2145
「それで……用件はそれだけだったの? 私がああ答えるのは貴女も予想出来ていたんでしょう?」
燃焼玉の件についての話は終わったが、フィオーラは俺の用件がまだ他にあるんじゃないかと訊ねてきた。
付き合いが長いだけあって、中々に鋭い。
「大したことじゃないんだけど、オレの任務って一の森での魔物探しもあるけど、ジグさんから頼まれた北の森の中の調査もあるでしょう?」
「何か異変がないかの調査ね」
「うん。今日軽く飛んでみて回ってわかったんだけど、オレってそんなにこっち側に詳しくないんだよね」
俺の言葉に、フィオーラが「ああ……」と頷いた。
「上空を飛び回ったり通過することはあっても、森の中に下りることは精々この辺りで狩りをする時くらいですものね」
「それなんだよね。例えば魔物が集まっていたり、上から見てもわかるくらいの変化があればすぐに見つけられるんだけど、そうじゃなかった場合がね。多少は魔物の痕跡とかも見つけられるけれど、何が異変なのかってのがよくわからないんだよ」
「……今は雨が上がったばかりでただでさえ森が荒れているし、それも仕方がないでしょう。でも……そうね。魔物の異変についてはジグが教えているだろうし、私に聞きたいのは魔力絡みの異変の見分け方ね?」
フィオーラの言葉に、俺は「そうそう」と頷いた。
人為的な何か……だけじゃなくて、例えばたまたま魔物の死体が集まった場所とかで、魔素が溜まっておかしなことになる……ってことがあってもおかしくはないし、その見つけ方や見分け方のコツを聞いておきたい。
改めてそう伝えると、フィオーラは「いいわよ」と言いながらも、迷うような素振りを見せた。
「難しいの?」と訊ねると、フィオーラは肩を竦める。
「難しいわね。この時期は土壌が雨水で洗われるし、魔素の異変を見つけにくいのよ」
「それもそっか……」
「その分、もし他とは違う何かを見つけることが出来たのだとしたら、それはほぼ間違いなく、たまたま……とかではなく何かしらの異変と考えていいわ」
「ある意味判断は迷わなくていいってことだね」
「そうね。ただ、雨季前や雨季の間にもあれだけ人を送って調査をしている以上は、何かがあるとは思えないわね。北の森の魔物の動きに関しては……魔物同士の問題でしょうね。縄張り争いかしら?」
「ふむ……まぁ、オレも丁度遭遇したしね。注意して調べるのは魔物を中心にして大丈夫ってことかな」
「ええ。一の森に関しては……あそこはそもそもいつもおかしいし、ウチ以外の人の手が加わった形跡があればそれが異変だと考えていいわ」
「それもそうだね……。でも、一の森も散々オレたちが荒らしたし、人がいるとは思えないね。とりあえず魔物を見るだけでいいかな」
一の森はウチの騎士団と冒険者の合同部隊でも、未だに開拓拠点を中心に少しずつ行動範囲を広げるって方法を採っているんだ。
ただでさえ、大規模な群れを討伐して魔物が動き回っているんだし、少数や単独で何か出来る状況ではない。
まぁ……一の森の調査に関しては、あくまで魔物を追うことが目的だし、人の痕跡にはそこまで注意を払う必要はないだろう。
「私が直接参加したらまた違う意見を出せるかもしれないけれど……現状ではこれくらいね」
「……【小玉】は貸せても【風の衣】は無理だからね」
俺の言葉に、フィオーラは「フッ」と笑った。
魔物や獣の痕跡を見つけたりは冒険者や猟師には劣るが、それでも魔素や植物などから推測したりするのならフィオーラはリアーナでもトップクラスの知識を持っている。
フィオーラが調査に参加したら色々進展しそうな気もするが……基本的に彼女は狩場に直接出ることはない。
暑かったり寒かったり虫が寄って来たり臭かったり……色々大変だしな。
余程の緊急事態でもなければ、彼女が調査に参加することはないだろう。
まぁ……言い換えれば、フィオーラもジグハルトもオーギュストも、今の状況はそこまで危険ではないって判断しているわけだな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




