1839
ダンジョンから帰還した俺は、まずは冒険者ギルドの一階に向かった。
出来ればカーンがいると良かったんだが、残念ながら今日は彼はずっと執務室の方に詰めているそうだ。
ギルド付きの専属冒険者の件で、領主側の支援等で話し合わなければいけないらしい。
リーゼルたちもその件に関しては前向きだし、恐らく採用されるだろうけれど、だからこそちゃんと細かいところまで決める必要があるんだろう。
ともあれ、カーンがいないのは仕方が無いってことで、俺はダンジョンの視察の報告を職員たちに行うことにした。
「お疲れさまー」
「セラ副長? お疲れさまです。ダンジョンの視察はもういいんですか?」
「うん。大体見て回ったからね。それで……支部長はいないんだよね? 一応報告しておきたいことがあるから、奥の会議室に簡単なのでいいからダンジョンの地図持って来てよ」
「ダンジョンの地図ですか? わかりました」
俺は彼に「お願いー」と言って、奥の会議室に向かった。
◇
会議室の中に入って待つことしばし。
先程地図を頼んだ職員が地図の他にも色々持って、さらに数人の職員も連れて部屋に入ってきた。
そして、「お待たせしました」と言いながら机の上に地図を広げ始めた。
「セラ副長、こちらが今ウチの職員が使っている地図になりますが……他にもっと正確な物もありますよ?」
その地図は、彼が言う通り浅瀬と上層の様子が簡単に描かれた程度のシンプルな物だった。
依頼の際に依頼主や引き受ける冒険者への説明で使ったりする物だな。
「いや、大体のダンジョンの構図がわかればいいし、それで十分だよ」
他には、休憩所の位置だったり現れる魔物の種類だったりが記された地図もあるが、今からする説明にそこまでの精度は必要ない。
俺はこれで十分と言うと、同じく用意されていたペンを手に取って地図の上にアレコレとラインを引いて行った。
「それは……何でしょうか? 上層の狩りのルートか何かですか?」
「そうそう。それに近いね。今日の視察で話した冒険者たちの移動ルートだね」
そう話しながら、俺は何本もラインを引いて行く。
その地図を見ながら職員たちが、「ほう……」と頷いている。
自分で描いていてなんだが、こうやって見ると上層で狩りに利用されている人気のエリアがよくわかる。
「壁沿いに左回りに移動していますね。確かにそのルートが良く利用されているのは知っていましたが……」
「右端までいって狩りをする者はほとんどいないようですね。休憩所もあるし空いているのに……」
「そうなんだよね。横断して右端まで行くパーティーは少ないみたいだよ。そこまでいく前に、先に進むか引き返すか……どっちかを選ぶことがほとんどだって、休憩所の兵たちが話してた……っと、こんなもんかな?」
冒険者の移動しているルートや、どのあたりで狩りをしているか……完璧とは言わないが、とりあえずこれを見たら十分把握出来るだろう。
「それでさ……」
俺は地図を前に、改めて今日のダンジョンでの出来事や、その帰りに会った騎士団の兵たちとの会話を説明することにした。
◇
ひとしきり話をしたところで職員たちの反応を待っていると、一人が手を挙げた。
「ダンジョンの説明をする際にこのことも伝えればいいんでしょうか?」
「そうだね……それくらいでいいと思うよ」
俺は彼の言葉に頷いた。
ダンジョンでの稼ぎの効率だけを考えるなら、もっと他にも方法はある。
例えば……。
「浅瀬にはまたいずれ休憩所を設置するでしょうし、上層への通路の手前に用意して、そこで上層に向かう者たちに状況を伝えたりしてはどうでしょうか?」
丁度俺が考えていたことを別の職員が口にした。
ようはダンジョン内の案内役みたいなものだ。
上層向け限定になってしまうが、ある程度上層の狩場の混雑具合をコントロール出来るようになるかもしれない。
いい案だとは思うんだが……問題もあるんだよな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




