1996
北街の西の端側までやって来た俺たちは、地上に下りることにした。
「セラ副長……それにフィオーラ様も!? どうかされましたか?」
丁度近くを巡回していた兵たちが慌てて駆け寄ってきたが、とりあえず何も無いとだけ伝えると、こちら側の様子を彼らから聞かせてもらうことにした。
「ご苦労様。ちょっとオレたちも街の様子を見てるんだ。さっきは東街の方の水路とか見て来たんだけど……こっちは何か変わったこととかあるかな?」
フィオーラが一緒なのは珍しいが、俺は時折一人で夜に街に出ることもあるし、その説明で納得出来たのか、班員同士で一瞬顔を見合わせると「ああ……」と笑っている。
「先日の北街の東側……外国人の居住区の件以来こちら側も巡回の頻度を増やしていますが……今晩だけでなく、問題は起きていません。それと……お二人が見ているのは水路ですか? 街壁の外に流れる排水口近くは水かさが増えていましたが、溢れるほどではありませんでした」
「排水口近くはこの時期は特に気を付けていますからね。定期的に清掃を行っています」
俺の言葉から水路の様子を見に来たと考えたのか、説明をしてくれた。
本当はそれが本命ってわけじゃないんだが……状況がわかるし助かることは助かる。
「ふむふむ……ありがとー。一応オレたちも行って見ておくよ」
そう言って出発しようとしたが、飛び立つ前に背後から彼らが声をかけてきた。
「お二人なら問題はないと思いますが、水路が氾濫していないとはいえ、水が跳ねたりしています。地面の状態もあまりよくないので気を付けて下さい」
足場はもちろんだが【風の衣】もあるし汚れ対策も万全なんだが、彼らは【風の衣】のことは知らないのかな?
それならそれで敢えて教える必要もないか。
「まぁ……浮いてるしね。でも、わかったよ。ありがとー」
「巡回中に足止めしてごめんなさいね」
彼らに挨拶をして、今度こそこの場を離れることにした。
◇
兵たちと別れて移動を再開した俺たちは、北街の西側の隅にある排水口の側までやって来た。
排水口には水路から音を立てながら水が流れ込んでいる。
この水が街の外にある処理施設に送り込まれているんだが……。
「……ここってこんなんだったっけ?」
昔俺が見た時は、水路よりも深く掘られてはいるものの、普通に壁に穴が開いているだけだったんだが、今は小さな水門のような物が手前に作られていて、ある程度水量をコントロール出来るようになっていた。
これなら排水口が詰まるようなこともないだろうし、街に水が溢れる可能性も抑えられるだろう。
排水口を眺めて首を傾げていると、フィオーラが「そう言えば……」と呟きながら照明の魔法を数発放った。
水路の中と街壁周辺が照らされて、周囲の様子がよく見える。
「他のところに比べると新しいね。最近作られたのかな……?」
「春頃……丁度貴女が王都に行っている頃ね。街の整備の一環で各所を改修するとかテレサが言っていたわね。貴女がいないと直接騎士団と関わる機会が無いから忘れていたわ」
「なるほどねぇ……まぁ、ゴミが詰まってる様子も水が溢れている様子もないし、これなら東街のようなことはないかな?」
この一画だけしか見ていないが、水の勢いは強いしどこにも詰まっているような箇所は見当たらない。
これなら魔力や薬品がこちらにまで流れ込んできていたとしても、一気に外の排水されているだろう。
「そうね。目的は街の衛生環境の向上でしょうけれど……安全にも役立っていたわね」
「本当だね。んじゃ……こっちももう問題無しってことかな?」
「ええ。水路から溢れて街に広がっているようなら、この辺りは魔物の素材を扱う工房が多いから、薬品と合わさって何か悪影響でも……と思ったんだけれど、まあ……無いわね」
今まで何も問題が起きていなかった以上、喋りながら苦笑しているし、フィオーラ自身もそんな心配はないと思っているんだろうが、それでも念のためだしいい機会だ。
「色々気になるポイントを見て回れたしいいんじゃない? それじゃー、後は外だけだね」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




