表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

360/2046

357

東門の前に到着し、馬車が動きを止めた。

外に出ると、ようやく東の空が白んできた頃で、門はまだ開いていない。

だが、例によってお貴族様パワーで通過させてもらう。


馬車から降りると、じーさんも一緒に降りてきた。

昨晩帰りは遅かったのに、馬車を出すだけじゃなくてわざわざここまで見送りに来てくれた。

ただ……まだ酒は抜けきっていない様で、少し酒の臭いがしたので、手間賃代わりという訳じゃないが、【祈り】と【ミラの祝福】を腹部にかけておいた。


「では、気を付けて行け」


「はいはい。オリアナさんや屋敷の皆によろしく伝えといて」


「うむ」


じーさんと短い挨拶を交わし、王都の東門の兵士用の通用口に向かう。


「お疲れ様でーす」


「なに、これも仕事だよ」


外に出て待機していた兵士に声をかけ、通らせてもらう。


正直、権力という意味では貴族ってものに魅力を感じていなかったが、身分証明という点ではなんというか……便利だよな。

リアーナ領内だけなら今のままで十分だし、ゼルキス領は自由移動の許可を得ているから問題無いが、今回の様に複数の領地や王都をとなると、やれないこともないんだろうが、一々許可を個別に取るのでは手間がかかり過ぎる。

帰ったらセリアーナに話を聞いてみようかな。


「……ふぅ」


街壁の外に出ると、空気が変わるのがわかる。

草原や森があるからか、【浮き玉】で空を飛んでいても、風に草の匂いが混ざっているのを感じる。

気温はまだ明け方にもかかわらず、軽く汗ばむくらい高いが、風が爽やかで気持ちいい。


空調の効いた部屋も悪くないが、たまにはこういうのも悪くないと思う。

俺は夏は部屋に引きこもっている事が多く、意外と気付かないもんだな。


背後を振り向くと、もう門前の兵士の姿は小さくなっている。

まだ薄暗いし、これだけ離れたら速度を出してもわからないかな?


「よっし!」


大きく深呼吸をして気合を入れると、一気に【浮き玉】の速度を上げた。


ここからまたリアーナまでの長距離移動だ。

日が昇り外を行く人が増える前に、今日の分の距離を稼いでおこう。



「ふぃー……おわっとっ!?」


風呂から上がり、リビングのソファーに倒れ込むと、頭に巻き付けたタオルが外れ、まとめていた髪が広がった。

短い頃ならともかく、今はもう腰辺りまである。

行きではうっかり、髪が濡れたまま眠ってしまい、大変だった。


モニターのスイッチを入れて、外の様子を見ながら再び頭にタオルを巻く。

街道から外れた草原で【隠れ家】を発動しているが、外には人も魔物も姿は無い。


ドライヤーの制作は小型化に難があり断念したが、送風機くらいならいける気がするんだよな……いや、今年はもう一人で遠出はしないかもしれないし、使う機会は無いだろう。

来年には俺の魔法の腕が上がって、ドライヤー魔法を自ら扱えるようになるかも……それは無いな。


「君達はどう思うね?」


甚平の襟元から姿を見せている三匹のヘビ達に問いかけるが……それを無視して、三匹で何やら見つめあっている。

契約をした昨日から、時折こんな風にしていたが、シロジタの時は見なかった光景だ。

二匹だったからかな?

別に揉めている感じはしないが……何をしているんだろう?


「ふっ」


【妖精の瞳】を発動し、新しく加わった潜り蛇のミツメを見る。


ミツメ……ルーイック家に長く仕えた騎士が若い頃に契約したそうで、恐らくアカメやシロジタよりも年齢は上だ。

ただし、その騎士はダンジョンには潜らず、屋外での活動に重点を置いていたようで、能力という点ではアカメよりもずっと低く、シロジタと同程度だ。

やはり、身体能力の成長にはダンジョンの魔物の核が必要らしい。


名前の由来はそのままズバリ、額にある三つ目の目から。

このヘビさん、目が3個あるんだよな……。

魔物もたまに他とは姿が違うのもいるが、ミツメもそうなのかな?


朝の移動の時に何度か試しに発動してみたが、幸か不幸か魔物の姿を見つける事が出来ずに、未だに三匹目が加わった事での見え方の変化はわかっていない。

まぁ、また夜になったら移動を開始するし、その時には魔物を見つける事が出来るだろうからわかるはずだ。


「んー……よし。乾いたな」


タオルを外し、髪の毛を触ると水気が取れたのがわかる。

少し早いが、夜に備えて床に就こう。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 自分たちより弱い宿主をどうサポートするか蛇達の悩みは尽きない(笑) 新メンバーに引き継ぎ中なのかな?軟弱だよって。
[良い点] 更新乙い [一言] 猫の集会所ならぬ、蛇の集会所かあ 実ににょろにょろしている
[気になる点] もしも3匹がメス・オス・オスだったりしたら熾烈な争いが!? ……この子達どうやって繁殖するんだろう。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ