表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと
341/2034

339

俺の声とほぼ同時に、尾が振り抜かれた。

生えている高さは3メートルくらいだが、長さと重さから垂れさがっていて、その軌道は高さ1メートルくらいで、丁度二人に直撃するコースだ。

尾の重量とその勢いを考えれば、これも当たればただじゃ済まないだろう。


「くっ!?」


「うおっ!?」


あの猶予の無い中でも、流石と言うべきかしっかり反応出来ている。

テレサは転がる事で回避し、アレクは盾で受ける事でその一撃を凌いだが、衝撃は殺し切れなかったようだ。

体勢を崩し、膝をついている。

それを見たサイモドキは、角で突こうとしているのか、頭を下げた。

アレクはまだ立ち上がれていない。


これはいかん!


【緋蜂の針】を発動し、サイモドキの頭部目がけて突貫する。


【影の剣】で安全にダメージを与えるのが難しい以上、蹴りしかない。

狙う場所はここだ!


「たっ!」


狙い通り鼻先に蹴りを当てて押し付け続けている、加速する距離が足りずに魔人戦の時ほどの威力は出せていない。

それでも、目のすぐ側でバチバチしてるのが、鬱陶しいのだろう。

俺を振り払おうと、頭を上げて振り回している。


だが、ダメージは取れなくても注意は引けている!

このまま畳みかけよう!


「はっ!」


【浮き玉】をコントロールし位置を下にずらして、今度は下顎を後ろに回転しながら蹴り上げる。

サマーソルトキックだ。

頭を振り回していた為、首にそれ程力が入っていなかったんだろう。

上手く頭を跳ね上げさせる事が出来た。


「ていっ!」


さらに追撃で、浮き上がった顎に回し蹴りを叩き込んだ。

だが、蹴った感触でこの二発もダメージになっていないことがわかる。


表が硬いんだから、裏は柔らかくてもよさそうなのに……。


次をどうすべきかと考え、動きが思わず止まってしまったその時、轟音と熱波、そして赤い光が襲って来た。


「ぬっ!?」


威力は抑え目にしているが、ルバンの赤光だ。

それを右側の胴体に打ち込んだようだ。


硬い皮膚に跳ね返されて大したダメージにはなっていないが、俺の蹴りよりは衝撃があったのか、サイモドキはルバンがいる右側に視線を向けている。


「セラ、いいぞ!離れろ!」


そして、その間にアレクは体勢を立て直し、盾を構えている。


「りょーかい!」


テレサも起き上がっているし、仕切り直しだな。



「ぬーん……。これ厳しくないか……?」


仕切り直したはいいが、ちょいと押され気味だ。

既に数度繰り返しているが、とにかくあの尻尾の一撃が怖い。


尻尾アタックはサイモドキの体に隠れて繰り出されるため、俺が上から指示を出している。

初回と違って、今は崩されずに凌げているが、それも三人が今までよりも間合いを少し遠めに取っているからだ。

特にアレクは、突進を不発に終わらせた後に踏み込む事で、前足の薙ぎ払いを引き出していたが、尻尾のコンビネーションを避けるために逆に後退している。

届かない位置にいるわけだし、結局薙ぎ払いを凌いでいる事に変わりは無いが、その分サイモドキとの間合いが開き、注意を引き付けられなくなってきている。

横の二人が魔法を撃ち込む事で押さえているが、このままだとジグハルト達のもとに行ってしまいそうだ。


首に下げたタイマーを引っ張り出して時間を見るが、まだ5分も経っていない。

上手く動きをコントロールして安定しかけていたのに、尻尾のたった一振りでひっくり返されてしまった。


ダメージなんてほとんど入っていないのに、やる気出すの早すぎないか?

強いんだし、もっと舐めプしてくれよ……。


「次、尻尾右!」


大きく左に振りかぶった尻尾を見て下に指示を出すと、アレクとルバンが一旦動きを止めて回避に専念し、その間にテレサも威力のある魔法を撃つために、魔力を溜めている。


まだ何とかなっているが……とにかくこの尻尾が駄目だ。

範囲が広く二人の動きを潰せるだけに、これを多用されてきたら消耗が増えて、凌げなくなる。


こうなったら……やるか?


確かにあの重く硬そうな尻尾は掠るだけでも危険だし、何より不規則にユラユラ動くアレを捉えるのは難しい。

だが、根本ならほとんど動いていない。


そこなら、俺でもやれそうだ。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 満月の夜のサ◯ヤ人の倒し方ですね
[良い点] 更新乙い [一言] 魔王の尻尾を切り落とし、自分の尻尾に……!!
[一言] セラぷち参戦 案の定、爪痕も残らず 尻尾対策に……尻尾か?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ