表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

325/2049

323

大陸東部は、野の魔物が駆逐されている西部と違って、人里を襲う魔物がまだまだいたる所にいる。


その魔物が容易に襲ってこられない様に、拠点を作って人を集め、村や街へと発展させていくのだが、その集落の人口がある一定のラインを越えてしまうと、今度は魔物がそこを餌場と認識する事があり、その為集落の防衛力に応じて住民の数を制御しているそうだ。


街壁の周辺にスラムの様な形で貧困層の小屋が立ち並んだり……といった光景が、王都以外では見られないのは、そう言った理由があるからだ。

それを許せば魔物を呼び寄せかねない為、随分厳しく取り締まっているらしい。


ただしそれを防ぐ方法がある。

魔物避けの結界だ。


王都や各領都、交易拠点等の限られた重要な街にのみ張られていて、決して万能という訳では無いが、それさえあれば住民の数に関係なく、基本的に魔物は近づこうとしない。


その結界を張るために必ず必要になるのが強力な魔物の遺骸だ。

その土地の魔物であればあるほど、より効率よく効果を発揮する。

以前聞いた時は、何でかわからなかったが、実験に付き合わされてわかったが、魔物にも土地の相性の様なものがあるそうだ。


ただ、その相性を無視できるのが魔王種で、その遺骸を用いればどこの土地でも効率よく結界が張れるんだとか。

もちろんその魔王種も強力であればあるほど、より強力な結界を張る事が出来る。

王都のアレがいい例だ。


さらに、ある程度綺麗に形を保った状態でなければ意味を持たなかったりと、色々条件はあるようだが、魔王種の遺骸は極めて貴重であるらしい。


「今回の礼にそれを貰う事になっているのよ。ゼルキスもそうでしょう?」


「ええ。もっとも魔王種の詳細は記されていなかったので、何が贈られるのかはわかりませんが……」


エリーシャさんの問いかけに、すまし顔で応えるミネアさん。


今回両家がリアーナに対して妙に手厚い支援をしているのは、討伐成功の暁にはその魔王種の遺骸が贈られるからだ。

一部とはいえ、それがあれば確実に領地の地力を引き上げられる。

面倒な魔王種の捜索と討伐を思えば、安い物なんだろう。


「だからセリア様は大胆に支援を頼んだんだね……」


話が一区切りついたところで、今回の支援の件について聞いてみたのだが、そう言った裏があった。

……裏って程じゃ無いな……ギブアンドテイクだ。


ほうほうと、2人の言葉に頷く。


「姫、商人達が情報を探っているのはその為です。新たに結界を張るのならそこに人や物そして金が集まります。他者より先にそこを押さえる事が出来れば大きく利益を上げる事が出来るでしょう。メサリア国内は、リアーナを除けばどこもある程度安定していますから、抜きんでる為にはこの機会は逃したくないのでしょう。リアーナを安定させるためには、後ろを支えるゼルキスが栄えていればいる程いいですからね。彼等もこちらに遺骸が流されるというのは予測しているのでしょうね」


と、テレサは苦笑している。


投資するにも前世の様に移動や連絡が簡単にはいかないから、ある程度決め打ちしないといけないんだろう。

そもそも断られているとはいえ、テレサに面会を申し込めるってだけでも結構頑張っているんじゃないか?


……個人的にはその奮闘は評価したいが、他所の事だしな。


「あの……よろしいでしょうか?お母様」


「どうしました?ルシアナさん」


「はい。皆様は商人の請願を断る事が当然の様にされていますが、聞き入れてはいけないのでしょうか?」


「聞き入れたいのならそれでも構わないのです。ただ旦那様は、商人に限らず領民には贔屓を作らず極力平等に用いる事を心掛けているのです。貴方の侍女も出身はバラバラでしょう?」


「確かにそうですね……」


思い当たるふしがあるのか、頷くルシアナ。


そういえば、ここは所謂御用商的なのはいないな。

しっかり競争原理が働いているんだろう。

健全じゃないか……。


「競争を促せば、自分達で弱者を切り捨ててくれますからね。我々が介入するのは目に余った行いをした時だけです。その方が手間が省けますから……覚えておくと良いですよ」


「はい!」


ルシアナは母親から直々に教わるのがうれしいのか、張り切って返事をしているが……俺が思ってたんとちょっと違う気がするけれど……健全だよね?



エリーシャは職人達が出発したのを見届けた翌日にマーセナル領へ帰還し、そして俺達もその2日後にリアーナに向けて出発した。


しかし今回の滞在は本当に何もしなかったな。

いつもはだらけているなりにも2日に1回位は外で狩りをしていたし、雨季で外に出れない時は、屋敷の仕事を手伝っていたし……。


休暇だから別におかしい事じゃ無いんだろうけれど……ワーカホリック気味なのかな?俺。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ワーカーホリック 『ミラの祝福は仕事じゃない( ー`дー´)キリッ』
[一言] 決戦前の最後の長期休暇って事ね 大量輸送と長期監視と安全な一時避難場所を同時に担えるセラを大事にするのは当然ですねぇ
[良い点] 何もしなくてもいる事に意味があるんやで
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ