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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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「着いたー!」


 長かった下層でのボス討伐もようやく完了。

 ダンジョン前のロビーに繋がる通路を進む速度もついつい上がってしまい、隊列の真ん中にいたはずなのに、いつの間にか先頭でゴールしていた。

 まぁ、いつもの事ではあるが……。


 このロビーの内装もほぼ完成している。

 今はもう、ダンジョンが一般にも開放されたら、お貴族様達が冒険者の品定めをする時に利用する特別室を作成している段階だ。


 ここの内装は規定があるわけでも無く、各冒険者ギルドごとにデザインされている。

 王都は無骨な感じで座れる場所も無く、あまり寛げるスペースは無かった。

 ゼルキスもそれに倣った感じだ。


 一方ここは、ベンチにテーブルと、寛げるスペースが設けられていて、ちょっとしたカフェといった風情か。

 もちろんお酒は出さないが、簡単なドリンク程度は用意するらしい。

 セリアーナの意向だ。


 今はまだ何も無いけどな!


「お疲れ様」


「うぉわっ!?」


 ロビーの様子を見ながら一息ついていると、フィオーラが後ろから声をかけてきたが、驚き声を上げてしまった。


「……失礼ね」


「あぁ、ごめんね……。いやさ……普段オレのすぐ後ろって誰もいないからね」


「そう……便利ですものね。今日は助かったわ」


 そう言うと、彼女は【小玉】から降りて、こちらに渡してきた。


「うん。いる時はいつでも言ってね」


 フィオーラは乗馬も出来るが、フィールドワークの際にはこっちの方が使い勝手が良いだろう。


「貴方よりも奥様に了承を取ることになりそうだけれどね……」


「かもね!」


 そう言って2人で笑っていると、他のメンバーも通路からロビーへと姿を現した。

 全員無事帰還達成だ。


「んー……今日は結構長かったねー。さっさと屋敷に戻って風呂入って、夕飯までひと眠りしようかな」


 伸びをしながら、屋敷に戻ってからの事を口にした。


 半日程度とは言え、ずっとダンジョンに潜っていると疲れもする。

 居眠りは俺だけだと朝まで起き無さそうだが、まぁ、誰かが起こしてくれるはずだ。

 ついでに夕飯は軽めのサッパリしたヤツにしてもらおう。


「あら、貴方は素材の運び出しに付き合わなきゃ駄目でしょう?」


 だが、フィオーラからストップがかかった。


「うぐっ……そうだった……」


 もう一つ大事な仕事が残っていたが……明日じゃ駄目かなー……。


 ◇


 ぺチンペチンとした乾いた音と共に訪れる頬への軽い痛み。

 流石に毎度の事だしもう慣れた。

 俺はもう少し布団で微睡んでいたい。


「起きませんね」


「いえ、出て来る気が無いだけよ」


 側にいるのはセリアーナとエレナか。


 それにしても流石はセリアーナ……よくわかっている。

 だが、わかっているのならこのまま寝かせておいて欲しい。

 食事は【隠れ家】にあるのを適当に摘まむからああああああああああああああああっ!?


「ああああああっ!? なっ!? なにすんの!?」


 ベッドから引っ張り出された。

 それも足を掴んで逆さまに。


 思わずデカい声で抗議をするが……。


「ほら、起きていたでしょう?」


「本当ですね」


 掴んでいるのはエレナだが、指示をしたのはセリアーナか……。

 2人は俺の抗議の声を無視して、冷静に話をしている。


 お腹しか見えないが、恰好は少しラフな物だ。

 今日はお客さんが一緒じゃ無いんだな。


「……下ろしてよ」


 ともあれ、怒っても無駄に終わりそうだが、今後の為にもせめて睨むくらいの抵抗はしておこう。

 身体を曲げて、上にある2人の顔を睨みつける。


「なに変な顔をしているの? さっさと顔を洗って着替えを済ませなさい」


「料理長が君の分は軽めのメニューにしてくれたそうだよ」


 セリアーナの言葉を合図にエレナは俺を抱き直し、ベッドに下ろした。


 ……下ろしては貰えたが、俺の抗議はスルーされている。

 何というか……。


「ねぇ、最近オレの扱い方雑過ぎない?」


 別にお姫様扱いされたいわけじゃ無いが……もう少し……こう……。


「あら、良かったじゃない」


「何がよ……」


 雑な扱いの何が良いんだ……?


「お前、昔は雑に扱ったら死にそうだったもの。少しは成長した証よ」


「そうですね。体も重くなりましたし……持ち上げるのも大変ですよ」


 2人はそう言うと、顔を見合わせて笑っている。


 くそぉ……味方がいねぇ……。


「って……あれ? テレサは?」


 味方といえばテレサがいない。

 いつもは適当なところで、中に加わって来るんだが……。


「彼女は今日は騎士団の客の対応に出ているわ。お前の代理ね。さ、いい加減頭もすっきりしたでしょう? さっさと支度を済ませなさい」


「はーい」


 ダンジョンから戻ったその日のうちに仕事……それも俺の代理とは少々申し訳なく思うが、俺には出来ない仕事だしな……。

 頑張って貰おう。


 心の中で、テレサに頭を下げつつ寝間着を脱いで、支度を始めた。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 雑に扱ったら死にそうで論破されるの草w
[一言] スカートかワンピース着てたら下着が丸見えになってたな( ˘ω˘ )
[一言] 雑に扱ったら死にそうって 昔どんだけ痩せてたんだ
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