表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
3章・王都で聖貨をザックザク!
42/2032

40

「やっ!」


気合の声と共に、渾身の力を込め振りぬいた足が、土で作られた的を粉砕する。

中々の威力だ。


「「おおおー⁉」」


フッ。

ギャラリーの歓声が心地いいぜ。


じーさんと同じように子に当主の座を譲り、代わりに王都に詰めている老人たちだ。

家だけでなく個人でも爵位を持っている結構なお偉いさんなんだが、要は刺激に飢えたご隠居さんたちだ。

さっきから的を粉砕する度にやいのやいのと騒いでいる。


この的は訓練所に詰めている魔導士が魔法で作っている。

どれもサイズ、強度は同じらしい。

俺以外にも何人か的へ攻撃を行っている者がいるが、精々欠けさせる程度で粉砕できている者はいない。


「もう一回お願い」


魔導士に的の修復を頼む。

何度も頼んでいるからかついには側で控えるようになってきた。

それはさておき、繰り返して来たが少しわかってきた。


「せいっ!」


新しくできた的に向かい、同じく気合を込め足を振りぬいた。

ただし、先程と違い力は入れていない。

その代わり速度を重視してみた。


「ふむ…」


結果は先程と同じように粉砕した。

砕け方も同じ程度だ。


「もういっちょお願い」


今度は蹴り方を変えてみよう。

今までは回し蹴りだったけど、今度は横蹴りだ。


「ほっ!」


的に向かって軽く助走し足の裏を叩きつける。


バンッっと音を立て砕け散る。

ちゃんと足の裏でも蹴りと認識されるようだ。

威力も同じくらいだろうか?


わかってきたぞ!


回し蹴りと違い横蹴りはほとんど跳び蹴りだった。

軽いとはいえ俺の体重が乗っていたし、素の威力なら大分違ったはずだが、結果はほぼ同じ。


つまり【緋蜂の針】の蹴りは、威力は同じなんだ。

俺を強化するんじゃなく、ゲーム風に例えるならアイテムの固有スキルで固定ダメージ。

きっとこれだ。


しかしそうなるとだ…。


ちらりと崩れた的を見る。

結構な威力だ。

足振るだけでこの威力が出せるんなら、十分すぎる。

ただ、これ魔物相手に通用するだろうか?


ゴブリン程度ならともかく、王都ダンジョンのイノシシやウシあたりだと、ダメージは入るだろうが倒すまでにはいかない。

まだ試せていないけれど踏みつけるのなら倒せるかもしれないが、相当な痛みがあるそうだし、死ぬまでの間大人しくしているとは思えない。

暴れられて下手すりゃ俺が死ぬ。


むむむむむ……。


ダンジョンだと【浮き玉】に乗っているから、蹴るのは少し難しいと思う。

もう少し成長して背が伸びたらともかく、今の俺の足の長さだとちょっと足りない気がする。

いや、だが【影の剣】と合わせて、手と足でぐるぐる回りながら攻撃できるかもしれないが…。

それなら最初から【影の剣】を使った方がいいか。


「……ラ。……セラ」


なんか呼ばれてる気がするが気にしない。


これはもう対人間用の恩恵品って割り切った方がいいかな?

護身用だ。


【影の剣】は人間相手に使うにはちょっと強力過ぎる。

加減しようが部位を選ぼうが、切るのも刺すのも大怪我だ。

何より俺の腕じゃそんな余裕はない。


それに比べたら、コレは手や足を狙えば骨折位はするだろうが、死ぬことはない。

俺の見た目と相まって油断も誘えるだろうし、こいつはいけるぞ!



「セラ」


「ちょっと待って」


しつこいな。

聞き覚えのある声な気がするけれど無視だ。


「セラ!」


「痛いっ⁉」


無視していたら耳を引っ張られた。

人が真面目に考えごとしているのに何をする!


「…お嬢様じゃん。何すんの?」


声のする方を振り向くとセリアーナがいた。

さらにその後ろにエレナと、セリアーナと同じ年位の貴族らしき子たちが10人位いる。

何でこんなとこに?

セラ・【隠れ家】【祈り】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・0枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・9枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・1枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ