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「ほっ!」
集まって移動をしている魔物の群れの背後に北側から回り込むと、【緋蜂の針】を発動した。
群れは小型の妖魔種と魔獣の混合部隊だ。
明確なボスってのはいそうにないが……ある程度集団で動ける連中みたいだし、頭は悪くないだろう。
あまりのんびり時間をかけすぎてもいらんことを考え付きそうだし、ここは考える暇を与えないように一気に押し切る方がいいだろう。
進路上には木や枝もあるが、今回はアレクたちの方に追いやるのも目的だし、騒音は気にせず一直線に突っ込んで行った。
「おっとぉっ!?」
裏に回り込むまでは魔物たちにバレることはなかったんだが、何本かの枝を折った音で気付かれてしまった。
魔物たちはそのまま前進するか反転して俺を迎え撃つかで、迷ったのか足を止めている。
上手く行けばこのままこの場で数を減らすことが出来るんじゃ……と思ったが、群れの前の方から一声咆哮が聞こえたかと思うと、一斉に前に向かって走り出した。
「……コイツらボスがいるのか」
即興で集まった群れじゃなくて、しっかりと統率されているようだ。
見た感じ群れの魔物はどいつもこいつも大した強さじゃないが……要注意だな。
「アレクたちの方に追い立てるつもりだったけど……これはコッチに来させないように南に押していくかな」
南に向かっているし大丈夫とは思うが、なまじ行動が揃っているだけに、何かの間違いで北に向かわれたら大失敗だ。
アレクたちとの衝突前に数を減らせたら……と思ってたけど、それは諦めて南に向かわせことを優先するか。
上手く行けばアレクたちが側面を突けるだろうしな。
決まりだ!
「せーのっ!」
群れの最後尾の少し手前に狙いを付けると、群れの最後尾に向かって突っ込んで行った。
◇
「セラ! 後ろは俺たちが抑える。お前は前に回ってくれ!!」
「りょうかい!」
魔物の群れを南に誘導し始めてしばらく経つと、俺たちの動きに気付いたアレクたちが姿を見せた。
後ろに回り込むように動いているし、俺の狙いもわかっているんだろう。
すぐに返事をすると、魔物たちを飛び越えて前に回り込んだ。
「後ろはアレクたちが抑えているし……こっちから攻めても大丈夫だよね? それなら……」
俺は先頭から一列後ろを狙って目潰しの魔法を放った。
「真ん中ら辺に指揮を執ってるのがいるから気を付けて!」
後ろの皆に聞こえるように指示を出すと、まずは群れの先頭に向かって突っ込んでいく。
頭上を越えてやってきた俺と、後方を塞いだアレクたちの存在で群れ全体が動きを止めてしまっている。
先頭にいるのはただのゴブリンだし、これはチャンスじゃないか……と思ったんだが、俺の蹴りが直撃する前に群れの奥から咆哮が響き混乱を立て直されてしまった。
加えて今の咆哮に何か意味を込めてでもいたのか、揃って後ろに飛び退った。
「避けるかっ!?」
指揮役の魔物はいても個々の力は大したことないと思っていたんだが……少し考えを改めた方がいいかもな。
向こうも魔物相手に油断をするようなことは無いだろうが、思わぬ不覚をとる……なんてことはゼロじゃないし……。
「よっ……っと」
とりあえず仕切り直そうと前方を尻尾で薙ぎ払った俺は、後ろの皆に向かって再び指示を出す。
「コイツら強さはそこまでじゃないけど、結構動きがいいから気を付けてね!」
微かに「おう!」という返事が聞こえたことで、俺は「よし」と頷くと、先頭に向かって突っ込んでいく。
「まぁ……いくら大したことない強さだからって、正面から突っ込んだら避けるくらいはするよね」
さっきは迷いがあって動きが止まっていたが、今はもう立ち直っているしな。
ちょっと考えながら戦った方がいいだろう。
蹴りも尻尾も倒せるほどじゃないし、魔法の無駄撃ちはしたくないから足止めも難しい。
後方はアレクたちが抑えているし、逃げられるってことは無さそうだけれど、あんまり変なことをして混乱させても、逆に対処出来なくなるかもしれない。
中々難しいことになったな……。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




