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燃焼玉ってのはそもそものきっかけが、お手軽な魔物の死体処理の方法はないかって相談なんだよな。
その結果、水と魔力が反応して一気に高熱で発火し燃え上がる燃焼玉を作り上げてくれた。
オレだけじゃなくて騎士団の兵たちも、冬場の凍結した水路の見回りで魔物を倒した時とかに処理に困っていたから非常に助かっている魔道具だ。
冒険者にも広まっていて、頻繁に使われることはないがいざという時の魔物の処理に役立っている。
魔物の死体を焼く……っていうシンプルな目的のためだけに、これ以上の改良の余地はないんだろう。
「まぁ、一の森で敢えて他の仲間と別れて単独行動して、しかもその状況で戦闘を極力避けたい……なんて機会は滅多にないだろうし、絶対に必要……ってことはないんだけどね」
高火力で燃え上がったとしても水で消火出来るし、いざとなれば強力な魔法や魔道具で起こした爆風でかき消すことも出来る。
今回の俺がイレギュラー過ぎるだけで、今のままでも十分だからな。
ちなみにフィオーラは、俺が話を始めてからは腕を組んで考え込んでいるが、何かアイディアが思い浮かんだ……とかそんな様子はない。
フィオーラは新しい魔道具や既存の魔道具の改良点の相談を受けた時は、割とすぐにアイディアが出てくる。
恐らく普段から何となく考えてはいても、わざわざ形にするまでもないからアイディアだけはあった……とかそんな感じだったんだろう。
ただ、今回俺がフィオーラに相談した内容は、新しい魔道具の要望や改良じゃなくて使い方についてだからな。
流石にフィオーラの守備範囲じゃなかったか?
黙ったままのフィオーラを眺めていると、しばらくして「……難しいわね」と顔を上げながら呟いた。
「やっぱり?」
「ええ。そもそもの燃焼玉の目的は魔物の死体をしっかりと焼却することでしょう? そのための火力は外せないわ。燃え残りが多すぎても困るわけだから燃焼時間も減らせないし……」
フィオーラは途中で止めると溜め息を一つ吐き、こちらを見て肩を竦めた。
「燃焼玉に関しては威力を上げたり使い勝手を良くしたりは出来ても、威力を落として尚且つ目的を果たす……というのは無理ね。それよりも消火用の魔道具を考える方が確実だわ。でも、それは今回の貴女の任務だと使いづらいのよね?」
「そうなんだよねぇ……」
結局のところ、高威力で何でもかんでも吹き飛ばせる手段ってのは持っているんだが、当たり前だが目立ち過ぎるんだ。
音もビジュアル的にも派手過ぎてさらに魔物が寄って来るか逃げ出すかしてしまうだろう。
「魔物の死体を焼くんじゃなくて、爆破して弾け飛ばす魔道具なら作れなくもないけれど……どうする? 【ダンレムの糸】ほどうるさくはないはずよ?」
「ぬぬぬ……爆破して弾け飛ばすってことは、威力は結構あるのかな?」
俺の質問に、フィオーラは「そうね……」と再び考え込むが、先程と違って悩む様子はなくすぐに答えが出たようだ。
「サイズを燃焼玉と同じ程度にするのなら……外の街壁があるでしょう? アレに穴を開けられる程度かしら?」
「……強すぎない?」
どの街も街壁は外敵を防ぐために頑丈に作られているが、ウチの街壁は魔境の魔物から守り切ることを想定しているため、他所よりもずっと頑丈に作られている。
それを燃焼玉と同じサイズの魔道具で穴を開けられるだなんて……ちょっと威力があり過ぎる。
「燃焼玉のように民間に卸すつもりはないわ。使うにしても貴女くらいでしょう? それも期限が決まっているし……それなら採算度外視で作っても構わないんじゃないかしら?」
「……それなら構わないのかな? でも、それだけの威力の物を持ち運ぶのはちょっと怖いね……」
もっともだと思ったのか、フィオーラはそれを聞いて苦笑している。
「所持したまま戦闘したくないわね……。まあ、消火は無理でも延焼を避けるための何かを考えておくわ。でも……時間もないし期待はしないで頂戴ね」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




