2007
昨日は朝から任務で一の森に向かっては、部隊での集団行動に後方待機とおよそ俺向きではない行動を行い、最終的に単独行動からの戦闘と調査を行って……帰ってきたら冒険者ギルドで慣れない説明役をしたり……色々疲れる一日だった。
もっとも、今年の雨季から記念祭までの間のスケジュールも大体把握出来たし、仕事はいくつかは決まっているが大分好きに出来そうなことも分かった。
その分、雨季明け早々はスケジュールが詰まっているし、忙しくなりそうではあるが……割と俺が得意なタイプの任務になるだろうし、久々に単独で好きに動けるだろうから実はちょっと楽しみにしている。
細かい準備は必要になるが、それは例によって周りに丸投げして、俺は今からコンディションを整えておかないとな!
俺は朝からそう気合いを入れていた。
さて、朝食が済んでしばらくすると、部屋のドアがノックされた。
使用人がすぐにそちらに向かうが、セリアーナが特に何の反応もしなかったところから、恐らくエレナかテレサかフィオーラか……その辺りだろう。
俺は部屋に入って来る者が誰かは気にせず、そのまま過ごしているとドアが開いてエレナが中に入ってきた。
セリアーナの前に出られる恰好ではあるが、正装というには大分ラフな姿だし来客がある……って感じじゃなさそうだな。
机で何やら書き物をしているセリアーナの前に歩いて行くエレナを見ながら、俺はそんなことを考えていた。
「お早うございます。昨日で一通り私の面会予定は消化し終えました。今日からまたこちらに参ります」
「アレクがいないから貴女も忙しかったものね。お母様の付き添いもあったし……ご苦労様。私の方はもう大半が片付いているし、しばらくは余裕があるはずよ。貴女も折角だからゆっくりしておきなさい」
セリアーナの労いの言葉に、エレナは肩を解すような仕草を見せた。
「ありがとうございます。……ここ最近はリアーナの貴族としての振る舞いに慣れていたものですから久しぶりでしたね」
エレナが言っているのはミネアさんの付き添いの件だろう。
彼女は元々セリアーナの側近だったし実家も騎士爵だ。
それなりに名の知れた女性冒険者でもあったことから、社交界に同行することもあって、ちゃんとした振る舞いをしていたが……それはあくまで伯爵家長女の付き添いとしてだ。
さらに、セリアーナが結婚して公爵夫人という身分になっても、ド辺境に新設された領地でまだまだそんな畏まった振る舞いを求められるほどではなかった。
時折俺も彼女たちが人と会う場に同席することもあったが、確かに緊張感は感じられなかった。
むしろ、旧ゼルキス領の一員として砕けた接し方の方が好まれていたくらいだ。
俺が同席したわけじゃないし、ミネアさんに付き合ってどんな風な接し方をしていたのかはわからないが……普段キッチリしているエレナがこうなるんだし、やはりウチと他所では大分違っているんだろう。
しかし……リアーナでも変わらずセリアーナの側近を務めているんだし、いつでも即仕事に移ることが出来る俺を見習ってほしいものだ。
そんなことを考えながら、セリアーナに挨拶をしてからいつものソファーに向かって来るエレナを見ていると、彼女は「クッ」と笑いをこらえながらセリアーナに振り返った。
「まあ……セラも昨日は忙しかったから、今日は好きにさせているのよ」
エレナはその言葉に「そうですか……」と呟くと、何か言いたげな様子でこちらを見ている。
「何?」
言いたいことがあるなら聞くよ……とエレナを見上げると、彼女は溜め息を吐きながら口を開いた。
「君にとってそれは立派な訓練なのかもしれないけれど……人であることを忘れてはいけないよ?」
そう言いながら近づいてくると、床に敷いたマットの上で体を伸ばして、尻尾で持ち上げた本を読んでいる俺を抱え上げた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




