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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
25章・久々のリアーナ
2024/2037

2019

 時折俺やオーギュストが口を挟むことはあったが、一先ず二人の報告を優先させて終わらせることにした。


 と言っても、事前に送られてきた報告書があるし、そもそも定期的に向こうの情報は入ってきていたから、さほど時間はかからなかった。


 街の外の任務だから、主にアレクが報告を担当していたから……ってこともあるかもしれない。


 オーギュスト相手にもラフな口調でサクサクと進めていっていたからな。


「北の拠点周辺の様子はこんなもんだ。……リック、他にあるか?」


 一通り話し終えたアレクは、隣に座るリックに話したいことはあるかと訊ねるが、彼は「いや」と首を横に振った。


「私が調べていた範囲に関しては目新しい発見はなかったし、周辺拠点の住民たちとの交渉状況についても随時報告はしていたからな」


「おお……流石だな……」


 俺は調査隊から届く報告書を読んだりはしていないので、どんなことを書いていたのかはわからないが……二人の報告書には大分差がありそうだな。


 俺が知る限りアレクはこういう仕事で手を抜くタイプじゃないんだが、それでもリックほどの細かさはなかったんだろう。


 少々気まずそうにしながら、アレクは話を続けた。


「ま……まあ、結局は問題らしい問題と言えば、一の森の魔物が移動している気配があるってことぐらいだが、それだって今打てる手は打てているしな」


 そのアレクの言葉に、オーギュストが苦笑しながら頷いている。


「アレでも十分過ぎる内容だったぞ? お陰で執務室に上げる報告書も簡単に仕上げられる」


「それはよかった……。で? 次は街側の状況だが……俺たちも交代要員からその都度簡単には報告を受けているし、ある程度は把握出来ているつもりだ。何か問題でもあったのか?」


「そうですね。先程のセラ副長の件は初耳ですが……それに関することでしょうか?」


 そう言うと、リックはこちらを睨んで来る。


「……多分オレは関係無いと思うんだけどね?」


 これ以上オーギュストが何を話すのか、俺もよく分かっていないしハッキリと断言出来ることではないが……そう言うと、オーギュストが「そうだな」と二人に向かって話し始めた。


「セラ副長が直接関係していることではない。……お前たちが滞在していた北の拠点から一の森の様子は見えたな? 監視は続けていたんだろう?」


「ああ。深くまでは無理だが、浅瀬の様子はある程度は拠点の櫓からでも見えていたし、拠点に残っている者が常に監視をしていた」


「魔物の移動に気付けたのもそのためです。それ以外にもなにか気になることが?」


 北の拠点は街道の分かれ道を西側に入ったところに場所に作られている。


 そのため一の森とは直接面しているわけじゃない。


 それでも、ちゃんと一の森が見える高さに監視の櫓を建てているし、二人が言うように一の森の様子は把握出来ているんだろう。


「北の拠点から見える範囲内で、魔物が南に移動していたかどうかわかるか? 一の森、北の森、それ以外でも構わない」


 オーギュストの言葉に、二人は「?」と顔を見合わせている。


「その様子ではなさそうだな?」


 オーギュストの言葉に二人はまた顔を見合わせる、互いに心当たりがあるかどうかを目で探っているが……。


「……俺たちが直接監視に当たっていたわけではないが……少なくとも南に移動する魔物の群れは見ていないな。少数の群れや単独で……となるとどうかな?」


「少数だろうと普段いる場所から大きく移動すれば、他所の縄張りの魔物とぶつかるはずだし監視を続けている者が気付くはずだ。違うか?」


「違わないな。……そういうことだが、何かあるのか?」


「こちら側に魔物が動いて来た理由は、北側で大規模な魔物の群れとの戦闘があったから……と考えている。恐らくそれで間違いないはずだが、もし違った場合を考えるとな」


「北側で何かが起きて、それで魔物の位置が南にずれた……って可能性だな? まあ……それは無いはずだぞ」


 アレクがそう言うと、オーギュストは「ああ」と大きく頷いた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
大丈夫だとは思うけど……ねぇ?
流石に何かしら居るならわかるだろうからね
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