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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
8章・再び王都でアレコレと。
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「すっごい荒れてるね……」


もうすぐマーセナル領の領都に到着するが、川から海に出てしばらくはそう大したことは無かったのだが、どんどん波が高くなってきている。

サーファーでもいたら喜びそうな波だが、海に出てからもう何度も魔物と戦っている。

この世界じゃマリンスポーツは流行らないだろうな……。


「昼前に越えた灯台のあった岬があっただろう?あそこから潮の流れが変わるらしい。俺も本で読んで知識では知っていたが、見るのは初めてだな」


先程から2人で甲板に出て海を眺めているが、大波が絶えず押し寄せている。

ちょっとしたフェリー位はあるこの船だが、それでも流石に揺れている。


「ほーう……アレクは船酔い大丈夫?」


俺は浮いているから問題無いが、アレクはどうだろう?


「戦うには慣れがいるが、問題は無いな。船はほとんど乗ったことは無いが、荒れた路を馬車や馬で駆ける事はあったからな」


馬車での移動では大抵【隠れ家】に入っているから、あまり感じることは無かったが、街の外は舗装なんてされていないからな……。

確かに、船の揺れとは少し違うが三半規管は鍛えられそうな気がする。


「なるほどー……中の人達よりは慣れてるんだね」


船酔いになりながらもエリーシャ達を出迎える準備をしているセリアーナ達の事を考える。


……じーさんなら平気そうだけれど、あの人達は貴族で基本的に街の中にいるからな。

川を下っている時は平気そうだったけれど、この揺れはきついんだろう。


それでもしっかり出迎えようとするあたり頭が下がる思いでいっぱいだが、俺は部屋で待機だろうし、残念ながら分かち合えそうにないな。


残念だ!



「……ここいていいの?エリーシャ様達乗ってるんでしょ?」


【隠れ家】のいつもの指定席にいるセリアーナを見て、ついつい口に出してしまった。


この船には今もうエリーシャ達が乗り込んでいる。

夕方頃に港に着き、そこで乗船し挨拶やらをしていたのだが、すぐに解散になった。

てっきりそのまま歓迎のパーティーでも開くもんだと思っていたのだが、何も無し。


この船はサリオン家のだし、現時点での立場こそ親父さんの方が伯爵で上だが、エリーシャは王族で夫のエドガーは次期侯爵。

仲も悪くは無いはずなのに、随分あっさりしている。


「構わないわ。そうよね?エレナ」


「はい。何も問題はありません」


そしてエレナも一緒に【隠れ家】に入り込んでいる。


「……まぁ、ここは揺れないからね」


俺は別に構わないんだが……、本当に良いんだろうか?


そう思っているとそれが伝わったのか、セリアーナが笑いながらこちらに向け手をひらひら振っている。


「仕方がないわね……この事は他人に漏らさないように……。エリーシャ様も船に弱いそうなの。川ならそう問題は無いそうだけれど、この海はね……。私達もそうだし、慣れない者には無理もないのだけれど、サリオン家に嫁いだ以上はそうも言ってられないわ。船に乗る機会はそうそう無いでしょうけれど、制海権を握っているからこそのあの家ですものね。船員たちにもその事は極力隠しておきたいそうよ」


「ははぁ……」


何やら長く語っているが、要はエリーシャもダウンしているのか。


「数日もすればまた川に入るし、どうせ身内ばかりなのだしあまり形式ばった事を無理にしなくてもいいでしょう?それまでは各々自室に待機となったのよ」


「ぉぅ……そんな事になっとったのね」


「襲撃を避けるためにこのルートをとっただけで、そもそも王都でお嬢様の結婚式を行う事が第1の目的だからね。予定通りに進んだら一月以上余裕は出来るけれど、その間も準備などがあるしその為にもお嬢様は体調を崩す事無く王都に辿り着かないといけないからね……」


同じくエレナも長々と。

これはアレだな……気まずいんだろうな。


俺より一つ下のルシアナも船酔いでダウンしていたし、一応自分の結婚式がこの旅の理由だからな……。


「川に入ったらルシアナ様の相手したげなよ?」


「わかっているわ。お母様達はお前に任せるわよ」


図星だったのか顔を逸らしながらそう言って来た。



セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・【琥珀の剣】3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚

エレナ・【】・【緑の牙】・4枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ安全で速い移動手段といえば、セラというキャビンつきの航空機が一番なんだがwww すでに物資の移送には使ってるわけだし
[一言] 海の魔物からも聖貨出るのかな?
[一言] 船酔いはきつい
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