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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
2章・雇い主は、お嬢様
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上手く核を破壊できたのか、ゴブリンの死体がサラサラと崩れ、消えていく。


ダンジョンの魔物は魔力だか魔素だかで出来ていて、核を壊せばこうなる。

放置していたら腐敗するようだけれど、仕組みはよくわからない。

外の魔物はちゃんと死体が残るらしいが不思議だ…。

まぁ、考察は後にしよう。


我ながら上手くやれたと胸を張り、どーよ!とばかりにエレナの方を振り向くと、何やら目を丸くしこちらを見ている。

割とアホっぽい顔だけど大丈夫?


「どしたの?」


確かに上手くやれたと思うが、昨日の事はアレクが報告しているだろうし、そこまで驚くような事とは思えない。

どこかにまだ魔物が隠れているのかと周りを見るが何もいない。


「君のソレ…そんなに速く動けるのかい?」


そっちか!

そういえば屋敷ではせいぜい俺の小走り程度のスピードしか出していなかった。

さっきのは50キロ近くは出ていた気がする。

…でもまだ行けそうな気がするんだよな。

本当にいつか限界チャレンジすべきなんだろうか?

まぁ、置いておこう。


「そうそう。まだ上がありそうだけど、どれくらいかはオレにもわかんないんだよね」


「そうなんだね…もう少し1人で戦ってもらっていいかな?危ないようなら助けに入るから」


「?わかった」


もう少し把握してからの方が合わせやすいとかなのかな?

まぁ、俺も一人で不意打ち以外の戦い方の練習もしてみたいし、丁度いいかな?


話しながら進んでいると、前から今度は2体現れた。


「やれるかな?」


「よゆーよゆー」


ゴブリン達もこちらに気づいたのか襲い掛かってくる。


まずは手前か「奥を狙いなさい!」む?


後ろからの指示に狙いを変えて、手前のゴブリンを無視して奥の方を目指し一気に上昇し加速する。

来るとは思わなかったのか、驚いた顔をし動きが止まったままだ。

そのまま先程と同じように頭を断ち切り、残りのもう1体を、と振り返ると既にエレナが倒していた。


なるほど…この要領か。


「上手くいったね。君の【浮き玉】なら多少離れていても一気に詰められるから、奥から狙っていこう」


「はいよ」


家庭教師を務めていただけあって、教え方がわかりやすい。

折角だし連携の基本を教わろう。



「お!」


壁と天井に赤いラインが引かれている。

ここから先は浅瀬の奥と呼ばれるエリアだ。

予定では中頃までだったし、耳を澄ますと奥の方で微かにだが、人の声がする。

今年から冒険者になった連中が探索しているのかもしれない。


てことは、引き返すのかな?


「ここまでだね、引き返そう。帰りは私が前に出るから、君は合わせて欲しいんだけど、できるかな?」


ついに後衛か…。


入れ替わって以降ここまで俺が前に立って、エレナは時折後ろから「右」だの「奥を」だのの指示と共に【緑の牙】を槍の様に伸ばして援護をしていた。

要は縦の動きだけ気を付けておけばよかった。

だからこそ、指示があるとはいえ後ろからの援護にも対応できていたのだが…。


「あのさ…」


「ん?どうかしたかい?」


「鞭みたいにブンブン振り回すやつ。あれに合わせるとか無理だよ?オレ」


ファンタジーな世界だし、魔法も有ればそれこそアレクみたいな人間離れしたゲームや漫画キャラの様な力の持ち主もいる。

エレナもどちらかというとゲームや漫画の世界のキャラだ。

ただし、力ではなく技術が。

何かもう技名叫んでいてもおかしくなかった。


「そ…そうかな?それじゃあ剣として使った方がいいか…」


何か残念そうな顔をしているけど、やる気だったのかよ…。

確かにアイテムの使い心地を試すのも目的だったが、あれに合わせるのは…。


「わかった。じゃあやる時は教えて。近づかないから」


「⁉もちろんだ。任せてくれ!」


よっぽどやりたかったのか、声が弾んでいる。

まぁ、アイテム楽しいからね…気持ちはわかる。


「さあ、行こう!」


ちょっと張り切り過ぎな気はするけど、帰り俺出番あるのかな?

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[一言] 今更だけどオレっ子なのか
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