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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 俺を取り囲み談笑するご婦人たち。


「ぐぬぬぬぬぬ…………」


 そして、唸る俺。


 流石にイメージが悪すぎるから【足環】は外しているが、基本的に装備はいつものままだ。

 各種恩恵品に、裸足、爪には黒のマニュキュア、指輪もしっかりと嵌めて、フル装備。

 服こそいつものメイド服じゃなくて、絵を描いた時と同じ青のワンピースだが……それがご婦人方に受けているのだろうか?

 少女でここまでジャラジャラ身に着けている者は少ないだろうし、珍しいのだろう。


 絵の事や俺の諸々の加護なんかも


 そう言えば今日この恰好することはセリアーナが決めたし……ヤツの作戦通りか……!?


「お前は何を唸っているの?」


「いろいろだよ……!」


 まぁ、何の作戦だって話ではあるが……セリアーナはご満悦そうではある。


「そう言えばセリアーナ様」


 確かどこぞの領主の代理でやって来た人の奥さんだ。

 全体的に弛んで見えるし、東部の人じゃーなさそうだが……その彼女が、俺を見ながらセリアーナに話しかけた。


「セラ様は確かゼルキス領都で、ご両親を魔物に襲われて亡くされたところを、セリアーナ様が保護なさったと聞きます」


 事実とは違うが、それはゼルキス領やここリアーナ領の奥様方の間ではもう周知の事だ。

 今更聞く事でも無いが、それがどうしたんだろうか?


 俺とも顔見知りの奥様方は「今更?」と言った顔をしている。

 他所の者だとまだ知らないのかも知れないな。


「ええ、そうね。もうすぐ5年になるわね。早いものね」


 が、セリアーナは気にせずそのまま話に付き合っている。

 機嫌が良いのかお仕事だからなのか……。


「セラ様。こちらをどうぞ」


 2人の話に何となく耳を傾けつつ、適当に俺も周りの相手をしていると、テレサがグラスを差し出してきた。

 ……今日は一応オフィシャルな場だから、彼女は俺の事を様付けで呼んでいる。

 様呼ばわりも、彼女から姫以外で呼ばれることも最近は無かったから、どうにもむず痒い……。


「ありがと。これは何?」


 渡されたグラスに注がれた液体は、ほのかに色がついているが……見た感じは白ワインに似ている。


 俺に渡すって事は、お酒じゃなさそうだけれど……何だろう?

 ジュースかな?


「エドガー様からセラ様への贈り物です。ワイン用の実で作ったジュースを、お水で割った物です」


「へー……」


 なるほど……同じ実を使っても、発酵させなきゃお酒にはならないもんな。

 南のマーセナル領はワインが有名なのかな?


 そんなことを考えていると、俺の側にいたご婦人がサリオン家……つまり、マーセナル領領主の代理人の奥様らしく、色々説明をしてくれた。

 主要産業は海運業だが、暖かい土地という事もあって、農業も盛んらしい。

 中でも、ワインはちょっとした物らしく、この中央大陸のみならず他大陸でも高い評価を得ているんだとか。

 そういえば、前世のフランスや南欧もそうだった気がする……同じくらいの緯度なのかもしれないな。


 そして、エドガー名義ではあるが、実質エリーシャからの物らしい。


「あ……美味しい」


 少々酸味が強いが、水で割っている分飲みやすく感じる。

 今俺が手にしている分はワイングラスに上品に注がれているが、風呂上りにグラスで氷を沢山入れて飲むと良さそうだ。

 甘ったるいのよりこういうサッパリした物の方が俺の好みには合っているし、良い物を頂いてしまったな……。


「今度お礼に行った方がいいかな?」


 どうしたもんかとテレサに伺い立てる。


 マーセナル領の領都は、川を下って行けば辿り着く。

 結婚式の時に行き帰りで訪れた事はあるが、港に降りただけで街の様子とかは知らないんだよな……。


「そうですね。きっとエリーシャ様も喜びますよ」


「是非お越しください。その折には私共が街を案内いたしますので……」


 テレサもこの奥方も乗り気のようだ。

 ……これは行くことになるかもしれん……ん?


 ちょっとこっちの話に気を取られて聞き逃していたが、なにやらセリアーナ達の方が盛り上がっている。


「……どうかしたのかな?」


 険悪な雰囲気は無いし、悪い事じゃ無いんだろうけれど。


「セラ様の今後の身の振り方について話されていましたよ」


 テレサは、俺と違ってしっかりあちらの会話も把握していたらしい。

 だが……。


「……オレの?」


 お客さんが滞在している間、何人かには【ミラの祝福】をすることになっているし……それについてかな?


 首を傾げていると、俺の様子に気付いたセリアーナが、こっち来いと指を曲げて呼んでいる。


「ちょっと行ってくるね」


 中座の断りを入れると、皆快く送り出してくれる。


 ……いやね……そりゃー……、セリアーナに呼ばれてるんだし行くって選択肢しか無いけれど……、何ていうか皆俺の扱い方が丁寧なんだよ。

 テレサからそういう風に扱われるのは慣れたけれど、知らない大人、それも前世の俺よりも年上の人達から、そんな風に扱われるってのが、なんとも落ち着かない。


 これが身分ってやつか……。

 まぁ、偉いのは俺じゃなくてセリアーナやリーゼルなんだけど……。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] これはセリアーナ様の養女として認識されていますね。 間違いない、儂は詳しいのじゃ。
[良い点] 冷やして大きなコップでゴクゴク行きたい一品 [気になる点] セラさんの今後 [一言] セラさんの反応が楽しみですねぇ
[良い点] 領主一族の一員になったっていう結構な大事のはずなのによくわかってなくて「相変わらず人の悪いねーちゃんだな…」くらいにしか思ってなさそうなセラに草
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