1571
領都に戻ってきた俺は、オーギュストに頼まれた伝言を騎士団本部に伝えると、その後はリーゼルの部屋に向かった。
詳しい報告は後々オーギュストに任せるとして、簡単にだが執務室の皆にも伝えようと思ったんだが……話した内容に驚かれてしまった。
もちろん、彼等は今日の俺が何のために北の森に向かったのか知っていたと思うんだが、思ったよりもずっと真面目に戦闘を行ってしまったからな。
場所は領都から離れてはいて、一応それなりの理由はあったものの、街道で結構な規模の魔境の魔物の群れと戦闘したわけだし、先日に引き続き頭が痛い話だろう。
まぁ……それはまたお偉いさんたちで話し合って、どうにか良い解決方法を考え出して貰おう。
ってことで、執務室での話を切り上げた俺は、セリアーナの部屋に戻って来た。
「ただいまー……疲れたよー」
部屋の中ではセリアーナとエレナがソファーにかけていて、使用人たちが部屋の隅に控えていた。
テレサとフィオーラの姿は見えないが、彼女たちは冒険者ギルドや研究所でお仕事中なんだろう。
彼女たちにも色々話したいことがあったが、それはまた後でだな。
とりあえず、これで今日の俺のお仕事は終わりだ。
まだ昼ではあるが、元々今日は俺は休みの予定だったし、ここ最近真面目に仕事をし過ぎていたからな。
ゆっくり休ませてもらおう。
俺は空いたソファーの一つに飛び降りると、ゴロンと寝転がった。
その俺に向かって、向かいに座るセリアーナが口を開いた。
「ご苦労様。疲れているでしょうけれど、用意は出来ているから先にお風呂に入って来なさい。その後昼食よ。休むならそれを済ませてからにするのね」
「む。りょーかいー……」
疲れてはいるし面倒だとは思ったが、セリアーナの言葉はもっともだし……仕方が無いなと、俺はソファーから降りて風呂に向かうことにした。
「セラ様、昨日と同じようにフィオーラ様の研究所に届けますから、ジャケットを預かります」
浴室の扉の目の前までやって来て、中に入ろうとしたんだが、その前に使用人が横から声をかけてきた。
「あぁ……そうだね。おねがーい」
脱いだジャケットをその彼女に預けると、今度こそ俺は浴室の扉に手をかけた。
◇
風呂から出ると、先程まではいなかったミネアさんが部屋に来ていて、用意されていた昼食を皆で一緒にとることになった。
三人とも初めは特に当たり障りのない話をしていて、使用人たちが部屋にいるから、敢えて突っ込んだ話を避けているのかな……と思ったんだが。
「セラさん。セリアーナさんが、こちらで貴女の下に付いて活動する腕の立つ者がいないかと言ってきたの」
「むむ??」
急な話に、思わずセリアーナとエレナの顔を見るが、二人とも何ともない様子で食事を続けている。
一方二人と違って使用人たちは、声こそ出さないが驚きながらも、俺たちの話を聞き漏らさないようにと、控えている壁際から半歩程こちらに近づいていた。
その彼女たちを無視するように、先程と変わらない口調でミネアさんが話を続ける。
「貴女の下に付くと言うことは、ウチの下で働くと言うことでしょう? 領地に残っている者で何人か融通出来ると思うのだけれど、どんな者がいいとか要望があるかしら? 多少は聞けるわよ?」
この言い方だと、俺……と言うよりは、リアーナ領で活動するミュラー家の私兵のような感じになりそうだが……。
ミネアさんの言葉に再度セリアーナに顔を向けると、肩を竦めて「好きにしなさい」と言ってきた。
それならと、俺はどんな人がいいかなと考えることにした。
「そうですね……んーと……」
理想を言うなら、アレクやジグハルトやテレサ……それとルバンのように、腕と頭が立って尚且つ何かセールスポイントがあるような人がいいんだが、それは流石にワガママ過ぎるような気がする。
そもそも、そんな人が都合よくいるとは思えないし、簡単にこっちに来れるとは思えない。
もう少し現実的なところで……と考えることにした。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




