2116
「一の森にも草原にも街道にも北の森にも……魔物の気配はなしと。この辺りならどう動いても魔物を警戒させることはないかな……?」
俺は地上にいる隊員たちと別れて、上空から周囲の様子を見て回っている。
当初の予定では街道の分岐点から開始するはずだったが……念のため手前から始めた方がいいんじゃないかって、同行した兵から意見が出たからだ。
初日からいきなり計画を変更することになるが……その気になればいくらでもペースを速めることは出来るし安全第一だ。
ってことで、良さそうなポイントを見つけたため、さらに俺が上空から見て回っていたんだが……ここならとりあえず問題が起きるようなことはないだろう。
「……オレはこの辺から入るから、皆も上手いこと広がって警戒しておいてね」
地上に下りて来て、上空からの様子を報告した俺はさらに隊員たちに指示を出すと、彼らは「了解」と即答した。
大分アバウトな指示になってしまったが……彼らもこの辺での活動経験は長いし大丈夫だろう。
それに、俺に遠慮するような隊員はほとんどいないし、無理ならそう言うはずだしな。
「んじゃー……後はよろしくー!」
問題なしと判断した俺は、隊員たちに手を振って別れを告げると、一の森に向かって飛んで行った。
◇
「うーぬぬぬぬぬ?」
一の森に入った俺は、まずは軽く浅瀬を飛んで回っているんだが……上空から確認した通り魔物の姿を見つけることは出来ないでいた。
それは覚悟していたことだし、むしろ魔物の痕跡を探すのに余計な気を使わずに済むから助かるくらいだ。
問題は……。
「街道も多少はぬかるんでたけど……それでももう大分乾いては来てたんだよね。でも、森の中は流石に無理か」
地面を見るとまだまだそこら中に水溜まりが残っていて、魔物の足跡を見つけることはできない。
木に体を擦りつけたりマーキングをして縄張りを主張するタイプなら、地面の状態とか関係無しに見つけることが出来るんだが……浅瀬をうろつくのはあんまりそういうタイプじゃないんだよな。
むしろ隠そうとするくらいだ。
地面から離れた位置の枝が折れていたりしたらすぐわかるが、この辺りにそこまでデカい魔物はいないし、とりあえずこの辺りで何か痕跡を見つけることは俺には出来ないだろうな。
「勘が働かないというわけじゃなくて……そもそも今の森がどんな状態なのかってよくわからないんだよね……」
【浮き玉】に乗っているから地面の具合はわからないし、【風の衣】を纏っているから気温も臭いもわからない。
俺にとっては屋敷の部屋だろうと森の中だろうとあんまり変わりはないんだ。
そんな状態で何かを探るってのはちょっと難しすぎるか。
「ふーむ……別に今日何かを見つけないといけないってわけじゃないけど……流石に何の異変も感じられないってのは問題なのかな?」
地面近くや少し上昇して枝近くを飛んで回っているが、何の変化も見つけられない。
別に目立つ異変がないわけだから、それが悪いってわけでもないんだが……あまりにも何もなさすぎて何の切っ掛けも見つからないってのはどうなんだろうな?
「……ちょっと色々解除してみようかな?」
【風の衣】に【琥珀の盾】と俺の守りが頑丈過ぎる可能性はある。
近くに魔物も獣もいない今なら、それらを解除して直接肌で感じてみるのも不可能じゃないし……やってみるか?
しばし迷ったが……二つを解除して落ちる防御の代わりに、アカメたちを出して警戒を高めることにした。
「まぁ……短時間ならね。よろしくね」
ヘビたちにそうお願いすると、俺はまずは森の上空に出る。
近くには魔物はおろか獣も鳥すらもいない。
「……周りの空にも木の中にも変なのはいないよね?」
念入りに周囲の様子を見て回り、何の危険もないことを確認すると、まずは【風の衣】を解除した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




