1807
冒険者ギルドでの話は結局四人を紹介するだけで終わりだった。
テレサは少々疲れた声ではあるものの、冒険者ギルド側の思惑を知れてよかったと言っていたが、職員や明日同行する冒険者たちは、わざわざ俺たちを呼び出したこともあって緊張していたんだろう。
テレサの言葉を聞いて、あからさまにホッとしたような表情を浮かべていた。
だが、報告は俺とテレサだけにしたらいいってもんじゃないし、この後リーゼルやオーギュストにもする必要があるんだが……まぁ、彼らなら意味のある行動だったら特に咎められるようなこともないはずだ。
仮に怒られるにしても、きっとカーンで終わりだろうが……あんまりその姿は想像出来ないよな。
冒険者ギルドを後にしてからしばらくはテレサと話していたんだが、屋敷に到着してからは使用人や警備の兵もいるからずっと黙っているってこともあって、色々考えてしまう。
「ふぬ……」
「どうかしましたか?」
隣を歩いているテレサの急な声にふと顔を向けると、彼女は不思議そうな顔をしている。
……これは。
「うん? ……顔に出てたかな?」
「ええ。笑ったり悩んだりと……」
しっかり出てしまっていたか。
まぁ、別に構わないだろう。
「カーンがさっきのことを伝えたら旦那様たちに何か言われるのかな……って思ってさ。想像出来るような出来ないような……」
俺がそう言うと、テレサもその光景を思い浮かべたのか「ああ……」と低い声で呟いた。
「案外今日の時点で全て話してしまうかもしれませんね。まだまだ冒険者ギルドでも形に出来ていないわけですし、それならいっそ領主や騎士団団長公認の下、訓練を行えるようにした方が……どうしました?」
テレサの声に俺も前を向くと、南館で働いている使用人が俺たちの下に歩いて来ていた。
南館の扉はもうすぐそこだが、それでもまだ俺たちがいるのは本館だ。
普段は彼女たちは本館に来ることはないんだが……真っ直ぐこちらに来ているし、俺たちが帰ってくるのを待っていたんだろうか?
そんなことを考えながら彼女を待っていると、「セラ様」と俺を見た。
「オレ?」
「はい。旦那様から、セラ様が戻り次第執務室に来るように……と伝言がありました」
「旦那様が……。テレサは?」
「テレサ様に関しては何も……」
彼女は俺の言葉に首を横に振った。
「まぁ、そりゃそうか」
リーゼルから直接指示を受けたんならともかく、伝令越しなら質問しようがないだろう。
「それじゃー……オレだけ行ってくるよ。セリア様たちへの説明はお願いするね」
「わかりました。呼んでくださればすぐに参りますので」
俺はテレサの言葉に「うん」と頷くと、今来た道を引き返すことにした。
◇
「あれ? まだいたんだ?」
執務室に入ると、中にはいつもの文官たちとオーギュストに加えて、冒険者ギルドの支部長であるカーンの姿があった。
まぁ……いくら彼でも、ここに来て用件を一つだけ済ませて帰るってことはしないだろうが……俺たちが屋敷を出る前に、既にここに来ていたはずだよな?
もう結構な時間経っているはずだぞ?
そんなことを考えながら部屋の中を見ていると、カーンの代わりにリーゼルが苦笑しながら答えた。
「セラ君は今冒険者ギルドで話を聞いて来たんだろう?」
「話って……明日同行させる冒険者のことですか? それとも……」
専属のサポート部隊を作ろうとしていることか……と言う前に、リーゼルが「後者だね」と遮るように言った。
「……聞きました。帰って来る途中テレサとどう説明してるんだろうね……って話してたんですけど、全部話しちゃったのかな?」
肩を竦めているカーンに視線を送ると、彼ではなくて今度はオーギュストが口を開いた。
「ある程度以上の実力を持つ者は概ね把握出来ている。冒険者ギルドに出入りしているのに、不自然に活動頻度が低い者たちがいることにもな」
……役所みたいなことを言い出したな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




