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聖貨を集めて、ぶん回せ!  作者: 青木紅葉
26章・領都の北側

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「あれ? 追いついちゃったか」


 ジグハルトたちとの話を終えた俺は、帰還するために領都に向かって飛んでいたんだが、街道の先に同じく領都へ帰還する隊員たちの姿を見つけた。


 俺が北の森の調査に向かう前は彼らもまだ拠点にいたんだが、戻って来た時には既に出発していた。


 俺はそこからさらにジグハルトたちと話していたし、特に帰還を急いでいたわけでもないから、速度もそんなに出していなかったのに追いつくとは……。


「何かあったってわけでもないよね?」


 ここまでの道のりで戦闘の痕跡はなかったし、初日のように足の遅い馬車が一緒にいる……なんてわけでもない。


「とりあえず、合流だね!」


【浮き玉】の速度を上げて隊の最後尾に一気に追いつくと、初日同様に最後尾の隊員はすぐに俺の接近に気付いた。


「よう。早かったな」


「……皆が遅いんじゃない?」


 俺がそう返すと、彼は肩を竦めた。


「何かあったの?」


「あった……ってほどじゃないけどな。北の拠点に商隊がいただろう?」


「うん。そういえば一緒に行かなかったんだね。護衛の冒険者もしっかりいたから心配はいらなかっただろうけど……」


 俺は北の拠点に着いてすぐに宿舎に向かったから、商隊や護衛がどれくらいの数かまでは把握していないが、結構な数がいたはずだ。


 一の森に入るならともかく、街道を通って領都に行くだけなら十分過ぎる戦力だ。


 その考えに同意するように彼は頷いた。


「俺たちが後を追う形だったが、戦闘した痕跡はなかったな。まあ、今頃は領都に無事到着しているだろうさ」


「追いつけなかったんだ?」


 全員が騎乗している彼らの方が、馬車と徒歩で編成している商隊より足はずっと速いはずなのに追いついていないのか。


 意外に思っていると、彼は溜め息を一つ吐いた。


「半端な戦力が移動したからだろうな。北の森や一の森の魔物が草原にまで出て来ていた。やるかどうか判断に迷ってな……結局刺激しないように速度を落としながら移動することを選んだんだ」


「ふぬ……まぁ、下手に急いで前にいる商隊にまで魔物が行っちゃったら危険だしね」


 魔物を刺激したのが商隊だとしたら、周りを危険に巻き込んだってことで彼らにも対処する責任があるんだが、それはあくまで相手が民間人の場合だ。


 俺たちは冒険者が混ざってはいても騎士団の隊だからな。


 民間人に魔物の対処を押し付けるわけにはいかない。


 北の森の魔物も一の森の浅瀬をうろつく魔物も、俺抜きでもこの隊の戦力なら戦えるだろうが……敢えて刺激しない方を選んだんだろう。


「アンタが合流したらもうその心配はいらないかもな。先頭に行ってくれよ」


 そう言って、前に行くようにと手を振った。


 ◇


 隊列の先頭に回って移動していたが……しばらくの間は最後尾の隊員から聞いたように魔物が姿を見せることはなかった。


 だが「……隊長!」と、先頭にいる隊員の一人が鋭い声と共にこちらを見た。


「うん。上から見てみるよ!」


 俺はわかっていると頷くと、一気に【浮き玉】を上昇させる。


 街道と両脇の草原、そして一の森と北の森全部が見える高度まで来たところで、上昇を止めて周囲の様子を探った。


「一の森から……十数体ちょっとかな? 草原に出て来てるね。後続がまだ森にいるかもしれないけど、あの数が森から出て来てただの様子見ってことはないか」


 俺たちを狙ってなのか、一の森から魔物の群れが姿を現している。


 魔物が出て来ているのは一の森だけで、北の森には魔物の気配はないし……とりあえず挟撃される心配がないのは幸いかな?


「魔物がいるのは一の森だけだよ! まだ森の中に潜んでる群れがいるかもしれないから、北の森の方に移動しよう!」


 俺は地上の隊員たちにそう指示を出すと、彼らも範囲に入れて【祈り】を発動して戦闘態勢に入った。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
大人数が動く以上は仕方ないか
次回は、手ごわいハズの魔物だが、準備が万全すぎてザコ戦だな〜(笑)
荷馬車は徒歩と変わらぬ速さか少し遅いと言うけど、速度を落としても騎馬隊なら駆け足や速足くらいの速度は出そうだから少しおかしいか?それとも今追い付いたのかな。名探偵セラの推理が火を吹くか?
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