表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
9章・リアーナ領でアレコレと。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

267/2049

265

【ダンレムの糸】


全長は2メートルと少しで重さは50キロ程の長弓だ。

発動すると弦が現れ、それを引くと光の矢がつがえられる。

一射撃つごとに10分の、謂わばチャージ時間を要するが、その威力は非常に高く、光の矢が一直線に……まさに糸を引いたかのように突き進む。


ネックはその重さと引きの強さだ。

【祈り】を使わなければアレクですら相当きつかったらしい。

威力は凄いんだが、最前線に立って指揮もするしあまり彼向きでは無かった。

使うか聞いてみたが、固辞された。


ジグハルトにも聞いてみたが、弓が引けなかったらカッコ悪いからと冗談めかして断られた。

……まぁ、あの人は自分で魔法撃った方が強いんだろうけれど、何というか大分使用者を選ぶアイテムだ。


とは言え、訓練場での試用は盛況に終わった。

周りで見ていた兵士はもちろん、冒険者見習の子供達にもいいモチベーションになったんだろう。

随分訓練も張り切っている様で、このまま行くと当初想定した10人を超える人数が残りそうだと、支部長が喜んでいた。


「おいっちにー!さんっしー!」


まぁ、ぶっちゃけそんな事はどうでも良いんだ。


この【ダンレムの糸】は念願の遠距離武器。

はっきり言って、弓として正規の使い方をするなら、とてもじゃないが俺には扱えない代物だが……腹案がある。

あまり行儀の良い使い方じゃ無いだろうが、他のアイテムと組み合わせる事で、俺もビームを撃てるようになる。


「にーにっ!さんっしー!」


その為にも柔軟だ!


リーゼルの執務室で皆が仕事を頑張っている中、俺も負けずにソファーの上でストレッチを頑張っていると、使用人がやって来た。

セリアーナ宛に荷物が届いたらしい。


「わかったわ。こちらに運んで頂戴」


「かしこまりました」


それを聞き一礼し部屋を出て行った。


「こちらに持って来させるのは珍しいね。何か重要な物かい?」


「大したものじゃ無いわ。注文は出していたのだけれど……王都から運ばせたから少し遅れてしまったの」


リーゼルの問いに肩を竦めるセリアーナ。

王都からか……たまにミネアさん経由で届く事があるけれどそれかな?


「休憩にしましょう」


そう言いセリアーナは席を立った。



待つことしばし、俺の目の前の机に置かれたのは二つの木箱。

一つはパソコンのキーボードの様なサイズで、厚さは5センチ無いほどの長方形。

もう一つは10センチ程度の立方体。

箱自体にも模様が彫られ蓋には蝶番が付いていて、開ける様になっている。

ただの容器ってわけじゃなくて、部屋に飾られていてもおかしくない様な出来だ。


部屋の向こう側からリーゼル達も興味深げにこちらを見ている。


「セラ、そちらを開けなさい」


自分の席から応接エリアに移って来たセリアーナが、長方形の箱を指して言った。


「ほい」


びっくり箱じゃ無いよな?とドキドキしながら開けると、中にはカラフルな指輪が、一個二個……十個。

これ宝石箱か……?


「これは?」


「少し遅れたけれど、お前のよ」


俺の……。


「……誕生日か⁉」


つい先日俺は11歳になったが、それか!


一昨年はケープで去年は服を色々……何だかんだで毎年貰ってるな!

しかし指輪か……。


「ありがとう!……でもなんでこんなにたくさん?」


この2年、貰ったのは実用的なものばかりだ。

この指輪もただのオシャレ用って事は無いと思う。


「姫、手を」


セリアーナが答える前に、隣に座ったテレサが俺の手を取り指輪をはめた。


「あ、うん……んんっ⁉」


俺の手は小さいし指も細い。


【影の剣】や【琥珀の剣】はサイズが指に合わせて勝手に調整される。

だから、俺も着ける事が出来るが、普通の指輪だと難しい。

セリアーナもその事がわかっているのに何故?と思ったが……。


「この指輪……なに?」


今はめられた指輪……サイズが変わった。

最初はぶかぶかだったのに今は俺の指にぴったりだ。


「魔物の骨と腱で作られた魔道具よ。装着する者の指に合わせてサイズが変わるの。凄いでしょう?」


やや自慢げなセリアーナ。


「……いや、凄いと言えばこの上なく凄いけれど」


それに対して俺はわけわからんと言った顔で応えた。


正真正銘フリーサイズだ。

それもガチャ産じゃなくて、人の手で作り出したってんなら、驚異の技術だと思う。

……思うけれど……一体これをどうしろと……?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】・1枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・12枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] このバカでかい弓はクロスボウの様に横にして地面に置いて足で弓を引けば大人なら安定して射れそうですね。 しかし射ったあとの弦が足に当たると足が無くなりそう。。
[一言] 昔弓を足で引く変態が出て来る漫画があったなぁ…
[一言] 指輪はセラを本格的にリアーナ家で囲う為の布石かな? 居住スペースのある絶対に安全な退避先兼誰にもバレない収納スペース、 早馬よりも早くかつ隠密に隣領と連絡が取り合える機動力、子供の見た目で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ