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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
13章・誕生!子供やダンジョン

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「とぉっ!」


訓練所に並ぶ、人型を模した的目がけて飛び掛かり、【足環】を発動した左足を突き出した。


「ふぬっ!」


左足を頭の高さまで上げている為少々前が見辛いが、的に接触する瞬間に気合を一つ込めると、【足環】はそれに応えてガシっと的の肩を捉えた。

この的は魔法で作り出した土製で、強度は人より遥かにあるが、その的にしっかりと食い込んでいる。


これは人の力で外すのは難しいだろう。


「よっと……」


放すよう念じると、思い通りに足が離れた。

この何日間かの訓練で、大分このコとも意思の疎通が出来てきた気がするな!


「もう一発!」


今度はハイキックの要領で左足を高く上げて、的の肩を掴んだ。

そこをアンカー代わりに、軽くジャンプをして体を引き寄せ、【緋蜂の針】を発動した右足で頭部を蹴り砕く。


……完璧じゃないか。


頭部の無くなった的を見て、何となく手ごたえを感じた。


「お見事です! もう大分使いこなせているのではありませんか?」


お世辞ではなく掛け値無しの賛辞を口にしながら、テレサがタオルを手にやって来た。

彼女には【浮き玉】を預けているが、乗らずに歩いて来るあたり律儀なもんだ。


「ありがと……そうだねー、作用するタイミングとかは【緋蜂の針】と似た様な物だし、思ったより使いやすいかな?」


タオルを受け取り、汗を拭きながら答える。


「まぁ……どんな状況で使うのかは今後の課題な気もするけれど……」


左足に視線を向けると、発動したことで形状を変化させた【足環】が目に入った。


先日、女兵士のアドバイスによって無事発動に成功した【足環】は、形を変えるタイプの恩恵品だった。


膝下までの黒いタイトなブーツだが、つま先と踵部分が、鳥の足の様になっている。

つま先には、赤く大きな鋭い爪が3本で、踵に1本だ。

厨房に突撃して鳥の足を見せてもらったが、鶏や雉とは少し違っている。

ワシやタカと言った猛禽類に近いらしい。


【緋蜂の針】の様に特殊効果は無いようだが、底が触れた際に非常に強い力で掴む事が出来る。

何かに掴まったりするのに便利そうではあるが、俺には【浮き玉】も尻尾もあるからな……。

一応【緋蜂の針】との更なるコンボ技も考えてはいるが、そこら辺は要検証だ。


少なくとも人間相手には試せないし、暖かくなるのを待つしかないか。



「ただーいまー……あれ、珍しいね」


訓練所での検証を終えて風呂に入ってからセリアーナの部屋に戻ると、寝室ではなくその手前の応接室で、セリアーナ達はフィオーラと縫物をしながら話をしていた。

フィオーラなら寝室に入る許可を得ているし、いつもはそっちで話をしているが……珍しいもんだ。


「お帰りなさい。お邪魔しているわ」


「あ、うん。いらっしゃい」


俺の部屋じゃ無いんだし、遠慮せずにどうぞ、だ。


「子供達の事を診てもらっていたのよ。魔導の大家ですものね」


珍しいものを見たような顔をしていた俺に気付いたのか、フィオーラがこちらにいる理由を話した。


「私は医者でも育児の専門家でも無いのだけれどね。まあ……2人の子も向こうの3人の子も、少なくとも私が見た限りでは、魔力の通りも良いし健康そのものよ」


と、自分の膝を指しながら言った。

健診みたいなものか。

騎士団にも回復魔法を始め、治療を得意とする者が揃っているが、信用度はフィオーラの方が上だ。

子供達の事を診てもらうのなら、そっちの方がいいだろう。


「そっかー……そりゃお疲れ様だ……ん? あ、3人って乳母さん達の子も診たの?」


フィオーラの膝に移動しながら、ふと気づいた事を口にする。

2人の子供だけでなく、乳母の子供達もとなると、確かに寝室に入れないか……。


「これから一緒にいる事が増えるだろうからね。セリア様がフィオ殿にお願いして、皆一緒に診てもらったんだ」


「同じ場所にいるのだからついでよ……」


照れ隠しなのかそっけなく答えている。

良い事なのに……キャラじゃないのかな?


「診たのは私だけれどね」


フィオーラの突っ込みに顔をしかめるセリアーナ。

強いな、フィオーラ……。


仕方ない、俺が話題を変えてあげるか。


「皆は縫い物? 魔布を使ってるのかな?」


「ええ。人数が多いから小さい物になるけれど……まあ、いいでしょう」


「ふーん……服とかにはしないんだ」


「レオの分も含めて皆で使う事にするのよ」


セリアーナのガチャ結果は【魔布】だった。

ちなみにリーゼルはアレクも使っている【猛き角笛】だ。


恩恵品が出たリーゼルは文句なしで、セリアーナの素材も、こういう風に使う事でお家に貢献……的な評価をするそうだ。


「では、私も手伝いましょう」


テレサも縫い物組に加わるようで、座るとテーブルに広げられた道具に手を伸ばした。

上手だもんな……。


「それはセラ用にしていいわよ」


「ありがとうございます。では、遠慮なく……」


……俺の分もあるのか。

どっかでお礼をしないとな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・0枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 掴んだ状態で浮き玉で高速回転するとかもよさそうだけど遠心力とか諸々で足が逝っちゃうよね
[一言] セラとのあんまり相性はよくなそうな気もする
[良い点] 更新乙い [一言] 掴む方だった 掴んで蹴る…… 球ちゃん掴んで空中でアクロバティックに蹴る……?
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