2074
部屋に戻ってセリアーナに報告をしてからしばらくの間は、セリアーナとエレナは街から届く彼女たち宛の手紙などを処理していた。
もちろん俺宛の手紙も結構な量があって、ソファーに寝転がりながら中身に目を通している。
ちなみに手紙の内容は、雨季明けの俺への面会申請がほとんどだ。
面会がメイン……というよりは、自分たちの客への施療の依頼だな。
今年は俺が訪問客との面会を例年よりも極端に減らすって情報が、街の者の間でも徐々に知られてきているし、自分たちが入り込む余裕があるかも……って考えたのかもな。
面倒だな……とは思うが、ちゃんと正規の手順を踏んでいるし別に不快に感じるほどではない。
まぁ……面倒ではあるんだけどな!!
普段は返事はテレサに任せて俺はサインを書くだけなんだが……今は彼女は忙しいし、今回の分は用意されているテンプレートを使うことになるだろう。
自分で書け……って正論は一先ず置いておくとして、テレサが忙しい時はどうしても返事が滞ってしまう。
今回は時間がそこまで猶予があるわけじゃないってのと、そこまで返事に気を使う相手じゃないことからテンプレートで済ませるが、いつもそういうわけにはいかない。
この状況をどうにかするには……。
「やっぱ人がいるね……」
その呟きがセリアーナにも聞こえたのか、「どうかしたの?」と、声をかけてきた。
「テレサの他にもオレの補佐をしてくれる人がいるなって思ったんだ」
使用人たちもいるが、特に隠すようなことでもない。
何を考えていたのか伝えると、セリアーナが「フッ」と笑った。
「ああ……この間もそんなことを言っていたわね。……でも、お前の補佐は難しいわよ?」
そのセリアーナの言葉にエレナも続けてくる。
「君は一つの役職についているわけじゃないからね。今はテレサに任せているけれど、全てをこなせる彼女はある意味異常だよ」
「テレサは何でも出来るもんね。でも……エレナもオレから見たら何でも出来る人だけど、違うの?」
エレナは今は領主夫人の補佐と騎士団の二番隊隊長の補佐と、彼女自身の仕事をこなしている。
全部バラバラの役割なのに破綻させずに全うしているわけだし、エレナなら出来そうな気はする。
もちろん、これだけ忙しいエレナに任せるようなことはないが……テレサはともかく、エレナみたいな人なら探せば見つけられるんじゃないかな?
そう思ったんだが、エレナは首を横に振っている。
どうやらエレナでも難しいようだ。
「一つ一つなら可能だけれど、君は複数の仕事を一度に引き受けるからね。それについて行くのは簡単じゃないよ」
「そうね。真面目にお前の補佐を考えるのなら、やはりそれぞれの役職ごとに分けて探す必要があるわね」
「私程度の代わりなら広く探せば見つけることは可能だけれど、その複数の仕事を全てカバー出来るテレサの代わりは無理でしょうね」
二人の会話を聞いて、俺は確かにそうだな……と頷いた。
「でも、そうなるとセリア様が言うように複数の人に任せることになるけど、それもそれで難しそうだね……」
もし仮に俺が男だとしたら別に大した問題はないんだが、如何せん俺は女だ。
そして、セリアーナに普段から引っ付いているから、どうしても一番多くいる場所はこの部屋になる。
複数の補佐を用意しても俺が就いている複数の役職を考えると、バラバラで情報が共有されなかったら上手く回らなくなるだろう。
俺を含めて全員が集まってちゃんと情報の擦り合わせをしなければいけないんだが……そのためにはその補佐役がここに集まれないと厳しいだろう。
それらを考えると、能力は当然として……身元が確かで、領地の上位層のお偉いさんたちと対等に話せて、それでいて全員が女性だってことが必要になる。
……改めて考えてみるが、そんな人簡単に見つからないよな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




