表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
2章・雇い主は、お嬢様
16/2030

14

さて、よくわからないがアイテムの形が変化した。

【浮き玉】も最初は重いだけの玉だったし、もしかしたらああやることで、効果を発揮できるようになるのかもしれない。


それはいいとして、今は何をやっているんだろう?


2人にセリアーナがアイテムを渡そうとしているんだけれど、ガチャの時みたく跪いている。

ただ渡すだけならそれでいいのかもしれないけれど、互いにアイテムに触れ、空いた方の手を合わせている。


何の儀式だろう…?


そう思いながら見ていると、その謎の儀式?も終わったようだ。

エレナとアレクがそれぞれ手に取り変化させている。


「何か聞きたいことでもあるの?」


じっと見ていたことに気づいたのか、セリアーナがこちらに来た。


「今やってたのは何なの?」


「そうね…その指輪、貸しなさい」


「えっ⁉」


先程の聖貨の件もあり、思わず手を後ろに回し後ずさってしまう。


「取らないわよ。説明に使うから貸しなさい」


まぁいいかと、指から外し渡す。


「見ていなさい」


そう言うなり自分の左手の指にはめるが、何も起こらない。

こちらに手を見せてくるが、少しサイズが余り、爪はピンクのままだ。


「…おや?」


【影の剣】は指にはめるとサイズが調整され、爪が黒く染まる。

そう認識していたんだけど、違うんだろうか?


おかしいな?と思いながら見ていたら、指輪を外し俺の手を取り指輪をはめた。

指輪はいつも通り、指に合うサイズになり爪は黒く染まった。

試しに爪を伸ばしてみるとちゃんと伸びた。


「…あれ?」


所有者制限でもあるんだろうか?


「わかった?恩恵品は最初に開放した者だけが使えるの」


そう言うと俺の手から指輪を外し、また自分にはめるが、何も起こらない。

ね?とこちらに見せてくる。


「ただし例外があるの。それがあの下賜の儀式よ。開放した者から使用権を与えられるの。そうすることで1つの恩恵品を複数の者が使えるようになるわ」


恩恵品はアイテムの事で、開放ってのはあの変化したやつの事かな?

なるほど…ガチャの時に自分が使わないのに当たりとか言ってたのはそれだったのか。

自分以外でも使えるのなら褒美なんかにも使えるな。

聖貨を集めている教会と仲が悪いのはその辺もあるのかな?


ところで、指輪返してくんないかな…?



「セラちゃん、ちょっと手伝ってもらえないかしら」


ふよふよと屋敷の中を漂っていると、メイド長のハンナさんに呼び止められた。


「ん?はいよー」


一応乗り物ぽいし屋内での【浮き玉】の使用は控えていたのだが…、如何せん広い。

別棟にある使用人用の部屋を使っているのだが、俺の体じゃ行ったり来たりが非常にきつい。

ってことで許可を得て、屋敷内でも使うようにしている。


ガチャを引いた日から数日経ったが、エレナとアレクはアイテムを使いこなすべく訓練所に入り浸っており、セリアーナもそれにたまに混ざっている。


俺はアイテムを使えないし、訓練所には剣や槍は置いてあるが重くて使えない。

そもそも子供がいたら危ないし邪魔になるってことで、屋敷内で適当に過ごしていなさいと放置されている。


一通り探検は終えたし書庫はあるが本は貴重品ということで入室させてもらえず、やることの無い俺が始めたことが、使用人の手伝いだ。


恰好こそメイドだが、仕事はしなくていいと言われている。

ただ、突如拾われて来た子供が、仕事をしないのに個室を与えられ、好き勝手にしていたら、いくらお嬢様付きとはいえ反感を買いかねない。


てことで、簡単な仕事を手伝うようにしている。

具体的には高い所の雑用だ。

【浮き玉】に乗って出来るから何の問題も無い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ