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明日からの更新について、活動報告に投稿しています。
読んで!
「熱は下がっているね」
近寄ってきたエレナが額に手を当て、そう言った。
「うん。ちょっと疲れただけだよ。それは……地図?」
皆が囲んでいるテーブルを見ると地図が広げられている。
それも街や領内のではなく、森のだ。
「ああ。今開拓を進めている一帯のだな。倒した魔物の数は聞いたか?あれだけ倒せば流石に一時はこの周辺が空白になる。昨日今日とで一気に終わらせたんだ」
「走り回るのは若いのに任せたかったんだがな……」
アレクと一緒にジグハルトも行ったのか。
一晩中戦ってたのに、ご苦労な事だ……。
「何かわかったの?」
数が多いとはセリアーナも言っていたが、俺にはそれくらいしかわからん。
「失礼します。お食事の用意が出来ました」
俺の問いに答えようとアレクが口を開きかけたが、ノックと共に入ってきたメイドさんに遮られた。
「続きは向こうでしましょう。セラ、お前も来なさい」
「ぬ?」
俺も食堂に?
と疑問に思い思わず声が漏れるが、セリアーナはそれを無視してさっさと立ち上がり部屋を出て行った。
◇
この屋敷には本館に食堂が第1から第3まである。
第1は第1会議室と同じくらいの広い大部屋で、大勢の人間が集まった時に使われる。
らしい。
掃除の手伝いで出入りする事はあったが、俺がこの屋敷に来てからまだ一度も使われていないので、どんな感じなのかよくわからない。
第2は中部屋。
10数人で利用する事を想定した楕円型のテーブルが1台置いてあって、ちょっとした会食なんかにも使われている。
ここは週に2-3度の頻度で使われている。
第3は部屋の広さこそ変わらないが、少数での利用を想定していて、主にセリアーナとリーゼルが2人で食事をする際に使われる。
利用度で言えばここが一番多い。
それ以外、例えば俺達と一緒に食事をとる時等は自室を使っている。
そして今いるのは第2食堂。
中で待っていたのはリーゼルにオーギュストとルバンそれに知らないおっさんだ。
「待たせたかしら。ごめんなさいね?」
「いや、僕達は本館にいたからね。気にしないでくれ。……セラ君もいるのか。もう体はいいのかな?」
全く悪びれていないセリアーナを笑顔で迎えている。
俺の様子を聞いてくるあたり体調を崩していた事を知っていたらしい。
それにしても……この屋敷での俺の立ち位置ってどうなってんだ?
「あ、はい。もう大丈夫です」
「この娘も同席させるわ」
「わかった。用意させよう」
そう言い部屋にいた使用人に指示を出した。
アレクはルバン達と話をしているし、ここで話の続きをするのかな?
◇
肉肉たまに野菜そしてまたお肉。
晩餐はこんなメニューだった。
病み上がりにはなかなかヘビー。
食堂の隣にある談話室。
そこのソファーでセリアーナの膝を枕に膨れた腹を抱え横になっている。
量は少なめにしてもらったんだが……動けねぇ。
「大丈夫?」
「なんとか……」
「……私の半分程度の量なのに、病み上がりを抜きにしてもお前は普段から食べる量が少ないのよ。ちゃんと食べないと大きくならないわよ?」
「ごもっとも……」
普通に説教をされているが、病み上がりかつ寝起きの俺を連れてきた自覚があるのか、口調にとげは無い。
そして、そんな俺達を見て驚いているルバン達3人。
割とよくある光景なのだが、彼等からしたらそうでは無いんだろう。
ルバンやオーギュストも、ここまで砕けた接し方をしているとは思っていなかったようだ。
特に初対面のおっさん。
ウェイブ・カレントというそうだが彼は一際驚いている。
遠縁だが、ミュラー家に連なる家の者で、セリアーナの事も幼いころから知っているそうだ。
口を開け閉めしたり手を上げ下げしたりと、落ち着きがない。
大方俺を窘めるかどうするかで迷っているんだろう。
このおっさんは北拠点の指導者で正式に街となったら代官になる。
ルバンの同僚の様なもので、ともに今回の件の報告に呼び出されたらしい。
まぁ、既に受けているのと大差は無く、彼らの質問に答える事の方が多かった。
拠点としてそれなりに機能は有していても、やはりこのルトルに依存しているから、不安だったんだろう。
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・7枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚
エレナ・【】・【緑の牙】・3枚
アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚