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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
25章・久々のリアーナ
2021/2036

2016

 さて、一階に上がって来た俺たちは奥の団長室に向かおうとしたんだが、その前に一旦足を止めてホールの方を廊下から眺めてみた。


 地下は特に変わりはなかったが、流石に一階は忙しそうにしている人が多く目についた。


 普段は各部屋で仕事をしている事務方だが、彼らが帰還した兵たちの対応をするんだろう。


「事務方の仕切りですし、この分だとすぐに商人ギルドからも人が来るでしょうね」


「武具の整備とか必要だし、一括で任せる方が楽だもんね」


「ええ。ですが、そうなるとこちらにも外部の者が増えてくるはずです。隊長たちも帰還早々に大変でしょうね」


「だろうねぇ……」


 ホールの様子を眺めながら笑っていたが、何時までもここでのんびりしていられない。


 向こうが騒がしくなるなら尚更だ。


 俺たちはさっさと団長室に向かうことにした。


 ◇


 オーギュストの部屋の前まで行くと、中に伝えることなく警備の兵がドアを開けた。


 まぁ……元々俺はオーギュストに呼ばれたから来たわけだし、俺が来たら開けるようにとでも言われていたんだろう。


「来ましたよー」


 俺が中に向かってそう言いながら入っていくと、隣の彼はその場で足を止めて一礼して口を開いた。


「お疲れさまです。セラ副長をお連れしました」


 俺たちの声にオーギュストは顔を上げるとこちらに顔を向けた。


「ご苦労。セラ副長もわざわざ済まない……訓練所にいたのか?」


 そして俺の恰好を見て首を傾げている。


 ここ最近は部屋に引き籠っていたから、今日に限って訓練所にいたことが不思議だったんだろうが……たまたまだしな。


 俺は気にせず返事をした。


「そうそう。今日は訓練所にいたんだ。んで、そこで呼ばれたから来ましたよ」


 大した理由は無いとわかったオーギュストは「そうか……」と頷くと、ここまで同行してきた彼に下がるよう言った。


 彼の今日の任務は屋敷の警備だからってこともあるが……。


「それではセラ副長、私はこれで失礼します」


「うん。あぁ……セリア様にオレはこっちに来てるって伝えといて」


「わかりました。南館の警備にそう伝えます。それでは……」


 彼はそう言うと、挨拶もそこそこにすぐに下がって行った。


 彼もこの部屋の雰囲気を察したんだろうな。


 俺は「よいしょ」と重いドアを閉めると、オーギュストの机の前に飛んで行く。


「他の人は?」


 部屋の中はその日の状況によってメンバーは変わるが、オーギュストの補佐以外にも一人か二人は文官がいて、ここで一緒に仕事をしている。


 だが、今日は文官どころか補佐すらいない。


 先程のホールの様子を見ると忙しいのはわかるんだが……それでも一人くらいはここに置く余裕はあるはずだ。


 俺がジッとオーギュストを見ていると、彼は肩を竦めながら席に着いて、机の上に広げられている書類の中から一枚取り上げた。


「帰還の先触れにリック隊長が報告書を持たせていた。コレだ」


「ふぬ?」


 俺はソレを受け取ると、記された文字を読んでいく。


「……拠点に近づく魔物は一掃したし、住処っぽいのも潰して回ったし、ついでに荒れた森の修復も簡単にだけは終えたと。オレが別れてからも頑張ってるねー……そりゃリック君も戻って来れないよ」


 本来は北の拠点周りの調査だけだったんだが、何だかんだで色々問題が発覚して、その対処にアレクたちはずっとかかりきりになっていた。


 リックや交代要員を送り込んだり色々やってはいるものの、本格的な作業は雨季明けに……って予定だったはずなんだが、この分なら作業期間を大分短縮出来るんじゃないだろうか?


「予定が早まるのはいいことなんじゃ……次があるの?」


 首を傾げていると、オーギュストはまたもう一枚渡してきて、さらに内容を口にした。


「一の森の魔物が北の森に縄張りを移そうとする動きがあるようだ。所詮は浅瀬ですら維持出来ない程度の魔物だが……気を抜くことは出来ない」

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
リック君はかなりの働き者、いつでもどこでも大活躍! セラさんの注目株になってます♪
一時的にでも縄張り変えられると影響が大きいから困るね
大変よなぁ
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