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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
25章・久々のリアーナ

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「はぁっ!!」


 気合いを込めてゴブリンの群れの中で右腕と尻尾を振るうと、何体かを斬ったり殴りつけたりした感触が伝わってきた。


 一撃で仕留めるために丁寧に急所を狙って……なんて余裕はないから適当に攻撃をしているんだが……どれくらい倒せたかな?


 とりあえず、何体倒して生き残りは何体いるのかを数えるために、その場で一回転しながら尻尾で周囲を薙ぎ払って魔物を遠ざけた。


「何体……っと、止めは刺してくれたのかな?」


 軽く見ただけだが、俺の攻撃箇所が腕や足などの、明らかに致命傷ではないような魔物も死んでいる。


 ヘビたちが追撃で仕留めてくれていたようだ。


「この程度の魔物なら十分やれるか。逃がさないようにダメージを与えればいいね。……よしっ!!」


 俺はもう一発目潰しを放つと、周囲の魔物たちへの攻撃を再開した。


 ◇


 魔物の群れを処理した俺は、本隊と合流するために急いで来たルートを引き返していた。


 つい今さっきまで俺が戦っていたし、流石にこのルートには魔物が入り込むようなことはないが、フロアの魔物が少しずつ集まって来ているのがわかる。


 時間が経てばまた本隊の背後に集まっているかもしれない。


「合流を急いだ方が良いね」


 どの道戦闘になるだろうし、それならいっそこちらが有利な状況で戦えるように、迎え撃つ用意をした方がいいだろう。


 周囲の魔物の位置を覚えながら進んでいると、前方を移動する兵たちの姿が見えてきた。


「……おっ!? いたいた。結構進んでいるね」


 俺が離脱していたのは10分もなかっただろうが、そろそろ浅瀬の奥近くまで来ている。


 足を速めたからだろうが、移動している間に魔物に絡まれたりはしていないっぽいな。


「戻ったよ!」


 隊の頭上に到着すると、下に向かって声をかけながら下りていった。


「おう、早かったな。怪我は……無いか」


 兵の言葉に「無い無い」と答えながら、向こうでのことを話す。


「ゴブリンが五組だったし大したことはなかったよ。ただ、オレが離れていた時よりも、魔物が集まって来てるね。ちょっとした切っ掛けで一斉に襲って来そうだよ」


「……突破するのは間に合わないか?」


「オレだけなら大丈夫だけど、皆はどうかな? 小型の魔物ばかりだけど……奥の方の入り組んだ場所で襲われるよりも、この辺の戦いやすい場所で待ち構えた方がいいんじゃない?」


 俺の言葉に、彼は考え込むように黙り込むと、周りの二番隊の兵たちに「おい」と声をかけた。


 彼らも俺たちの会話は聞こえていたようで、すぐに「やるべきだ」と返してきた。


「そうだな……まだ上層への通路までは距離があるが……壁は近いはずだ。進路を変えてそちらに向かおう」


 彼の言葉に、兵たちは「わかった。伝えてくる!」と言って走っていった。


 壁を背にして戦うのか。


 上層や中層のように、デカい魔物がいない浅瀬ならそれでも十分いいんだろうが……。


「戦いやすそうな場所をオレが探してきても良かったけど……いいの?」


 俺の質問に、彼は隊の後ろを見ながら「ああ」と頷いた。


「雑魚相手とはいえ囲まれるのは避けたい。今はアンタが倒してくれたが……いつ回り込むかわからないしな。それよりも、多少動き辛かろうと正面だけに集中出来る方が良い。……一つ頼まれてくれるか?」


「何かな?」


「冒険者連中と一緒に動いてもらえるか? アイツ等もアンタが一緒の方がいいだろうしな」


「ふぬ……それもそうだね」


 彼らの今の立ち位置は飛び込みの協力者みたいなもんだからな。


 緊急事態とはいえ隊全体での戦闘には入り辛いだろう。


 だが、俺が側で指示を出せば話は別だ。


 魔法を使えるみたいだし、後列に入って援護をするだけでも十分戦力になるし、折角参加しているんだから活躍してもらわないとな。


 俺は急いで冒険者たちの下に飛んで行った。


 それにしても……上からついて行くだけだと思っていたが、意外とやることが多いな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
羽使えたら行軍しつつ敵を弱らせる事も出来るのにね
セラさん相手の方が緊張しなさそうだからね
襲ってくるか…物資が無事に済むといいけど…
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