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作業台の上に並べられた素材を種類ごとに分けては、粉末状にすり潰したり火にかけたり……それらを液体に浸したり。
特別な技術はいらない地味な作業を行っていた。
一応俺にはヘビの目や【妖精の瞳】といった裏技があるわけだし、こういった調合の手伝いには意外と役に立てるんだが……フィオーラならともかく、彼らは俺にそこまでのことを頼むのは気が引けるようで、あくまでただの簡単な手伝いに止まっている。
効率が上がるだろうし遠慮しなくてもいいんだろうが……フィオーラがいない中でそれは難しいか。
作業手順がわからない中で俺から言い出すわけにもいかず、これはこれでいいか……と続けて二十分ほど経った頃、フィオーラが研究所に戻って来た。
フィオーラ一人じゃなくて数人の職員も一緒だったみたいだが……倉庫前で出会った職員が台車に乗せていた分と同じくらいの荷物を持っている。
「あ、お帰りなさい」
手を止めてフィオーラに挨拶をすると、彼女は目を丸くしている。
俺がここにいるのは予想していなかったんだろう。
「あら? 屋敷で休んでいるかと思ったけれど……」
「フィオさんに聞きたいことがあったからこっちに来たんだ。オレがこっちに来るちょっと前に出てたみたいだね。あんま時間経ってないけど、もういいの?」
フィオーラが走って移動する姿は想像出来ないし歩いて行ったはずだ。
荷物を持った彼らの足を考えなくても、往復程度の時間しか経っていないだろう。
オーギュストは何の用で呼び出したんだろうか。
その荷物を渡すためなのかな?
俺の視線が自分じゃなくて同行していた職員たちに向いていることに気付いたようで、フィオーラは「ああ……」と苦笑している。
「アレは騎士団から提供された、商業ギルドが持っている資料と試作品ね。貴女も手伝っているソレのために用意してくれたわ。すぐに出て来たし……元々ウチに研究を依頼するつもりだったようね」
そう言うと、フィオーラは俺の背後に回り手元を覗き込んできた。
「素材の加工? 貴女がいるのならもっと手間のかかることを頼めばいいのに……」
他の職員は運ばれてきた荷物の開封と整理で忙しいようで、フィオーラの呟きは聞こえていないようだ。
「フィオさんいなかったしね。頼みづらかったんじゃない?」
「気にしなくていいでしょうに……まあ、いいわ。話があるんでしょう? 先にコレを片付けましょう」
フィオーラも手伝うつもりらしく、背中から離れると向かいの席に座った。
◇
作業をさっさと片付けた俺たちは、奥のフィオーラの部屋に移動して話をすることにした。
フィオーラは先程騎士団本部で話を聞いているし、消耗品をほとんど使っていないことを知っているため、何の話しだろうと不思議そうな顔をしている。
「……燃焼玉の消火の仕方?」
「そうそう。今回の任務って基本的に森の中を一人で移動してるでしょう? どうしても処理に困るんだよね」
「ああ……それはそうね。一の森だと隊員を呼ぶのも難しいでしょうしね……」
当たり前だが一の森は危険な場所だし、もし森の中に呼ぶにしても数人ってのは論外で、どうしても半数近くを呼ぶことになる。
コレが普通の一の森の調査ってだけならその方法を採っても問題ないんだが、今回の兵たちの主な役割は外に魔物の群れが逃げた場合の備えだし、彼らを森の中に呼ぶわけにはいかないだろう。
「極力戦闘は避けるつもりだけど、昼間から活動しても魔物が結構いるみたいで、どうしても戦闘を避けられないこともありそうなんだよね。二体や三体程度なら適当に放り投げるって方法もあるけど、そうじゃない場合を考えると何か別の方法が必要なんだよ」
フィオーラは俺の話を聞いて「燃焼玉ね……」と呟いた。
「……アレはあくまで着火が目的だし、死体を燃やす炎を消すとなると、大量の水か炎を爆風でかき消すくらいしかないわね」
「やっぱりかぁ……」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




