2006
俺を補佐する者たちをある意味領地を挙げて本気で探す……という仕事が、今年の記念祭の裏で行われることがわかった。
他国の人間も巻き込む上に、人員の選別にはウチだけじゃなくて、状況次第ではお隣のミュラー家の力も借りることにもなりそうだし、中々大掛かりなことになりそうだ。
もっとも、そのデカいことに俺が関わることはなさそうなのが何と言っていいのやら。
まぁ……商業ギルドがメインで動くことになりそうだし、仕方がないか。
一応俺の部下って立ち位置になるんだろうが、今回は面倒な事務仕事を肩代わりしたりする人間を探すことになるし、そう言うことなら彼らに任せる方が何かと都合がいいだろうしな。
だが、そうなると……だ。
「オレってこの間何してたらいいんだろう? 好きにしてていいの?」
元々雨季明けから俺が自由に動ける時間に余裕がないと思っていたから、一の森の北側の件は一気に片付けてしまうつもりだったんだが……どうも事情が変わってきそうだ。
ここ最近の一の森の戦闘では、気を付けていても森の外まで影響が出てしまうようなことも多かったし、
「リーゼルには今年はお前は休ませると言ったけれど……ゼルキス領とミュラー家と係わりがある者には会っておいた方がいいわね」
「……それはそうだね」
リセリア家に居ついているとはいえ、俺は一応はミュラーさんちの人間だ。
今回の件でも向こうにはお世話になるだろうし、力になれることがあるのなら余程無茶なことでもなければ、これまで通り引き受けるつもりでいる。
「ゼルキスからウチに来る者はちゃんと通達が来ているし、予定もわかっているから安心しなさい。来月半ば頃に船で訪れるわ。とりあえずそれまでは好きにしていていいわよ」
「ふぬ……」
結構アバウトだな。
俺は意見を求めるためにテレサを見ると、彼女は「はい」と頷いて話を始めた。
「姫が気にされているのは北に逃げた魔物の件ですね? 街道を使って領都を目指す者がこの時期は増えますが、雨季が明けてすぐ……というわけではありません。街道や領地の巡回を騎士団がすぐに行いますし、そのタイミングと合わせてみてはいかがでしょうか?」
「巡回のタイミングね……それならちょっと派手にやっても何とかなるかな?」
かりに一の森の浅瀬付近で戦闘が起きたとして、直接草原や街道を破壊するようなことはなくても、魔物を外に追い出してしまう可能性はどれだけ気を付けてもゼロではない。
そうなると街道を利用する者にも影響が出てしまうし、それを避けるためには時期を後ろにずらした方がいいと思ったんだが、巡回の兵たちと連携が取れるのなら話は別だ。
「街道や周囲の補修も役割ですからね。今回は私は関わっていないので人員までは把握出来ていませんが、誰が組まれても問題なく務められるでしょう」
「そっか……それなら予定通り雨季明けにちょっと行ってみようかな。予定が何もないのなら長時間の探索も出来るだろうしね……」
「奥があるお前なら問題はないでしょうけれど……野営は避けておきなさい。北の拠点……に行くのも街に戻ってくるのも大差ないわね。ちゃんと帰ってくるように」
【隠れ家】を使えば一の森だろうがどこだろうが野営は問題ないんだが、そのことを知らない者からしたら、何かあって俺が森から帰ってこれなかったと勘違いされかねない。
一々森から出るのも面倒ではあるが必要な手間ではある。
それならどうせ数十分程度の差しかないし、領都に帰還してもいいだろう。
俺は「了解」と返事をすると、一つ大きな欠伸をした。
頭を使うのが面倒だとか言っておきながら、何だかんだで今日は朝からずっと頭も使っていたしな。
壁の時計を見ると少々早くはあるが……いい時間だ。
セリアーナに視線を送ると、俺が何を言おうとしているのかわかっているようで苦笑しているが……気にせず口を開く。
「疲れてきたし、今日は先に休ませてもらうよ。細かいことは明日からでも大丈夫だよね?」
「ええ。今日は一日ご苦労だったわね。ゆっくり休みなさい」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚