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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
2章・雇い主は、お嬢様
21/2030

19

朝も早くからエレナと共に冒険者ギルドにやってまいりました。


昨日の初探索。

怪我も無ければずっと浮いていただけだったし、結構余裕だったと思っていたのだが、何気に消耗していたようで、昼食の後、昼寝のつもりが朝までぐっすりだった。


おかげで無駄に元気だ!


「おうメイドの嬢ちゃん、今日はエレナと一緒か?」


昨日のことを覚えていたのだろうか?受付のごついおっさんが話しかけてきた。

我ながら少々目立つし仕方ないか。

エレナの事も領主令嬢付きって事もあって、知っているようだ。


「ええ。今日は私とです。昨日と同じで浅瀬を探索します」


エレナが探索届に記入がてらおっさんに応えている。

メンバーの人数と名前、所属先に目的エリアを書き込んでいる。

登山届みたいだなー、とのぞき込んでいたら書き終わったようだ。


「あいよ。大丈夫だろうが死んだりするなよ」


届を受け取ったおっさんは昨日と同じくそう言い、周りのいかついおっさん達も似た事を言ってくる。

それに「はいよ~」と手を振りながら気楽に答え、地下のダンジョン入口へ向かう。


昨日もそうだったが、割と親しげな雰囲気だ。

基本的に冒険者は14歳からだ。

見習として多少それより下の者も参加はできるらしいが、あまり認められないらしくほとんどいないそうだ。

どう見てもそれよりも小さい俺はもう少し煙たがられると思ったのだが、意外とそうでもなかった。


何でも国の決まりで領内の貴族の令息などは学校に通う前に少なくとも1度や2度はダンジョンの浅瀬で魔物との戦闘の経験を積むらしい。

いざという時に平民を守るため、武器を持って戦う必要があるからだ。

騎士や兵士もいるし、それこそ冒険者もいるが、やはりある程度戦えなければいけない。


そして、平民より力関係がはっきりと爵位で表されているため、子供とは言え上の命令は聞くよう躾けられている。

このダンジョン体験の一連の指示は王によるものだ。

ダンジョンに入る際には指導者の指示に従うよう言われているので、割と指示には従うそうだ。


一方平民の子供の場合は、冒険者という職自体が堅気とは言えない職で、やんちゃな子供が目指すそうで、指導者の言うことを聞かず、大体やらかすらしい。

その為ほとんど認められないようになったそうだ。


俺がセリアーナに引き取られていることは、知っている者は知っているようで、なんとなく貴族側のくくりで扱われているようだ。


「悪いようにはならない」と最初言われたが、むしろ特別扱いしてもらっている気がする。

ありがたや。



「それじゃあ行こうか。【浮き玉】を出してちょうだい」


ダンジョンに入り、エレナの指示で【浮き玉】を出し、乗る。


一応外での【浮き玉】の使用は控えるように言われている。


ガチャに聖貨が10枚必要な事は何となく知られている。

領主側としては、平民に変に貯めこまれたりして聖貨が入ってこないことが困るし、それに平民にしても無理に10枚貯めて、ガチャに使った挙句出てきたのが外れでは大損だし、万が一泥棒にでも入られようものならシャレにならない。

聖貨はすぐ換金されているらしい。


ただ、加護や恩恵品の詳細は平民にはほとんど知られていない。

もちろん所有者制限についてもだ。

その為か、流石に貴族相手には無いが、稀に恩恵品を持った相手への襲撃があったりする。

その場合は反撃で襲撃者の命を取っても構わないそうだが、如何せん俺の場合戦闘能力がどれほどかわからず、念の為だ。


別に外に用事があるわけではないけれど、移動が全部歩きは結構きつい。

今は無くても今後外に出ることがあるかもしれない。

ここである程度力を見せれば外での使用の許可も下りるし、頑張らねば!

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