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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 ボスザルは強い事は強いが、結局被害ゼロで倒す事が出来た。

 勝因は、分断に成功した事。


 魔物は、単独で戦って力を発揮できる種類と、群れで戦う事でこそ力を発揮できるタイプがいる。

 サイモドキは前者で、ボスザルは後者だった様だ。

 確かに戦っている姿を見ても、腕力と咆哮こそ強力だったが、先制の岩投げも多用してこなかったし、特別な事はしてこなかった。


 恐らく、中層の魔物をガンガン呼び寄せて、離れた所から岩を投げてって戦い方をされていたら、倒せはしただろうけれど倒し方を選ぶような余裕は無かっただろう。

 こちらの戦い方が上手かったってのはもちろんあるんだろうけれど……あのボスザル君にとっては不幸だったろうね。


「少なくとも、倒し方を選ぶ余裕はありました」


 オーギュストは、リーゼルの顔を見ながらそう結んだ。


「オーギュスト団長、魔王種だという根拠は……?」


 同席している1人が手を上げ発言をした。

 ボスザルとの戦いの話は終わったが、それは言ってなかったな。


「それはセラ殿が見分けた。潜り蛇と恩恵品、両方合わさって可能になったらしい」


『おお……』


 それを聞き、驚く一同。

 何となく視線が集まっている気がする。

 これは俺に何かを期待しているのかな……?


「前、オオカミ型の魔王種を倒しただろう? アレを見つけた時に判明したらしい。まあ……こいつ自身は簡単に死ぬから、魔王種探しなんかさせるなよ?」


 そうジグハルトが笑いながら言うと、集まった視線が霧散した。

 やっぱりか。


 別に探すのは良いんだけれど、一応俺の戦闘力は隠しているし、何よりどこにいるかもわからないからな……。

 包囲から逃げられたから、その捜索の手伝いをとかならともかく、当てもなくただ魔王種を探すってのはちょっと負担が大きすぎる。


「それはセリアに怒られそうだな……止めておこう」


 リーゼルが冗談めかしてそう言った。


 別に怒っているわけでも無いのに、ちょっと他の面々がジグハルトにビビってしまったからな……。

 いいタイミングだ。


「私はテレサ殿やフィオーラ殿と雑魚を担当していたが、同じ種類なのに一撃で倒せない魔物が中にはいたな……。セラ、アレは魔王種の影響を受けていたかどうかわかるか?」


 今度はルバンが口を開いたが……。


「あー……、あの時はヘビの目は発動してなかったから、ちょっとわからんね」


 あの時は【妖精の瞳】だけで、ヘビ達は普通に戦わせていただけだ。

 ちょっと、影響まではわからない。


「そうか……。2人はどう思う?」


「私は貴方が削った残りを潰しただけだからちょっとわからないわね……。テレサは? 貴方は直接ぶつかったでしょう?」


「ええ。妖魔種にはいませんでしたが、確かに魔獣種の中には力が強い種類がいました。大型は姫が刈り取っていたのでわかりませんが、中型小型関係無しでしたね。恐らく、影響を受けているのでしょう」


「ほー……」


「何でお前が驚いているのよ……」


 テレサ達の言葉に驚いていると、セリアーナが呆れたように言ってきたが……、俺は敵の強さがわかる様な戦い方をしないからな。

 それに今回は戦闘はアカメ達に任せていた。


 一応自信はあったけれど、ちゃんとした魔王種だったんだな……。


 ◇


 その後もオーギュストは質問が出れば答えたりをしていたが、それも出なくなったところでまた別の内容に移った。


「これを……」


 彼が懐から出したのは1枚の聖貨が。

 ボスザル戦でゲットした物だろう。


「聖貨だね……ああ、君が倒したのか」


 リーゼルがそれを見て、オーギュストが止めを刺したのだろうと思ったようだ。

 間違っちゃーいない。


「はい。ただ、私だけではありません。魔王種と対峙したアレクシオ隊長とジグハルト殿にセラ殿。そして、直接戦闘を行わなかったそちらの3人も、同じタイミングで手に入れたようです」


「ほう……!?」


 その情報に驚くリーゼル。


 聖貨ってのは、魔物を倒した者が運が良ければ1枚手にする事が出来るってのが常識だ。

 それは魔王種だろうとそうだった。

 だが、今回のボスザル君は違う。

 参加メンバー全員が1枚ずつだ。


「どこまでが範囲になるかはわかりませんが、「ダンジョン内部の魔王種との戦い」に参加した者全員が得られるのではないでしょうか?」


「……それは参加する者を増やせば、それだけ一度に得られる枚数も増えるという事かな?」


「恐らくは」


 その情報に『おおっ……』と部屋がどよめく。


 まぁね……この反応も無理はない。

 何と言っても、ダンジョン内にはもう1体ボスらしき存在がいて、そいつも魔王種の可能性が高く、極端な話、連れて行けるだけ連れて行けばそれだけ一度に得られる枚数が増えるかもしれないんだ。


 ただ……。


「とはいえ、それでも次の戦闘も我々だけで行うべきだと思います」


「……危険かい?」


「はい。浅瀬や上層ならば騎士団の者達ならば問題は無いでしょう。それだけの訓練を積んでいます。ですが、それより奥となれば話は別です」


「そうか……仕方が無いか……わかった、次も君達に任せよう」


 と、残念そうなリーゼル。

 他の面々は何か言いたそうだが、リーゼルが結論を出した以上は口を出せない。


 言葉を選んでいるが、要は足手まといになるだけって事だしな。

 しっかりオーギュストの言いたいことは伝わったんだろう。



セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・64枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・4枚

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― 新着の感想 ―
[一言] そろそろセリアさんとセラさんの微笑ましい日常が見たい。
[一言] ラジオとかラザニアとかみたいな名前の、ラなんとかの牙なら雑魚湧き時対策に連れて行けないのかな? 直属じゃないから、聖貨買い取り難しいかな。
[一言] 探させるだけなら怒られる程度で済むかもですが、 万が一、リーゼルの依頼の結果で重傷負ったり死亡したりしたら大問題ですしね…下手したら離婚案件かも セリアーナ的にはリーゼルとセラの重要性ってど…
感想一覧
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