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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 夏の1月半ば。


 今俺がいるのは、ダンジョンではなくセリアーナの応接室で、他にはセリアーナと、エレナ、テレサ、フィオーラの女性陣も一緒だ。


 アレクは騎士団の仕事で、ダンジョンではなく一の森を始めとした狩場に出かけている。

 もうすぐ建国の記念祭で、領内から人が集まることになるから、周囲の魔物退治のためだ。


 街道警備は1番隊が行うが、狩場は2番隊だしな。

 それに、最近アレクはダンジョンにいる事が多く、ダンジョンの事を知らされていない隊員達との交流が無かった。

 それもあって、ここ数日はずっと出ずっぱりだ。


 その代わりという訳では無いが、ジグハルトがダンジョンに籠っている。

 冒険者や騎士団の連中と一緒に、道具を揃えて上層に泊まり込みだ。


 今はまだ上層までだが、近いうちに中層も開放されて、いずれはさらにその先も、となる。

 そのための試験的なものだろう。


 いやー……階層ごとの適した戦い方を調べたり、そこまでやる必要があるのかと毎回思うけれど、死体一つにつき聖貨10枚だもんな。

 それも、身内だけじゃなくて全くの他人でもそれは一緒だ。

 そりゃ、真剣にもなるか。


 まぁ、準備の時に楽しそうにしていたのは見なかった事にするが……それはさておき……。


「……本当によく貯めたわね」


 目の前の机に積まれたそれを見たセリアーナの声には呆れが混じっているが、気持ちはわかる。

 俺も昨晩【隠れ家】で1枚ずつ数えていた時に、そう思ったからな。

 それを10枚一束で並べると、なおさらだ。


 よくもまぁ……これだけ我慢出来たもんだ。



「すごいでしょ!」


 胸を張る俺に、肩を竦めるだけでセリアーナは後ろの棚にある聖像を取りに立ち上がった。

 自前のでもいいが、折角領都で稼いだ聖貨だしな……験担ぎに、彼女の聖像を使わせてもらう。


「あの娘……確かダンジョンが出来た時は1枚も持っていなかったわよね?」


「ええ。魔王種を討伐して以来も姫はずっとダンジョンに通っていますから……。何でも新しい狩り方を見つけたとかで、随分効率よく倒す事が出来たと仰っていました」


「【隠れ家】に詰め込んだ遺物を運び出すだけでも苦労していたからね……」


 エレナ達はソファーに座っているが、そこでフィオーラの疑問に答えている。


 フィオーラはボスザルとの戦い以降は、ボスザルの遺骸の処理が忙しくてダンジョンに潜っていなかった。

 それ以前にこっちに顔を見せる事もほとんど無かったくらいだしな……。

 中層での俺の狩り方とかも話していないから、聖貨の増え方に驚いている様だ。


「それで……セラ、聖貨は100枚、10回分あるのよね? 全て使うの?」


 取ってきた聖像を机に置くと、セリアーナはそう言ってきたが、俺は即答する。


「もちろん!」


 聖貨100枚……つまり、ガチャ10回。


 そのために、雨の日も風の日も暑い日も黙々とダンジョンに通ったんだ。

 ……まぁ、通路から通っていたから、屋敷とほとんど環境は変わらなかったし、狩場に人がいないから【隠れ家】も使えて快適ではあった。

 あんま苦労はしていない気もするが、それでもこの3ヶ月近く頑張って働いた成果だ。

 しっかり使うぞ!


 ◇


 現状俺の基礎は完成されていると思っている。


 近距離用の【影の剣】に補助用の【足環】、中距離用の【蛇の尾】に、近距離と中距離のどちらにも対応できる【緋蜂の針】。

 ヘビ達もいるし、いざとなれば魔法による目潰しでも出来る。

 遠距離は制限はあるが【ダンレムの糸】という強力な一発もある。


 足りない機動力を補う【浮き玉】に、未熟な索敵を補う【妖精の瞳】にヘビ達。

 やっぱり足りていない能力を補う【祈り】……恩恵品も加護も、上手く組み合わせて使う事が出来ている。


 当たりでさえあるなら、何が出ても大当たりだ!


 来月頭は国の建国記念日で、ここリアーナでもちょっとしたお祭りをする。

 今月末ごろから、領内のあちらこちらから挨拶にやって来るが、ご近所さんのルバンももちろんやって来る。

 そのタイミングで下層にいるであろう、もう1体のボスを討伐する予定だ。


 どんなのが相手なのかはわからないが、2週間近く余裕があるし慣らすには十分な期間だろう。

 それに、戦闘向きでないのが出たなら、使わなければいいだけだし……。


 聖貨1枚で金貨20枚。

 それが100枚……デカいチャレンジだし、いつも以上に気合を入れないとな!


「そう言えば……お前は何か欲しい物でもあるの?」


 気合いを入れつつも肩の力を抜こうと、軽く屈伸などをしていると、セリアーナが声をかけてきた。


「む?」


「お前、今のままでも困っていないでしょう?」


「……まぁ確かに」


 改めて言われると、頭の熱が冷めて行くような気がした。

 狙ってどうにかできるもんでも無いが、どうせなら目的を持った方が漫然とガチャを回すよりも健全な気がする。


 しかし、別になんでもいいが……うーむ。

 しばし腕を組み、首を傾げて悩んでいるとピンとくるものがあった。


「あ、カッコいいモノ!」


 今のところ、どれも使い勝手の良い物ばかりだが、如何せんビジュアル的にはキワモノっぽい物が多い。

 アレクの盾やエレナの短剣とかカッコいいもんな……。


「……そう。当たりが出ると良いわね」


 と、セリアーナはなにやら目を細めている。

 ……呆れられているわけじゃ無いよな?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・101枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 聖貨100枚 金貨2000枚相当!? セラ…貯めたね~
[気になる点] 101枚もあるけど、一枚でガチャ出来る当たりの聖貨は一枚も無かったのかな?
[一言] 能力的に事足りた装備ができているなら次は見栄えデスヨネー(ゲームで結構見栄えに走る人談。武器とか鎧とか盾とかフリゲートとか戦艦とか採掘艦とか…)
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