然と膝上座って重いと思わせない体重と小柄っぷりに驚く。
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