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「さて……と、無理はしなくていいと言ってたけど……そうもいかないよね。そもそもオレじゃ抑えられないだろうしね」
ジグハルトがいた時は互いに距離をとっていたオオカミたちだが、後ろにいたオオカミもいつの間にかすぐ側にやって来ていた。
ジグハルトは向こうの応援に行く前に、オオカミたちをここから逃がさなければ、それでいいとか言っていたが、逃げる逃げない以前にやる気になっている。
一対一ならどうなったかわからないが、少なくとも二体でなら俺を倒せるとでも思っているんだろう。
唸り声を上げながら、二体揃ってこちらに近づいて来ている。
「まぁ……負けはしないけどね!」
二体を同時に相手取らなければどうとでもなるはずだ。
俺は持って来ていたサルの死体を邪魔にならない場所に放り投げると、【琥珀の剣】を発動して【猿の腕】で掴んだ。
【琥珀の剣】の痛みがどれくらい通用するかはわからないが、牽制くらいは出来るだろう。
「準備は出来たけど……かかってこないね。やる気になってるし、今の隙に襲ってくると思ったんだけどな……」
強力な魔物二体が相手だし、自分から突っ込んで行くよりも先に相手に動いてもらってから、カウンターでダメージを与えていく方が安全なんだが……突っ込んでこないか。
「やる気になっている割に慎重だね……。一応それなりにオレのことを警戒してくれてるのかな? それなら向こうが片付くまで時間を……んなっ!?」
そろそろジグハルトも合流しているんじゃないかなと、オオカミたちへの警戒を緩めずに北に視線を向けたところ、強い光と続いて小さな爆発音が辺りに響いた。
「始まったのか……おわっ!?」
今の魔法が合図になったのか、オオカミが二体揃って飛びかかって来た。
たとえ攻撃をかわし切れずに【風の衣】が破られたところで、【琥珀の盾】があるし一体ずつなら問題無いんだが、二体同時はちょっと不味い!
俺は慌てて真上に回避した。
オオカミたちの攻撃が届かない高さまで来たところで「ふぅ……」と大きく息を吐く。
「今のはちょっと危なかったかもね……。このレベルの魔物の攻撃を同じタイミングで受け続けたら、流石に間に合わなくなりそうだ」
【風の衣】も【琥珀の盾】もどちらも再発動はすぐに出来るんだが、だからと言って攻撃を受け続けていたら、どこかで間に合わなくなりかねない。
「カウンターを仕掛けるタイミングは無くなっちゃうけど、上に躱すのが正解だよね? ……君たちは隠れていてよ?」
地上のオオカミたちを眺めていると、服の裾からヘビたちが頭を出していたので、隠れるようにと指示を出す。
ヘビたちの攻撃力はともかく、防御力や耐久力がどれくらいなのか全くわからない。
攻撃面でのサポートはありがたいが、反撃を食らう可能性があるし、今回は隠れたままでいて貰わないとな。
「しっかし……どうしたもんかね。地上に降りて二体を相手にするのはちょっと危険すぎるし、かと言って……っ!?」
このまま上空で滞空し続けていても、ボス格二体を引き留められるとは思えないし……と言おうとしたんだが、正にそのタイミングで一体が北側に走り出そうとした。
「ふらっしゅ!」
とにかく足を止めないと……と、鼻先目がけて魔法を放つ。
狙い通り突然の強力な閃光に目を眩ませて、悲鳴を上げながら地面を転がるオオカミ。
隙だらけだし、仕掛けるなら今なんだが……。
「あぁっ……! 無駄撃ちしちゃったなぁ!」
ぼやきながらも地面に転がるオオカミ目がけて突進をする。
だが、その蹴りが直撃する直前に、もう一体が横から蹴りを阻止するために襲い掛かって来た。
「おっとぉっ!? わかってたよ!」
俺は叫びながら上に逃れる。
来るだろうなとは予測していたから慌てることなく躱すことが出来たが、お陰で攻撃は不発に終わってしまった。
目潰しを食らった方はまだ苦しんでいるし、視界が戻っていないはずだが……もう一体がいるせいで狙うことが出来ない。
このまま回復されてしまうだろうな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




