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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動
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上からこっそり戦闘の様子を覗き見していたが、どこの兵かはわからないが、人間側が優勢に戦いを進めていた。

位置的にユークトかソルバレンか……、どちらも騎士団は持っていないから、家の私兵か冒険者かな?


戦闘開始当初は各組がバラけていたが、戦いながら徐々に集まっていき、今では円陣を形成している。

魔物の数が多いし、一ヵ所に集まる事で包囲されてしまっているが、これなら背中から襲われることは無い。

しっかり迎撃できている。


ここが魔王種の縄張りなら、あの魔物達も強化されているんだろうが、見事なもんだ。


そんな風に文字通り上から目線で偉そうなことを考えていると、その見事な陣形が突如乱れた。

同時に「出たぞ!」「抜けさせるな!」だの、指示の声が微かに耳に届く。


「現れた……か?」


ヘビ達や【妖精の瞳】で魔力は察知できるが、地形は見る事が出来ない。

そして、ダンジョンは壁を透かして姿を察知する事が出来るが、外では木や岩は可能なのに、地面は透かす事が出来ないのが不思議だ。


俺が今浮いている場所からじゃ魔王種らしき姿は見えないが、現場の様子を見るにあちらでは姿が見えているんだろう。

斜面か、洞窟にでもいたのかもしれないな。


「んー……ん。おっ?」


見える位置を探して上空をうろうろしていると、一際強く禍々しい雰囲気の魔物が姿を見せた。


強さは以前戦ったクマくらいだろうか?

オオカミらしき姿だが、サイズはむしろ小型で一見強そうには見えない。

ただ、この雰囲気は……三匹目が加わった成果なんだろうか?

強さはサイモドキの方がはるかに上なのに、【妖精の瞳】での見え方も赤と緑に黒が混ざってと、あの時とは違って見える。


さて、その魔王種の出現で、下の状況は一変した。


やはり洞窟があったようで、兵達はそこの入り口を塞ぐように布陣していたみたいだが、魔王種はそれをお構いなしに突破し、陣形を崩してしまった。

一当てで、何人もが蹴散らされている。


そして、夜である事や足場の悪さも相まって、立て直しに手間取っている様子だ。

兵達は互いに声をかけながら再度陣形を組もうとしているが、魔物もその隙を逃さず襲い掛かってくる。


死者こそ出ていないようだが、ちょっとヤバいか……?


俺も参加した方がいいだろうかと迷っていると、さらに戦況に変化が起きた。


「あら?」


優位に立ったことで、これから大暴れかするのかと思った魔王種だが、一目散に離脱していった。


サイモドキと違って肉食だろうに、逃げるのか……この状況でも勝てないと判断したのかもしれないが、何とも見事な逃げっぷり。


集まっていた魔物は、ボスが離脱した事で軽い混乱が起きている様だ。

ただでさえ、連携を取るようなことは無く、ただ集まって襲っていただけだったのが、その集めているボスがいなくなってしまったんだ。

無理もない。


そして、その隙を逃さず、兵士達はしっかり立て直している。

まだまだ魔物は多くいるが、これなら切り抜けられるだろう。


「さて……どうすっかな」


下の戦闘の続きも気になるが、逃げて行った魔王種も気になる。

向かった方角は東側で、今いる山を下りればしばらく平地が続き、さらにすぐ側には村があったはずだ。

昼間ならともかく、深夜では対処が遅れてしまうだろう。


この山は領地の境にあって、今下で戦っている彼等も追う事は出来なくなるかもしれない。

というよりも、聞こえてくる声から考えると、追いかける様子は無い。

魔王種っていう明確な脅威への対処だし、問題無さそうな気もするが、自分達の領地から追い出す事には成功しているし、一先ずは目の前の魔物の対処に専念するようだ。


領地の端っこだし、そこら辺の判断を下せる者がいないのかもしれないな。


なるほど……魔王災ってこんな感じでも起こるのか。


「む?あっちが気になるかい?」


どうしたもんかと思案していると、ヘビ君達は三匹揃って魔王種が離脱していった方角を向いている。


「ふむ……とりあえず追うだけやってみてもいいかもしれんね」


追跡して、そのまま隠れる様なら報告したらいいし、人里を襲ったりする様なら、まぁ、その時考えよう。


「よし……行くか!」


ここに留まって、見失うのも不味い。

とりあえず追うだけ追ってみよう!

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[一言] ヘビィ〜な道のり
[良い点] 更新乙い [一言] 盛大な壮行会かもしれない
[良い点] 単独行動でこの展開は 強烈なインパクト喰らった序盤の 緊迫感と急展開がまた再び! みたいな様な感があります 長い目で見て絶対的守護者のお嬢様との領地開拓は モチのロンでとても面白く楽しん…
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