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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 お茶とお菓子を食べて、少しお喋りをしたところで休憩は終了となった。

 20分位だったろうか?

 思ったよりも短時間でお開きになった。


 このメンバーは、この世界の通常の女性貴族とはちょっと違う。


 例えばミネアさんやオリアナさんだと、この合間のお茶会がお目当てって場合も多かった。

 それはお茶会の相手が他所の街や領地の人間だったりするから、同じ街で暮らす上に、普段から顔を合わせる機会が多いこのメンバーの場合とはまたちょっと事情が違ったりするかもしれないが、それでもお喋りを楽しんでいた。

 別にセリアーナ達もお喋りが嫌いってことは無いんだろうが、なんというか……まずは用事を済ませようって考えなのかな?

 お喋りの内容も家庭や観劇といった事では無くて、仕事の事だったし……事務的だ。


 まぁ、俺もガチャを早く回したかったし、ありがたい。


「よし……! やるぞー!」


 いい気分転換になったし、後半戦は勝つぜ!


 ◇


 思えば前半戦は覚悟が足りていなかった。

 10回もあるからと、気を抜いていた。

 聖貨1枚で金貨20枚。

 そして、金貨1枚が日本円で約10万円。


 ……5回分で1億円だぞ?

 そりゃ外れにしたって現物は残るわけだし、【琥珀の盾】っていう当たりだって出た。

 それでも1億円だぞ?


 ちょっと勢いに任せて一気に稼いだから麻痺していたが、あっさり使ってしまっていい額じゃー無い。


 気合いだ。

 気合いを込めて祈ればもしかしたら何かに届くかもしれない……!


「……アレは何をしているのかしら?」


「いつもの事よ」


「……【祈り】まで発動していますね」


「あの光り方は【ミラの祝福】も発動しているかもしれませんね。ゲン担ぎでしょうか?」


 ……外野が俺の気合を解説しているが、随分声が近い気がする。

 すぐ後ろにいるのかな?


 まぁいい。

 気合いはもう十分込めた。


 やるぞ!


「ふんっ!」


 跪き両手で聖貨を捧げた。

 基本に則って、正式な作法だ。


 ドゥロロロロ…………。


 しっかりこのドラムロールも聞こう。

 この音って変わったりするのかな……?

 今までそんな事意識していなかったけど……今回は特に変化は無いな。


「ほっ!」


 スパっと止めると何か懐かしい光景が頭の中に浮かんできた。

 ……これはっ!?


「ぬわっ!?」


 慌てて後ろに飛び退ると誰かにぶつかってしまい、小さい悲鳴が聞こえた。


「きゃっ!?」


 本当にすぐ後ろにいたのか……ってか今のはセリアーナか。

 ……随分可愛らしい悲鳴だったな。


「……危ないじゃない。どうしたの? 加護かしら?」


 何事も無かったように俺を抱えて聞いてくる。

 まぁ、大袈裟な反応の割に何も出てきていないからな。

 どうしたんだろうって思うんだろう。


「あぁ……ごめんね。加護じゃなくて強化だったよ。【浮き玉】のね」


 今、俺が当てたのは【浮き玉】の【強化】だ。


【強化】はここがまだルトルだった頃に【隠れ家】の分で当てた時以来……これはレアだ。

 それも【浮き玉】の……!

 これは大当たりじゃないか!


 頭を上に向けると、セリアーナの大きく見開いた目と合った。

 彼女も驚いている様だ。


「凄いじゃない!? ……でもアレがどうなるのかしらね?」


「……どうなるんだろうね?」


 言われてみるとそうだ。


【隠れ家】の様に一部屋増えるとか分かりやすい変化ならいいが……【浮き玉】だからな……。

 そもそもアレの限界は未だに見えてこない。

 どこが変わったのかとかが果たしてわかるのだろうか……?

 そもそも【強化】そのものがよくわからない代物だしな……何が強化されたんだろう?


 ガチャの時は【浮き玉】から降りて、自分の足で立っている。

 チラっとソファーに目をやると、いつも俺が座っている場所に鎮座する【浮き玉】が……。


「ちょっと乗ってみていいかな?」


 ペチペチっと俺を抱えたままのセリアーナの腕をタップしながら彼女へそう言った。


 ガチャは後4回残っているが、こっちが気になってしまって集中出来そうに無いぞ。

 強化具合をすべて把握だなんて言わないが、せめてちょっと使ってどこが変化したのかくらいは知りたい。


「……そうね。危険な物でも無いし……好きになさい」


「やった! ……あのさ下ろしてよ?」


 何故まだ下ろしてくれないのだろう……。

 そう思いながら、彼女の腕を再度タップする。


「ああ……忘れていたわ。お前、本当に軽いわね。ちゃんと食事はとっているの? 今度から夕食は私達と一緒にしましょうか?」


「食べてるよ……?」


 朝食や昼食はこっちの部屋で食べる事が多く、一緒に食べる機会は少なくても、何だかんだで彼女も俺が食事をする姿は見ている。

 ただ夜は別だ。


 領主様とその奥様。

 お客さんや領地のお偉いさんと食事をする事も多いし、その場合はエレナやテレサが一緒になる事も多い。

 お貴族様の晩餐会だ。

 俺は他の使用人達とだったり、この部屋や【隠れ家】で一人で食べている。


 ……食べてはいるが、ちょっと量が少ないかもしれない。

 美味しい事は美味しいんだが、ちょっと味付けがあまりたくさん食べたいとは思えないんだよな。

 このリアーナは狩猟と農業が盛んだ。

 つまり、肉と野菜、そして果物が豊富で、メニューにはそれが反映されている。

 果物のソースってのがどうにもな……。


「…………まあ、いいわ」


 ジーっとこちらを見てくるセリアーナから目を逸らさないでいると、彼女は何かに納得したようで、【浮き玉】の方へと歩いて行った。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】・41枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  思えば前半戦は覚悟が足りていなかった。  10回もあるからと、気を抜いていた。  聖貨1枚で金貨20枚。  そして、金貨1枚が日本円で約10万円。  ……5回分で1億円…
[一言]  金額計算間違えてますよ……!
[良い点] 主力の強化。 [気になる点] 乗員数が増えてるとかなりの強化ですが、さて如何に。 [一言] あとは影の剣の強化あたりが来てくれれば
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