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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動
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王都行きの話をリーゼルから聞いて数日。

その間は、移動中に【隠れ家】で消費する物資の用意や、ルートの確認、到着後の予定等の確認をしていた。


王都についてからは、一旦ミュラー家に挨拶に行って、それからリーゼルの叔母……王妃様の妹さんの嫁ぎ先の屋敷に一泊する事になるそうだ。

セルベル伯爵家ってお家の長男に嫁いだらしい。

まだ家督は譲られていないが、王都で王家や他家との繋ぎ役を任されているんだとか。


王都滞在は一日か二日と、少々慌ただしいスケジュールだが、俺が行くことは決定していたようで、魔王種討伐前から準備をしていたらしい。


それ用の俺の服まで用意されていた。


「サイズは合っているわね」


「そうですね。仮縫いもせずによくここまで合わせられるものです。よく似合っているよ。セラ」


「……そか」


討伐前に何か採寸していたとは思ったんだが……コレだったか。


俺が今着せられているのは、なんというか……騎士服?

今日仕立て上がったようで、屋敷に届けられた。

黒のパンツに赤のジャケットと少々派手な色合いで、デザインはほとんど同じだが騎士の正装じゃ無い。


王都で魔王種の素材を献上するのは、代理人としてリーゼルの叔母さんの夫がやってくれるのだが、一応俺も立ち会うことになっている。

そして、その際はメイド服ではなく正装する必要がある。


まぁ、それは当たり前だ。


昨年王妃様に施療関係で会ったのはお忍びだったり、プライベートだったりってことで許されていたが、今回はオフィシャルな場になる。

一応俺もその場に相応しい恰好をすることになるが、そこで問題になるのが、俺の身分だ。

身分に即した服装があるそうだが、俺の公的な身分はリアーナ騎士団の2番隊副長だ。

ただ、爵位と言う意味では俺は騎士じゃなく、ゼルキス領都出身の平民の少女に過ぎない。


結果、騎士の正装では無いが、それに近い雰囲気の何ともコスプレっぽい恰好になってしまった。

ちなみにデザインはセリアーナらしい。

これにブーツを履くことになるが、どれも特注でサイズはピッタリだ。

いい素材で仕立ててあるし、お値段も相応の物なんだろうが、着る機会は恐らく今回だけだろう。


少々大袈裟で恥ずかしくはあるが、二人の反応を見るに、悪くは無いようだ。


「後はこれにマントを羽織ります。動きにくかったりはしませんか?」


着付けをしていたテレサが後ろから声をかけてきた。


言われたことを確かめようと、少し屈伸や腕を回してみたりもするが……、タイトなデザインなのに何の問題も無い。

流石フルオーダー……。


「問題無いようですね」


そう言うと、テレサは服を脱がしにかかる。

思ったより動きやすかったが、かといってこれを着ていくわけにもいかないから、【隠れ家】に入れて、向こうで着替えることになる。


「素材はもう奥なの?」


「うん。ケースごと預かっているよ」


「そう。なら出発は明日の夜ね」


人目に付かない事と、夏という事も有り日中の移動は避けたい。

やはり夜の出発がベストか。



額にかけていたゴーグルを下げ、窓辺に移動して外に目を向けると、星と月がよく見える。

今日も一日快晴だったし、昼に比べたらマシだがきっと暑いだろうな。

【浮き玉】を飛ばすしそれくらいでちょうどいいかな?


「よいしょっと」


窓を開けるとムッとするような暑い空気が部屋に入って来た。


「王都についたら屋敷に向かう事。後はおじい様に全部任せればいいわ」


「うん」


「リーゼルの手紙もあるわね?必要な事はアレに全て記してあるから、渡せば全て済むわ」


「ほい」


誤魔化す為に、日付だけはセリアーナが書いているが、リーゼルから何通か預かっていて、それを渡せば俺が喋る必要はないってくらいに、細かく書いてあるらしい。

実に助かる。

このキャラを王様の前でやるのは、ちょっとね……。


「まあ、あまり到着までの日数の事は気にせず行ってらっしゃい」


「ほいほい。セリア様とエレナも気を付けてね。テレサも二人をよろしく。じゃ、行ってきますね」


三人と挨拶を済ませて、窓から外に飛び出した。


夜……それも一人での移動は久しぶりだ。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 超巨大伝書鳩出動! 引っ張りだこになる人材を上手く出し惜しみするのが 領主やその夫人の腕の見せ所ってわけですね 理解しました というかわざわざ敵対勢力にまで使ってやる義理はないわな
[一言] 毎日更新ありがとうございます! 設定集があると、長編になってきてるんだなぁと感慨深いものがありますね! あと、明言はされてなかったと思うんですけど、やっぱりセラちゃんは前世男なんですね。そう…
[一言] 個人的には王様相手にだらけた感じで対応しながら頭の中パニックになる展開を期待したい
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