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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
3章・王都で聖貨をザックザク!
29/2030

27

「よく来たな。護衛を連れぬと聞いていたから心配していたが、無事について何よりだ」


屋敷に着き中に入るなり強面のじーさんの出迎えを受けた。


アリオス・ミュラー・ゼルキス。

セリアーナの祖父で、今は当主の座を息子に譲り、その補佐として王都で暮らしている。

俺の居たルトルの街を起点に、領地西部の開拓を先頭に立って進めたパワフルな人らしい。

野盗討伐などゼルキス領のみならず周辺の治安維持にも積極的で、王国東部の発展の中核を担った凄い人。

それがこのじーさんだ。


「バゼット家の娘に傭兵の小僧の事は知っておるが…そいつは何だ?」


その強面&パワフルなじーさんに睨まれている。

マジで1人や2人どころじゃない人間を殺してきた人の眼力は相当なものがある。


「…うっ」


すげぇ迫力だ…。

つい後ろに流れていきそうになるのをアレクに掴まれた。

【浮き玉】は考えたように動いてくれるが、無意識な反応にも応えてしまう。


「領都で私が拾った子ですわ、おじい様。独力で恩恵品を揃えている中々の人材で、いい機会なので王都に連れてきましたの。私が学院へ通っている間、エレナ達と王都ダンジョンを探索させる予定ですわ」


セリアーナの言葉に反応し、こちらをギロリと睨んでくる。


「その小娘がか…?」


「ええ。ご安心くださいミュラー家の損になる様なことは致しませんわ」


後ろからだから表情まではわからないが、多分ニコニコしながら言っている。

祖父、孫の関係とは言え、あの顔を前にこれだけ堂々と言えるんだから大物だわ。


一方じーさんの方は、いかにも信じられないって表情だ。

気持ちはわかる。


「…まあいい。さあ、入りなさい」


玄関ホールでの立ち話を切り上げ、中へ案内される。

お邪魔しまーす。



王都に着いた翌日。


セリアーナ達は何かと手続きがあるようで、エレナ、アレクと一緒にあちこち出かけている。

俺もついて来るか?と聞かれたが、断った。

王都に来る前に、冒険者ギルドで所属変更の手続きをした際について行ったのだが、何をするでもなくただただ浮いているだけだった。


この世界、戸籍管理が進んでいるからか、妙に書類文化が進んでいる。

ただ、何をするにも人力。

アナログだ。

お貴族様パワーをもってしても、何をするにも時間がかかる。


てことで、領都の屋敷と同じく、こちらでも使用人といい関係を築くべくお手伝いをしている。

【浮き玉】は相変わらず大活躍だ。

流石に領都のあのバカでかい屋敷に比べたら小さいが、こちらも十分デカい。

昨日来る途中に馬車から見ただけだが、他の屋敷に比べても大きい方だ。

大きいホールを含めて3~40部屋位は有りそうだ。

他を知らないから比較できないが、ミュラー家ってのは中々の大物なのかもしれない…。


「セラちゃん、上を支えて頂戴」


おっと手伝い手伝い。


【隠れ家】に詰め込んでいるため、馬車1台ではありえない量の私物がある。

どうやってあのじーさんにスキルの事を話さず誤魔化したのかはわからないが、昨日一旦別室に置いていたがセリアーナが出かけている間に、部屋に荷物やそれを収納する棚などを運びこんでいる。


「いや…しかし多いなー」


「やっぱりミュラー家の令嬢ともなると、1年とは言え王都で生活するには必要な物が沢山いるのね」


「本当ね。凄いわ~」


と、お喋りしつつも忙しそうに大量の荷物を運び入れている。


済まん…、俺のスキルがあるから詰め込んでいるのであって、別に王都で順次買っても問題無い物ばかりなんだ。

申し訳ねぇ…と考えつつも、運び込まれた棚に荷物を詰めたり掃除をしたりする。

そして、綺麗になーれ~と何となく口ずさんだその瞬間だ。


『きゃっ⁉』


悲鳴が聞こえ慌てて振り向くと、何か皆光っていた…。

ついでに俺も薄っすら光っている。


…なんだこれ?


セラ・【隠れ家】【祈り】・【浮き玉】【影の剣】・0枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・4枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・0枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 読み返していて今更思ったのですが >俺の居たルトルの街を起点に、領地西部の開拓を先頭に立って進めたパワフルな人らしい。 >野盗討伐などゼルキス領のみならず周辺の治安維持にも積極的で、…
[一言] 美味しくな~れ、美味しくな~れ、萌え萌えキュン! で実際に美味しくなりそうなスキルなのか! お嬢様の目が冷たくなりそうかな。
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