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薬品を使用法が記されたファイルごと受け取ると、今度はテレサがオーギュストと打ち合わせを始めた。
テレサは今日は……というよりも、今日もだろうか?
ここ最近のテレサは、冒険者ギルドに詰めて騎士団の立場から冒険者たちへの依頼の割り振りや、雨季が明けてから活動を再開する大手連中がダンジョン内で横暴な真似をしないように睨みを利かせたり……彼女ならではの役目を任されている。
そのためにも、オーギュストとは毎朝こうやって打ち合わせを行っているそうだ。
さらに、俺の調査隊の隊員たちにもオーギュストからの指示を伝えてくれたりしている。
任務から帰還した俺たちからの報告を聞いたオーギュストが、情報を纏めて……それをテレサ経由で伝えているのは知っていたんだが……夜じゃなくて朝にやっていたのか。
まぁ……だからこそ、毎朝俺を呼びに来たり出来ていたんだろうな。
有難いことだ。
ともあれ、テレサがオーギュストとの打ち合わせを終えると、俺たちは部屋を出てホールに向かった。
そろそろ隊員たちも集まり始めている頃だろう。
◇
さて、ホールに戻ってくると、既にそこには兵たちが揃っている。
まだ武装こそ済ませていないが、皆表情はしっかりしているしいつでも出発出来そうだな。
オーギュストの部屋がある廊下から俺も姿を見せたことに、彼らは驚いてはいたが……隣にいるテレサに気付くとすぐに口を閉ざした。
その様子がおかしくてついつい笑いそうになったが、テレサは一切気にした様子を見せずに、先程オーギュストと話していた内容を伝えていく。
少々任務の内容は変わってしまったが、一の森から逃げ出してくる魔物の警戒が北の森に変わるかもしれないだけ……そう考えると、任務の内容はそこまで大差はない。
昨日北の森の中での戦闘も行ったばかりだし、特に心構えが必要なことでもないんだろう。
頷くと「わかりました」とひと言だけで返している。
そして、テレサが「何か質問は?」と訊ねると、ポツポツと手が挙がり質問をしていく。
質問する隊員たちもそれに答えるテレサも随分と慣れた様子だし、毎朝やってたんだろうか?
もう残り後二日だけれど……俺も参加した方がいいのかな?
その朝礼のような光景を見ながら、俺はそんなことを考えていた。
◇
朝礼も終わり北の拠点に出発することになった。
普段よりも出発する時間が少し早いからか、北街の住人が少し驚いているが……隊員たちが「気にするな」と笑って伝えると納得したらしく、いつも通りに俺たちを見送っていた。
あまり俺たちは北街の住人と関わる機会がないから、初日は何というか……ちょっとよそよそしかったんだが、流石に数日とはいえ毎日こうやって顔を合わせていると、顔馴染みも出来てくるのか、隊員たちも挨拶だけじゃなくて軽く言葉を交わしたりしていた。
北街の住人は工房エリアの職人たちを除けば、ちょっとお堅い者たちが多く、他のエリアの者たちとは関わり方が大分違っているんだが、数日程度とはいえ毎日顔を合わせていると変わって来るもんだな。
一番隊も巡回はしているが、彼らは真面目だから巡回中に住人とお喋りをしたりしないだろうし、そのことをわかっている住人たちもわざわざ声をかけたりはしない。
それで距離が出来ていたんだろうな。
今回の件でそれが縮まるのなら、想定外ではあるがいいことだ。
北門を抜けて街道に出た俺は、隊員たちの上を飛びながらそんなことを考えていた。
そこに下から「隊長!」と声がかかった。
「うん? どうかした?」
「それ……俺たちが持たなくて平気か?」
地上に下りていくと、声をかけた一人が俺が持つ薬品の入った木箱を指した。
普段はこういった薬品は馬車に積むんだが、この隊は騎馬のみで馬車は編成されていない。
それなら持つのは俺だろう。
「コレ? これくらいなら重さもないし大丈夫だよ」
【隠れ家】を使えるんならそれが一番だが、それは無理でも【浮き玉】なら重さを感じられずに、ついでに揺らさずに運べるからな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




