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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと

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親父さんとの話が終わると前回と同じ部屋に通された。

ただ、その部屋には俺達が持って来た物とは別に、何やら荷物が置かれている。

梱包された箱でベッドの半分くらいを占めている。


「これは?」


なんぞ?と部屋に案内してくれた使用人に訊ねると、すぐに答えが返って来た。


「お二人の着替えですよ。リアーナからの荷はまだ届かないのでしょう?旦那様から揃えておくように指示がありましたから……。あくまで間に合わせになりますが、サイズは前回採らせていただいたので、問題無いと思います」


「ああ……それは助かります」


前回は余裕があったが、今回は用意を始めてからまだ4日しか経っておらず、必要な物は【隠れ家】に詰め込んでいるが、フェイク用の荷物はまだ届いていない。

荷を開くと、着替えやら寝間着やらが色々入っていた。

これだけあれば当座をしのぐのは十分だろう。


「それでは、失礼します」


使用人は一通りの説明を終えると、部屋を出て行った。

大分あっさりした説明だったが、数か月前に滞在したし、何より俺がいるからな。

気を利かせたんだろう。


「昼食まで時間がありますし、着替えを済ませましょう。荷物が届くまではこちらで用意して頂いた物を使いますが、構いませんか?」


と、テレサは手にした服を見せながらそう言って来た。

薄い青のワンピースで、飾り気がなくシンプルだが、シルエットが妙に可愛らしい。

……これもルシアナのお下がりかな?


「うん。この恰好で屋敷の中をうろつくのもね……」


俺もテレサも今着ている服は【浮き玉】での移動用だ。

一時的に立ち寄ったとかならともかく、領主の客として屋敷に滞在する以上、あんまりみっともない恰好はね……。


しかし……。


「腰回りが緩いの無いかな?」


そういった流行なのか、上流階級の女性はウェストが細く絞った服を着ている事が多い。

コルセットとかはしないようだが、全体的にスッキリしたスマートなデザインだ。

だが、そう言った服はゴロゴロするには向いていない。


ベッドの上に広げられた服の中には緩いのもあるにはあるが……寝巻だな。


「そうですね……」


口元に手をやり真剣に考えるテレサ。


「あ、無理なら無理で良いんだよ?」


ついつい思った事を口に出してしまったが、そんな事で頭を悩ませてしまっては申し訳ない。


「いえ……お任せください」


……なんかやる気になっている。

仕事人の血が騒ぐのかな?


まぁ、今日はやることは無いだろうし、任せてしまおう。



その夜、食事を済ませ部屋で休んでいると、ミネアさんから部屋に呼ばれた。

何といっても領主夫人だ。

気安い関係ではあるけれど彼女も忙しい身だし、会おうと思ってもすぐに会う事は難しい。

その為挨拶も出来ずにいたが、向こうから誘ってくれるのなら丁度いい。


そう思ったのだが……。


「……セラさんにしては珍しい恰好ね」


「服と言うより着こなしですね。確かルシアナが着ていた服でしょう?あの子はこういった着方はしなかったわ」


部屋にはフローラさんもいて、2人で興味深い様子で俺が着ている服を見ている。

【浮き玉】で浮いているからその方が見やすいのか、目の前に浮いた俺をくるくる回している。


少し動くと「じっとして」と言われるし、人形にでもなった様な気がするな。


「姫の好みは動きやすい恰好ですから、少々手を加えました。腰回りの糸を数か所切っただけですから、すぐに戻せますよ」


テレサは服の解説をしている。

俺が今着ている服は、テレサがあれこれカスタムしたものだ。


腰の所を絞っていた糸を切り、街で調達してきた布を使って胸元で帯の様にして留めている。

当たり前と言えば当たり前だが、俺は着たこと無いから詳しくはわからないが、マタニティードレスみたいな感じに仕上がっているんだと思う。


着替えた時に少し体を動かしてみたが、俺があちこちペッタンコだって事を抜きにしても、動きの邪魔にならないし、苦しくもなく実に楽だ。


この人、料理もだが裁縫も上手かった……。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[一言] めっちゃ有能
[気になる点] そういえば、セラの前世での性別って明言されてなかった気がするのですが、もしかして男だったりします?
[良い点] 更新乙い [一言] うちの部下は多方面に有能ですから!!(どやどやぁ どこに出しても恥ずかしくない部下です。
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