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上空から再び森の中に入ってきた俺は、地上から一メートルほどの高さをキープしたまま、目の前を尻尾で掴んだ枝でズブズブ突き刺したり、バシバシ叩きつけながら移動をしていた。
この枝は細いが二メートルほどの長さがあるし、地面の様子を確かめるには十分だ。
水溜まりだろうが何だろうがお構いなしだし、水の跳ねる音が森の中に響いている。
俺の今回の任務の目的は森の調査兼あの逃げ回っている魔物を見つけることで、不要な戦闘は極力避ける方針ってことを考えると、ちょっと派手過ぎるかもしれないが……そもそもこの辺には何もいないからな。
「まぁ……それでも音は響いているから、勘の良い魔物とかならどっか行くかもしれないけど、森の外には出て行かないだろうし構わないよね。……うん?」
枝を地面に叩きつけていると、感触が他とは違う箇所を見つけた。
他はぬかるんでいたり水が溜まっていたとしても、地面に当たると多少は硬い感触があるんだが……今叩いた所は何か柔らかい。
「見た目は……変わらないし、【妖精の瞳】もヘビの目にも変化はない……よね? 普通の地面っぽいけど……」
感触は間違いなく違うんだよな。
「やってみるか」
俺は【緋蜂の針】を発動すると、そこを軽く踏みつけてみる。
普通の地面なら精々泥が跳ね飛ぶ程度だが……泥の他にも枝や何か獣や魔物の毛皮みたいな物が飛び散った。
「大穴が開いちゃったね。地下水路なのかそれともただ深い穴なのか迷うけど……」
踏みつけて開けた穴のそのさらに奥に、直径二メートルほどの穴が見えた。
叩いた時に感触が違ったのは、ゴミが穴を塞いだせいで泥が緩く詰まっていたからなんだろう。
普通に飛びながら見ているだけじゃ気付くことは出来なかったな。
浅瀬でこのサイズの穴を見つけられたってのは、一先ず成果として考えてもいいだろうが……問題はだ。
「この穴をはどうしたもんかね」
もし地中を通る水路だった場合は、水がなくなった後も魔物の移動用の通路に使われてしまうだろうし、ただの深い穴だった場合は、それはそれで何かの住処にされそうだし……無視するわけにもいかないよな。
だが、これを調べようにもその方法をどうするかだ。
照明の魔法を落としてもいいが、そうなると穴の中を覗き込む必要が出てくるし、いくら【風の衣】と【琥珀の盾】があるとはいえ、それは危険な気がする。
もちろん必要だったらちゃんとやるが……今やることではないよな。
「【ダンレムの糸】でここら辺を破壊しちゃえば、この穴が何だろうと関係ないんだけど……それは流石にうるさくなり過ぎるかな」
北の森の調査に同行していた時に、俺やジグハルトが同じような方法で地下水路を潰していたけれど、アレは……凄かった。
北の森では水路に沿って森が崩れていたし、もしここもそうなってしまったら、いくらこの辺に魔物がいないからって影響は甚大だろう。
この辺の魔物を束ねていた群れのボスはとりあえず倒しているから、組織立った大規模な襲撃は起きないにしても、奥の方の魔物までこっちに呼び込みかねない。
「破壊するのはなしだね……かといって無視するわけにもいかないし、これかな?」
ポーチを漁って燃焼玉を取り出した。
とりあえず、何個か穴に放り込んで発動させてしまえば、これがただの穴なら焼き切れるし、地下水路だとしても入り口周辺を一気に焼き払えるだろう。
「よいしょっと」
少し距離をとってから、穴目がけて燃焼玉を放り込んでいく。
そして、間もなく一気に炎が穴から吹き上がった。
「おっと……思ったより浅かったのかな? もう少し深い気もしたんだけど……」
とりあえず、地下水路じゃないみたいだし……炎が消えるまで見ておけば大丈夫かな?
俺は穴からさらに距離をとりつつ、念のため【影の剣】も発動していつでも戦闘に入れる準備をした。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




