表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動
359/2033

356

「セラ」


「…………っはい!?」


新しく契約したヘビ君の名前を何にしようかと、睨めっこをしていると、オリアナさんに名を呼ばれた。

何だろうかと振り向くと、俺がリーゼルから預かっていた王妃様宛の手紙が置かれている。

そしてテーブルを挟んだ向かい側には王妃様。


「気に入って貰えたようですね。ルーイック家には私から伝えておきます。エヴァ」


「はい」


王妃様の声に達人風のおばさんが答える。

エヴァさんて名前なのか……。


「セラ副長。こちらの手紙を私も拝見しました。リアーナ領領都を出発して十日間で王都まで到達したようですね。それも一人で水路を用いずに陸路で」


彼女は、迫力ある眼差しでこちらを見ながら、俺の王都までの日程を確認をしてきた。


「はい。あーと……陸路と言うか、飛んでですけど……」


それを聞き何かを頷くと「結構」と一言呟き、今度は部屋の中にいる文官達に頷く。

俺の話を聞きながら何かを書いていたが、済んだのか彼等は部屋を出て行った。


日数は逆サバを読んでいるが……別に問題になる様な事はして……いないよな?

どこにも寄らなかったとはいえ、王都までの間の領地の通過の手続きとかはリーゼルがやっているはずだし。


「何か問題でもありました?」


少々不安になり、エヴァさんに確認するが、代わりに王妃様が答えた。


「そうですね。ただ、今解決しましたよ」


「ぬ?」


……一人で来た事が関係あるとか?


「貴方は魔王種との戦闘で、魔王種相手に大きなダメージを与えたそうですね?詳細は省かれていましたが、勝利に大きく寄与したとあります。ですが、陛下に戦闘の様子を聞かれた際にその事に一切触れなかった。そうですね?」


そして、王妃様は「ふぅ……」とため息を一つついた。


「ほ……?あぁ、はい。リーゼル様のことを聞かれただけだったので……」


【影の剣】を聞かれたら困るから隠していたってのはあるが、何かやってしまったんだろうか?


「それでは貴方の評価に繋がりません。もっともリーゼルやセリアもその事を予測していたようですね。貴方に王都とリアーナ領領都間の到達記録を超える様命じたでしょう?貴方の評価はそちらですることになりますね。マーセナル領を経由する水路と違って荷を運ぶ事は出来ませんが、4日も縮める事が出来るのなら上出来です」


「なるほど……」


俺の旅程よりも、戦闘の報告内容が問題だったようだ。

いつだったかセリアーナが俺の事を将来騎士にするとか言っていたが、その為の箔付けと言うか実績作りの一環だったのかな……。


堂々と自分の戦果を誇れたらいいんだけれど、如何せん俺の場合は自分の強さに自信が無い。

雑魚専な上に、恩恵品頼りだからな。

強さを期待されると困るから、ついつい隠そう隠そうとしてしまう。


とは言え、その武威をアピール出来る場で何もやらなかった以上、俺は戦うタイプじゃないと伝わったかもしれない。

むしろ俺的にはその方がありがたい。


そこら辺の事を考慮して、二つ目のアピール方法を考えてくれたんだろう。

リーゼルの名前も挙がっていたが、セリアーナの案だろうな。

帰ったら礼を言っておこう。



謁見を終えたその夜。

今日の滞在先はミュラー家の王都屋敷だ。


セルベル家のお屋敷も立派なんだが、どうにもこうにも賓客扱いされてしまう。

まぁ、俺とは直接縁が無い家だし、いくら俺が言ってもそういうわけにもいかないんだろう。

ミュラー家の方は一年近く滞在していたし、俺の事も理解しているから、いい意味で雑に扱ってくれる。


向こうじゃソファーに寝転がるとかできなかったからな……。


「春に来る時はどうしますか?滞在するのならテレサ様の分も部屋を用意しておきますよ?」


「うん。多分こっちに泊まるし、お願いしたいかな。詳しい事が決まったらセリア様が手紙を出すと思うから」


夕食後、オリアナさんとお茶を飲みつつ今日の事を色々話している。

ちなみにじーさんは、ジェイクさんと向こうのお宅でお酒を飲んでいる。


昼間の城での王妃様との会談はそつなく終えたのだが、帰り際に、来年の春に再び、今度はテレサも一緒に王都に来るようにと言われてしまった。


「でも、わざわざテレサもなんて、何の用なんだろうね?」


「テレサ様のリアーナ行きは突発的なものでしたからね。本来東部から王都までは気軽に行き来できるものではありませんし、彼女にもいい機会になると考えたのではありませんか?あのお二人は親しかったのでしょう?」


「そっかぁー……」


今回は時間が無くて予定を組めないが、次回はリーリアさんがルーイック家と会う機会を設けてくれる。

ヘビのお礼が出来るし、丁度いいといえばいいか。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] のんびり読めてとても面白いです。応援してます。 [一言] 蛇で必殺技・・・・潜影蛇手ができますね
[一言] 三匹目「・・・我輩は蛇である名前はまだ無い」 夜寝る前にでも名前を考えるのかな?
[一言] 護衛用に秘密にって言ってたんだから、バラして良いなら言っておかないと まぁ言わないと思ったからどっちでもいける様にしたんだろうけど それなら手紙に書かなくてもw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ