2024
使用人たちに頼んだ部屋の片づけが済むと、彼女たちは俺の朝食の用意もしてくれた。
パパっと食べ終えてそれも片付けてもらいながら、「起きてこないなー……」と寝室を見て考えていたところ、部屋のドアがノックされた。
「お早うございます。……まだセリア様はお休みですか?」
部屋にやって来たのはテレサだった。
彼女はまずは部屋の様子を確認すると、セリアーナの姿が無いことに気付いたらしい。
それだけなら出かけている……って可能性もあるんだが、俺がソファーで寛いでいるしな。
それならまだ起きていない……って考えたんだろう。
正解だ。
「寝室でまだ寝てるよ。昨晩はオレが寝た後だけど、テレサは部屋に来たのかな?」
こちらに向かってきたテレサは、俺の言葉に「はい」と頷くと向かいに腰を下ろした。
「昨晩はエレナが屋敷に戻っていましたので、少々遅くになってしまいましたが代わりに私が。セリア様とフィオーラ殿が二人で話をされていたので私も軽く付き合いました。その後は片付けておきたい用事があったので、お先に失礼しました」
「……酔っぱらってた?」
俺がそう訊ねると、テレサは不思議そうな顔で「いいえ」と首を横に振った。
「お二人ともお酒は飲んでいましたが、そこまで量は過ぎていませんでした。まさかセリア様は……?」
俺の言いたいことが伝わったようで、テレサは寝室のドアに顔を向けた。
「セリア様だけじゃなくてフィオさんも一緒だよ。顔色は悪くなかったけどお酒の臭いはしていたし、こっちの部屋も昨晩のままだったね」
「……それで姫が彼女たちに片付けさせたのですね。少なくとも私が退席する前はさほど酔っているようには見えなかったのですが、何かあったのでしょうか?」
テレサは俺の話しを聞いて、自分が部屋を出てから何が……と困惑している。
自分がいた時は何ともなかったのに、部屋はほったらかしで、さらにセリアーナとフィオーラが寝室で一緒に寝てる……とか言われたらわけわからないよな。
だが。
「部屋も荒れていたわけじゃないし、テレサが気にすることはないよ。話してて盛り上がっちゃったんじゃない?」
テレサは「そうでしょうか……」と寝室を気にしているが、あんまり考えすぎなくてもいいと思う。
そのうち起きてくるだろうし、それから二人に聞いたらいいだろう。
「それより、テレサは今日はどうしたの? セリア様に何か用事でもあった?」
「用事というほどではありませんが、私の主な仕事は片付いたのでこちらをお手伝いしようかと思いました。雨季明けからはご一緒する機会も増えるでしょうからね」
面会予定が確定している者はまだ少ないが、それでもセリアーナは雨季が明けてから忙しくなるし、エレナと一緒にその補佐をすることになっていて、今日彼女が朝から部屋に来たのはそのための準備のつもりだったらしい。
……まさか、酔って寝ているとは思わなかったんだろう。
テレサは俺が気にしなくていいと言っても、まだ寝室の方を気にしている。
俺が大丈夫と言っている以上は就寝中の寝室に踏み込むわけにはいかないし、このままこっちにいるんだろうが、この分だとセリアーナたちが起きてくるまではテレサも気が落ち着かないだろう。
心配性だな……と思うが、昨晩二人と話していたテレサからしたら仕方がないか。
とりあえず。
「起きてきたら二人に施療を行うから大丈夫だよ」
二人の心配は必要ないと伝えると、彼女は苦笑しながら「そうですね」と答えた。
滅多に活用する機会は無いが、【祈り】と【ミラの祝福】は二日酔いにも効くからな。
まぁ……二日酔い対策どころか、普段のまともな施療自体最近行っていないからちょっと何度か試行する必要があるだろうが、別に失敗しても体に悪いことはないし……。
「……そうだ。ちょっと慣らしも兼ねてテレサにやったげよう!」
俺はポンと手を打つと、返事を待たずに彼女の背後に移動した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚